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ダイキン、社員6,000人からエアコンのアイディアを募集。よりチャレンジングな製品へ
2018年3月1日 17:25
ダイキン工業は、千葉県・幕張メッセで開催されている、冷凍・空調・暖房展「HVAC&R JAPAN 2018(ヒーバック&アール ジャパン)」に出展し、国内空調事業の方針説明会を開催した。今後は家庭用エアコンにおいて開発ペースを早め、より挑戦的な製品を生み出していくという。社員6,000人から製品アイディアを募る企画を実施していることも発表し、展示ブースではその中から選ばれた製品のプロトタイプが紹介されていた。
普段は上層部からNGが出るようなアイディアも採用。挑戦的な製品開発
同社は、2017年9月にデザインにこだわった家庭用ルームエアコン「risora(リソラ)」と、洗面所やキッチンなど小空間に設置できる「ココタス」を発表。ユーザーからの反応が良く、受注数は好調に推移しているという。
一方、家庭用エアコンはコモディティ化が進んでいるという面もあり、各社の機能に違いが生まれにくくなっているという。そこで同社は、社員6,000人から製品アイディアを募る企画を実施。同企画について、ダイキン工業 常務執行役員 空調営業本部長 舩田 聡氏は、以下のように語った。
「家庭用というと、常に新しい機能を搭載しなくてはいけないという課題があります。基本的に、商品企画の担当者は一緒なので、新しいアイディアが生まれにくくなります。普段は面白いアイディアが浮かんでも上層部でNGが出るということが多くありますが、今回はそういうのをナシにしてどんどん面白いアイディアを採用し、まずはプロトタイプを作ることにしました。実際に製品化した際に売れるかはわかりませんが、売れなかったらやめて、また新たな製品を開発します。今後はそうした、挑戦的なことを行なっていきます」(舩田氏)
これに伴い、製品の開発ペースも早めるという。従来は1~1.5年掛かっていた開発ペースを3カ月ペースにし、モノづくりのプロセスから変えていくとしている。
アロマや見守り機能付きルームエアコンなど、プロトタイプ3つを紹介
展示ブースには、募集したアイディアから優れていたものをプロトタイプとして展示。いずれも製品化は未定。今後も、集まったアイディアでプロトタイプを作り、2018年~2019年にかけて19テーマを用意しているという。
今回用意されたのは、リソラにアロマ機能を付けた「risora×aroma」、エアコンと併用して使う壁掛け/床置き対応の「快適をアシストするサーキュレーター」、離れて暮らす家族を見守る「見守り機能付ルームエアコン」の3つ。
アロマの香りを届ける「risora×aroma」
アロマ機能を付けた「risora×aroma」は、吹き出し口部分にアロマタブレットを備えたモデル。ここにアロマオイルを垂らしてセットすることで、アロマディフューザーのような機能を付加させられる。エアコンの風とともにアロマの香りが部屋に届き、新しい空気の楽しみ方ができるとする。
実際に「risora×aroma」が稼働しているスペースに行くと、ほのかにアロマの香りが漂っているのがわかる。強すぎない香りで、リビングや寝室でのリラックスに良さそうだ。
暖気をムラなく循環「快適をアシストするサーキュレーター」
壁掛け/床置き対応の「快適をアシストするサーキュレーター」は、部屋のすみずみまでエアコンの風を届けるという。例えば、エアコンの正面の壁に掛けて、ムラなく暖気を循環させて室内をすばやく均一に空調。このほか、エアコンの気流だけでは届かない死角ゾーンに空調アシストするといった使い方を想定する。