家電トレンドチェッカー
レンタルe-bikeで観光したら京都の魅力を再発見!! 混雑も渋滞も無縁だから、穴場も定番スポットも自由に巡れて超快適♪
2019年5月7日 06:00
そうだ! e-bike、借りよう。京都で、借りよう!
発足間もないインプレス「e-bike部」ですが、ちょっと遠出してe-bikeサイクリングをしようということに。関東圏や伊豆あたりはサイクリングしていますが、さらに遠くに行ってみようじゃないか! という話になりました。
ちなみにe-bikeとは、電動ドライブユニットを搭載するスポーツ自転車のこと。ただし、e-bikeに搭載される電動ドライブユニットは、シティサイクル(軽快車)に搭載されるものとは異なります。具体的には、スポーツ走行向けのアシスト性能を持ち、よりスムーズ&パワフルなアシストが可能で、大容量バッテリーにより100kmを超える長距離走行もできたりします。もともと走行性能が高いスポーツ自転車に、そうした高性能なドライブユニットが搭載されているe-bike。従来の電動アシストのシティサイクルと比べると、走行感覚がまったく異なります。
そんなe-bikeを楽しみまくっている我々e-bike部ですが、さて次は、どこでe-bikeサイクリングをしようか? 出てきた案が「京都」でした。e-bikeで京都観光。暑くもなく寒くもなく、時期的には非常にイイんじゃないでしょうか。
よくよく考えてみたら、e-bikeで京都を巡るメリットも多々ありそうです。京都の観光スポットは、東は山科・醍醐、西は嵯峨野・嵐山、南は伏見・宇治、北は大原・鞍馬といった感じ。もちろん、中心部の洛中周辺にも多々あります。ともあれ、観光地のスケール感としては、東西約12km・南北14kmの範囲。いろいろ回ろうとすると、電車やバス、タクシーといった交通機関を使わざるを得ません。
ただ最近の京都って、インバウンド人気が壮絶で、人だらけ。祇園なんか歩くと「日本人比率低っ!」と驚くほど。従来よりずっと多くの観光客が観光&移動していますので、かなり混雑しています。当然、バス待ちやタクシー待ちも多発。つまり、移動するための待ち時間がけっこう発生してしまっているわけです。ロス時間ですね。
そこでe-bike。東西約12km・南北14kmの範囲なら、e-bikeでラクに回れる範囲です。まあ観光スポットすべてを1日で回るのには無理がありますが、距離的にはe-bikeで十分カバーできる範囲なので、移動のための待ち時間というロスをなくし、効率よく観光できます。裏道や川沿いサイクリングロードを使って混雑を避ければ、気分もいいでしょう。それに平らな京都なら、e-bikeで長距離を走っても苦にならず汗もかきません。
これはイイ!! じゃあe-bikeで京都観光だ!! とは思いましたが、京都までどうやってe-bikeを持っていくのか!? トランポ(自転車やバイクをクルマで運ぶこと)? いや~首都圏から京都までクルマで走りっぱなしで5時間くらいかかる。疲れちゃう~。
そんな我々に朗報が! 京都でe-bikeをレンタルしているショップがあるとのこと。具体的には「サイクルベースあさひ洛西口店(らくさいぐちてん)」です。
サイクルベースあさひ洛西口店は、常時数十台のレンタルe-bikeを用意しているお店で、e-bikeの品揃えは日本最大級。もちろん、e-bikeの販売も行なっています。
で、驚いたのがレンタル料金。各種自転車を1日(11:00から19:30まで)借りられる「1dayレンタサイクル」というプランがありますが、e-bikeのレンタル料は5,000円(税込)。1日中ガッツリ借りて5,000円。これは超借りやすい!
もうコレで決まりですね♪ 新幹線を使って京都まで手ぶらで行って、サイクルベースあさひ洛西口店からe-bikeサイクリング観光を開始。混雑を避け、京都ならではの風景も見つつ、e-bikeならではラクでハッピーな京都観光を楽しむことにしました。
これだけ借りて1万5,000円なのか♪
今回の京都e-bikeサイクリング参加者は3名。なので、サイクルベースあさひ洛西口店の「1dayレンタサイクル」プランでe-bikeを3台借りました。借りたのは、メリダ「e.BIG SEVEN 600」、ミヤタ「CRUISE」、ミズタニ「Seraph E-01S」です。
この3台のうち、メリダ「e.BIG SEVEN 600」はMTBタイプのe-bikeで、ほか2台はクロスバイクタイプのe-bikeです。実は、この3台には共通点があり、それはドライブユニットにシマノSTEPS「E8080シリーズ」を搭載しているという点。
シマノは欧州にてe-bike用ドライブユニットのシマノSTEPS「E8000」をフラッグシップモデルとして展開しています。そして、e-bike先進国が連なる欧州で非常に高い評価を得ているのです。そんなシマノSTEPS「E8000」を日本仕様へ最適化したドライブユニットがシマノSTEPS「E8080シリーズ」。
このシマノSTEPS「E8080シリーズ」は、最大70Nmのトルクを発生し、本格的な山岳を走ることまで視野に入れた設計になっています。実際にこのドライブユニットを搭載したMTBでトレイルを走ると、超がつくような激坂でもグイグイ上がれてしまいます。そんなドライブユニットを搭載する3車種なので、京都の平坦な街中をスイスイ走れるのはもちろん、実はけっこう急峻な坂道もある京都の山沿いでも楽しくサイクリングできるというわけです。
なお、これら3車種の税抜価格は、メリダ「e.BIG SEVEN 600」が35万9,000円、ミヤタ「CRUISE」が26万9,000円、ミズタニ「Seraph E-01S」が38万円です。3台の合計額が100万と8,000円。でも、サイクルベースあさひ洛西口店の1dayレンタサイクルプランだと、この3台合計のレンタル料金が1万5,000円(税込)。う~ん、なんか凄くお得な感じがしますね~♪
ちなみに、1dayレンタサイクルプランでは、途中で車種を変更するのもOKだそうです。サイクルベースあさひ洛西口店には数十種類のレンタルe-bikeがありますので、e-bike京都観光で時間が余ったらe-bikeの乗り比べをするのも楽しいですね(実際に筆者はそうして楽しみました)。また、e-bike乗り比べのためだけにサイクルベースあさひ洛西口店を訪れるというのもアリ。現在、これほど多彩なe-bikeをレンタルしているショップはほかにまずありませんし。
ともあれ、そんなサイクルベースあさひ洛西口店でe-bikeを借り、京都e-bikeサイクリング観光へと出発です。まずは、サイクルベースあさひ洛西口店で聞いた「穴場スポット」から訪れてみることに。後述しますが、ホントにかなりの穴場でした。そういった情報までバッチリ得られるのは、さすが地元の自転車店だなぁと思った次第。
スイスイと登坂して、静かで美しい竹林を巡る
まず目指したのは、前述の「穴場スポット」こと「京都市洛西竹林公園」周辺です。京都で「竹林」といえば、やっぱりどうしても「嵐山・嵯峨野に広がる竹林」が思い浮かびますね。でも、世界的に有名な竹林だけに、けっこー混雑しちゃいます。しかし、京都市洛西竹林公園の周辺には、京都ならではの竹林が広がり、あまりメジャーでないことから「知る人ぞ知る穴場」となっているそうです。
出発地点のサイクルベースあさひ洛西口店から京都市洛西竹林公園までは、標高差にして150mくらいでしょうか、上りになります。距離は3kmといったところ。サイクリングの開始直後から上り基調なんですが、いや~やっぱりe-bikeはラク。平地を進む感じで間もなく目的地付近へ到着です。
余談ですが、京都市洛西竹林公園までの景色はよく憶えているんですが、そこへ行くまでにあったハズの「けっこうな上り坂」については記憶にないんですよね。Googleストリートビューを見るとたしかにキツそうな坂があるんですが、「このキツい坂、自転車で上ったんだっけ?」みたいな。そのくらいラクに登坂できちゃったんでしょうね。
筆者はメリダ「e.BIG SEVEN 600」をレンタルしましたが、このe-bikeは車重19.2kg。MTBタイプのe-bikeとしてはちょっと軽量です。また、ドライブユニットとしてシマノSTEPS「E8080シリーズ」を搭載し、ギアはフロント38Tでリア11-42T。タイヤは27.5x2.2インチで、フロントサスのトラベル(可動域)は100mm。山道をガンガン走りつつ、ちょっとスピードも出せる感じのMTBです。
こういうe-bikeで街中を走ると、まあ基本「坂道がキツい」ってことはほとんど皆無でありつつ、20km/h以上での巡航も快適。クロスバイクなどよりタイヤが太いので、段差乗り越え時のクッション性があって、乗り心地もイイです。街乗りでMTBタイプのe-bikeってのは、やっぱり「アリ」ですね~。気になる林道を見つけたらそのまま入っていくこともできますし♪
で、穴場の竹林ですが、サイコーでした。ほとんど人がいない! そして竹林も立派! 京都市洛西竹林公園周辺には、様々な種類の竹があり、場所によって竹林の雰囲気が大きく変わるもの印象的です。e-bikeなので、興味があるほうへ気ままに走っていけるのもいいですね~。
この穴場竹林地帯はよく整備されていて、静かで雰囲気がよくて、時折ウグイスなんかがさえずっちゃって、今回は桜まで見られました。こういう場所をデートしたりすると、記憶に残る美しいデートになりそうですので、ゼヒ訪れてみてください……e-bikeで!
桂離宮にチョイ寄り♪
京都市洛西竹林公園を後にして、今度はそこから北上し、嵯峨野方面へ行ってみようということに。街中を通っても行けますが、できれば人もクルマも少ない空いた道を、気分よく安全に走りたい。ということで、いったん東のほうの桂川に出て、桂川沿いを北上することにしました。
この日はけっこう風が強く、桂川の北上は向かい風。普通の自転車だと時折ダンシング(立ち漕ぎ)を動員しちゃうくらいの強風でしたが、e-bikeだとグイグイ進めます。川沿い遡上も強風向かい風もナンデモナーイ! 相変わらず楽しくラクに進めます。
そんな途中でマップを見ると、あらま、この近くには、あの人気観光スポット「桂離宮」があるじゃありませんか。ちょと寄って行こうか。でも、いきなり寄って入れるような場所じゃなかったような? 事前予約とか申し込みとかが必要な、そう簡単には入れない超有名離宮だったような……。でもまあ「桂離宮の前まで行ったけど入れなかった」的な旅の経験でもいいし、とりあえず寄ってみよう♪
そしたらですね、いきなり入れちゃいました。「当日申込み」の枠が空いていたんでした。ラッキー! そして離宮内見学。なんとなく興味半分・話のネタ半分で桂離宮に寄ったわけですが、日本人の世界観が凝縮されたような、なんともまあ美しい庭と建築! 我々e-bike部は仕事のことなど一切忘れて感動したのでした。素晴らしい。眼福。
デートでロマンチックな竹林に行って、さらにふたりで桂離宮で感動したりすると、もうこれは結婚コースですね。実際そんなふーなカップルもいらっしゃいました。ぜひ彼女・彼氏と巡ってみてください。もちろん、そこはe-bikeで!!
ちなみに、先程の穴場竹林から桂離宮まで、距離にして約6km。市街地をパスして走ったので混雑とか渋滞は一切無し。時間にして20分といったところでしょうか。自転車で走ると、京都のスケール感がけっこう違ってきます。短時間で京都のオイシイところを巡れる、という感覚ですね~♪
渡月橋で一休み、裏道のアノ店でランチ♪
桂離宮からさらに北上。ルートもやはり桂川沿いのサイクリングロードです。混雑や渋滞とは無縁で、スイスイ走って渡月橋を目指します。桂離宮から渡月橋までは、約6km。ここも時間にして20分くらいのサイクリングです。
渡月橋付近にさしかかると、さすがに観光客が目立ってきて、人混みになってきます。クルマも増加。我々e-bike部一行は、その混雑から逃げるように「嵐山公園中之島地区」(桂川の中洲に整備された公園)に。ここでは自転車を押しながら歩いてゆっくり散策です。
渡月橋は桂川にかかる全長155mの橋ですが、写真を見ると「あ~京都のあの橋か」とピンと来る方も多いと思います。かなり有名な橋で、e-bike部メンバーも電車やバスで訪れたことがあると言います。でもその記憶は「時間をかけて来たら激混みだった、くらいの印象しかない」だそうです。
アリガチですよね、人が集中する有名観光地では。人が集中するから交通も混雑するし、もちろん現地は人だらけ。観光疲れしちゃいます。
でもe-bikeで渡月橋を訪れた印象は「わー、あの橋だ~♪」という楽しさばかり。e-bikeでサイクリングロードを気分よく走っていたら、映像や写真でよく見る「あの橋」が出現したゾ、みたいな感覚。渋滞や混雑をざっくりとパスし、「おーこれが渡月橋か~」とオイシイところだけ味わえます。ツイデにオイシイお団子で補給です。いや~e-bikeで京都観光、ほんとイイですわ~♪
お団子により空腹感が増幅されてしまった我々e-bike部一行。サクサク移動してきたとはいえ、15kmくらい走っているし、e-bikeとはいっても絶えずペダルを踏んでいます。普通の自転車ほどではないにしろ、けっこー運動している。お腹も減る。
というコトで、メンバーが以前に訪れたことがあるという、またもや穴場的なお店へ。そこでランチすることに。
実は、そのお店は表通りからちょっと裏に入った場所にあるんですが、道一本向こうというだけで、もはや観光客は僅少。地元の人がちらほらいるくらいの場所です。お店に着くまでちょっと迷いましたが、e-bikeなのでストップアンドゴーもラクですし、そもそも自転車ですので裏道細道をぐるぐる回っても苦になりません。やっぱり平地でも都市部の観光とe-bikeはよくマッチするんだなぁと思った次第。
e-bikeの観光は最高!! e-bikeレンタル最強!!
空腹を満たした後は、嵯峨野のお寺を回ってみたり、有名スポットを見物してみたり。気の向くままに京都の観光地をポタリングしていきました。そうしているうちに、いつしか夕方に。そろそろこのレンタルe-bikeを返す時間だけど……時間内に返せるのか? 間に合うのか?
ということで、帰りは街中の幹線道路をサイクルベースあさひ洛西口店へ向けて走ります。スピーディーに車道を走行。ちょっと下り基調なので、さらにラクですし、スピードも出ます。
若干余談ですが、こういった街中で、微妙に下り基調だったりすると、e-bikeでの幹線道路走行もわりと快適です。大雑把にいえば「路線バスと同じくらいの速度で移動できる」という感じ。なので、まあ、街中を走るクルマともだいたい同じ速度で移動できたりします。クルマにびゅんびゅん抜かれたり、後ろから煽られるような感じもなかったりして、意外と安全に走れます。信号絡みのストップ・アンド・ゴーも多いですが、走り出しのラクさはe-bikeならでは。なので、疲れにくいです。まあ、上り基調だと話が少し変わってきますが、疲れにくく速度を維持しやすいe-bikeは、都市部での移動手段によく向いているのかもしれません。
さて、意外に早くサイクルベースあさひ洛西口店に到着。まだ時間に余裕があったので、ほかのe-bikeに試乗したりして過ごしました。そして帰りは新幹線でサクッと首都圏へ。
今回のe-bikeによる京都巡り、事前に「けっこうイイんじゃないだろうか」と予想していましたが、けっこうイイどころか、サイコーにイイ!! ですっ!! 筆者のなかでは「観光」と「e-bike」が強固に結びつきました。
いろいろとイイんですが、たとえば「興味が湧いたら即、寄り道できる」という感覚。マップを見ていて「ここから3kmくらいのところに落柿舎があるらしい、中学の就学旅行で行ったかも」などと気づきます。でも、3km離れていたら、歩いて行くにはちょっと遠いですし、タクシーを拾って渋滞を貫いて行くほどでも……みたいな考えが浮かびがち。そもそも、普通の観光では「中学の頃に行ったかも」程度の理由で、そういう突然の寄り道はしないように思います。
でもe-bikeだと、できちゃいますし、気軽にしちゃいます。3kmなら10分もあれば行ける距離ですし、10分e-bikeを漕いでもほとんど疲れません。一切モヤモヤなしに「京都まで来たんだし、e-bikeなんだし、ちょっと寄り道してみよう」となるんです。e-bike観光は行動的になれます。
考えてみれば、クルマやバイクよりずっと自由なe-bike。相当のことがない限り、渋滞するということがありません。同時に、徒歩では無理な距離でもラクラク移動できるe-bike。クルマや電車では直接入っていけない場所にアクセスでき、徒歩より遥かに遠くへとラクに移動できるんですから、やっぱりe-bikeでの観光は最高に合理的です。京都に限らず、観光客が多く混雑していたり、渋滞が激しかったりする観光地では、やはりe-bikeが最適な移動手段になるのではないでしょうか。
今回のe-bike部活動では、そんな最高のe-bikeを観光現場でレンタルできたんですから、なんかこうイイと「観光地でのe-bikeレンタル最強!!」と声を大にして言いたくなる気分です。手ぶらで行って、e-bikeで自在に観光して、手ぶらで帰る。レンタルe-bikeいいわ~♪ と痛感しました。ヒジョーに大・大・大満足の1日で、1台5,000円のレンタルe-bike代の何倍も価値がある京都観光を体験することができました!!
この京都巡りは1日でしたが、連泊できるなら、たとえば2泊3日の旅ならそのうち1日を「e-bike観光」とするのもいいかもしれません。普段自転車に乗っていない人でも、e-bikeならラクに走れますし、そもそも自転車での移動なら観光地のディテールをしっかり見つつも、それを広範囲で行なえます。けっこう多くのケースで「あの旅行の1日はe-bikeで回っておもしろかったネ♪」と記憶に残るのではないでしょうか。
そんなふうにe-bikeを使うことで、旅行が大きく変わると思います。また、それは旅行だけでなく、休日のちょっとした過ごし方にも変化を与え、新たな発見が得られるハズ。e-bikeは生活のいろいろな部分を良い方向で変えてくれる存在です。
生活のいろいろな場面で「良い結果」「楽しい結果」を残してくれるe-bike。一度e-bikeを経験すると「すご~い! 高いけど欲しい~♪」とテンションが上がると思います。ですので、まずはレンタルでe-bikeに試乗してみてください。上り坂も含め、できるだけ長い距離を試走。そして、その魅力を体感したら、毎日の暮らしを一変させる新時代のモビリティとして、ゼヒ手に入れて欲しいなと思います。