難波賢二のe-bikeアラウンド
e-MTB、クロスバイク、ミニベロ、どれを選べばいい? e-bikeでストレスフリーな通勤とアクティブな週末をゲット!!
2019年4月12日 06:45
新元号も発表されて、いよいよ平成時代も歴史の1ページに刻まれようとしています。そして、4月といえば新生活。就職や転勤、入学といった新生活のための移動手段を探している人も多いのではないでしょうか。クルマ? スクーター? それとも自転車? 新時代にはもう一つの選択肢があります。それがe-bikeです。
通勤・通学にも便利なe-bike。しかも安全で楽しい
あらためて簡単に説明しますと、e-bikeとは電動アシストの付いたスポーツ自転車のこと。この連載でも、e-bikeは坂道を上ってこそ最も本領が発揮されると紹介してきましたが、もちろんそれだけではありません。通勤や通学にもe-bikeは非常に有効です。
例えば、通勤で複数路線を利用するとなれば、距離はそんなに長くないのに乗り換えも含めると結構な時間がかかってしまい、自転車通勤のほうが時間を短縮できそうな人も少なくないでしょう。とはいえ人力の買い物用自転車だと、途中のちょっとした坂道を上るだけでも疲れてしまったりと、朝イチのミーティングに汗ダラダラで参加するわけにもいきません。かつて学生時代に山の上にある大学へ通学するのに、必死になって自転車を漕いだ経験がある人もいるのではないでしょうか。
しかし、e-bikeであればスマートな通勤ができるだけでなく、ロードバイクやクロスバイクでの通勤のように幹線道路を中心に走らずとも、裏路地のストップ&ゴーもラクラクなので、東京のように裏道とセットでついてくる坂道も余裕でクリアできるのです。そして、結果的には過酷な“痛勤ラッシュ”ともお別れできるでしょう。
以前も「e-bikeは安全」という記事を書いていますが、e-bikeはパワフルな電動アシストだけでなく、油圧ディスクブレーキによる強力な制動力、オンロードタイプを選んでもやや太めのタイヤによるグリップ、乗りやすいポジションなどを備えています。そのため、減速しやすく再発進もラクラクなので、積極的に事故の予防や安全のために止まる気になれて、様々な交通が交錯する市街地も安全にクリアできるのです。
そして、アシスト速度の上限があるために、漕いでいる感覚は意外とのんびりペースとなります。「ゆっくりなので楽しくない」ということではなく、e-bikeの楽しい速度で走ると、自然と軽くアシストされている20km/h前後の速度に落ち着くため、結果的に「走っていていちばん快適で楽しい」スピードに落ち着くことになるのです。
新生活を想定してe-MTB・クロスバイク・ミニベロをチョイス
今回は新生活でのe-bike利用を想定して、e-bike部のメンバーでインプレス(東京・神保町)を出発して東京都心と臨海部を巡ってみました。いつも走っている地方でも編集部のメンバーと走ると、「ちょっと脇道の坂を上ってみましょうか?」という話になりますが、それは都心でも同様です。東京の街はアップダウンも意外と激しいうえ、また今まで行ったことのなかった裏路地のさらに“裏”を見つけて走るのは新鮮です。
今回用意したe-bikeは、e-MTBタイプのメリダ「e.BIG SEVEN 600」、クロスバイクタイプのミヤタ「CRUISE」、そしてミニベロタイプのルイガノ「ASCENT e-sports」の3車種。それぞれカテゴリーは異なりますが、共通するのはシマノが欧州で展開しているフラッグシップのドライブユニットのシマノSTEPS「E8000」を、日本仕様へ最適化したしたシマノSTEPS「E8080シリーズ」を搭載している点です。
最大70Nmのトルクを発生するこのドライブユニットは、本格的な山岳地帯を走ることも考えて作られているので、街乗りには十分な性能を持っています。また、実際に街乗りしてみると、シマノSTEPS「E8080シリーズ」のドライブユニットは、出だしで唐突にパワーが立ち上がらずに自然なフィーリングで、レスポンスが非常に良いためにペダリングを止めるのでなく、踏む力を弱めるだけで即座にトルクを絞ってくれます。そのため、街乗りのストップ&ゴーで意のままに走ることが可能で、とても気持ち良いのです。
通勤・通学にどのタイプのe-bikeを選ぶ?
e-MTB、クロスバイク、ミニベロタイプのどれが通勤・通学向き? と悩むかもしれません。しかし通勤で使うe-bikeは、従来の人力のスポーツサイクルと比べて自転車のカテゴリーによる性能差や重量などがあまり関係ありません。ですので個人的には、10km以内程度の移動ならe-MTBタイプがタイヤも太くて乗り心地が良く、路面に現れる凸凹も気にせず走れるのでオススメです。週末にMTBコースに持ち込んでe-MTBならではの特別な時間を楽しんでもいいでしょう。
平らな地域で移動距離が長めなら、クロスバイクタイプは、スリックタイヤの巡航性能が効いてくるので走っていて気持ち良いです。街乗り中心だったり、新たな趣味としてサイクリングを始めたい人にはオススメです。
そして、ミニベロタイプといえば、やはりその取り回しの良さが魅力でしょう。外出先での駐輪場の環境や自宅での保管環境を考えると、ミニベロタイプはMTBタイプよりも扱いやすいでしょう。また、見た目がオシャレなので、「デザイン重視派」の人にはぴったりかもしれません。
東京2020オリンピック・パラリンピックの観戦にも、e-bikeは最高のツール!!
都心部を抜けて、来年の東京2020オリンピック・パラリンピックの競技会場が多くある臨海部で豊洲大橋を越えて、脇道のオフロードを走ると見えてきたのはバレーボールが行われる有明アリーナ。さらに走ると水泳競技場のアクアティクスアリーナ。そして5kmほど走ると、海の森競技場の対岸の若洲臨海公園(東京ゲートブリッジを歩いて渡れます)。e-bikeで競技会場を巡っていると、e-bike部メンバーで合致したのが、「e-bikeがあれば来年のオリンピック観戦も最高だね」という結論。
ちなみにこの日は約50km走りましたが、どのe-bikeもバッテリーは半分以上残っていました。モードや乗り方にもよりますが、片道10km程度の距離ならば1週間充電不要で通勤できるでしょう。
新生活とは直接関係ないかもしれませんが、e-bikeはクルマの渋滞や混雑した電車、そして橋や坂道にも影響されません。1日に複数のオリンピック競技会場を巡りながら観戦するスタイルには、この上ない最高のツールとなることでしょう。そのためには、ルートの綿密な予習も欠かせないので、開催まで約500日となった今こそ、e-bikeのある新生活をスタートするには絶好の時期なのかもしれません。
e-bikeは、スポーツ問わず楽しく移動するためのツールなので、通勤はもちろん、週末にも使うことを考えて、自分のライフスタイルに合っている1台を購入するのが幸せへの近道でしょう。私が紹介しているような「eバウンド」的な使い方をするならe-MTB、もしくはクロスバイクがマッチしますし、カメラを持って裏路地の猫やカフェを探しに行く生活を夢見るならミニベロが最適でしょう。
平日は通勤に、週末はアクティビティに。365日毎日使える乗り物がe-bikeなのです。人生がきっとより豊かになるので、この新生活のタイミングで1台いかがでしょうか?