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ダイキン、社員6,000人からエアコンのアイディアを募集。よりチャレンジングな製品へ

 ダイキン工業は、千葉県・幕張メッセで開催されている、冷凍・空調・暖房展「HVAC&R JAPAN 2018(ヒーバック&アール ジャパン)」に出展し、国内空調事業の方針説明会を開催した。今後は家庭用エアコンにおいて開発ペースを早め、より挑戦的な製品を生み出していくという。社員6,000人から製品アイディアを募る企画を実施していることも発表し、展示ブースではその中から選ばれた製品のプロトタイプが紹介されていた。

「HVAC&R JAPAN 2018」ダイキンブース

普段は上層部からNGが出るようなアイディアも採用。挑戦的な製品開発

 同社は、2017年9月にデザインにこだわった家庭用ルームエアコン「risora(リソラ)」と、洗面所やキッチンなど小空間に設置できる「ココタス」を発表。ユーザーからの反応が良く、受注数は好調に推移しているという。

 一方、家庭用エアコンはコモディティ化が進んでいるという面もあり、各社の機能に違いが生まれにくくなっているという。そこで同社は、社員6,000人から製品アイディアを募る企画を実施。同企画について、ダイキン工業 常務執行役員 空調営業本部長 舩田 聡氏は、以下のように語った。

 「家庭用というと、常に新しい機能を搭載しなくてはいけないという課題があります。基本的に、商品企画の担当者は一緒なので、新しいアイディアが生まれにくくなります。普段は面白いアイディアが浮かんでも上層部でNGが出るということが多くありますが、今回はそういうのをナシにしてどんどん面白いアイディアを採用し、まずはプロトタイプを作ることにしました。実際に製品化した際に売れるかはわかりませんが、売れなかったらやめて、また新たな製品を開発します。今後はそうした、挑戦的なことを行なっていきます」(舩田氏)

 これに伴い、製品の開発ペースも早めるという。従来は1~1.5年掛かっていた開発ペースを3カ月ペースにし、モノづくりのプロセスから変えていくとしている。

ダイキン工業 常務執行役員 空調営業本部長 舩田 聡氏
家庭用ルームエアコンのフラグシップモデル「うるさら7」
7色展開でデザインにこだわった「リソラ」
、洗面所やキッチンなど小空間に設置できる「ココタス」

アロマや見守り機能付きルームエアコンなど、プロトタイプ3つを紹介

 展示ブースには、募集したアイディアから優れていたものをプロトタイプとして展示。いずれも製品化は未定。今後も、集まったアイディアでプロトタイプを作り、2018年~2019年にかけて19テーマを用意しているという。

 今回用意されたのは、リソラにアロマ機能を付けた「risora×aroma」、エアコンと併用して使う壁掛け/床置き対応の「快適をアシストするサーキュレーター」、離れて暮らす家族を見守る「見守り機能付ルームエアコン」の3つ。

上から、リソラにアロマ機能を付けた「risora×aroma」、現在リソラのカラーバリエーションにないレッドを採用したモデル
アロマの香りを届ける「risora×aroma」

 アロマ機能を付けた「risora×aroma」は、吹き出し口部分にアロマタブレットを備えたモデル。ここにアロマオイルを垂らしてセットすることで、アロマディフューザーのような機能を付加させられる。エアコンの風とともにアロマの香りが部屋に届き、新しい空気の楽しみ方ができるとする。

 実際に「risora×aroma」が稼働しているスペースに行くと、ほのかにアロマの香りが漂っているのがわかる。強すぎない香りで、リビングや寝室でのリラックスに良さそうだ。

吹き出し口にアロマタブレットを備える
リソラの各カラーに合わせたアロマも用意
暖気をムラなく循環「快適をアシストするサーキュレーター」

 壁掛け/床置き対応の「快適をアシストするサーキュレーター」は、部屋のすみずみまでエアコンの風を届けるという。例えば、エアコンの正面の壁に掛けて、ムラなく暖気を循環させて室内をすばやく均一に空調。このほか、エアコンの気流だけでは届かない死角ゾーンに空調アシストするといった使い方を想定する。

壁掛け
床置き
エアコンの気流だけでは届かない死角ゾーンに空調アシストするといった使い方も想定
「見守り機能付ルームエアコン」

 「見守り機能付ルームエアコン」は、スマートフォンやタブレットと連携。部屋の温度や湿度だけでなく、睡眠/不在時間なども表示でき、離れて暮らす家族の生活リズムをアプリで共有できるとする。

見守り機能付ルームエアコン
部屋の温湿度、睡眠/不在時間などを表示

 会場ではこのほか、業務用やグローバル展開するエアコンも紹介。東南アジアで展開する、好きな写真を前面パネルにできる室内機や、アメリカの家庭用空調機の主流である巨大な室外機などが展示されていた。

好きな写真を前面パネルにできる室内機。東南アジアで展開
巨大室外機。エアコンをフル活用するアメリカでは就留だという
工場空調に適した「マルチキューブ」
吹き出し温度制御機能を備え、1人1人快適な環境で作業できる