ミニレビュー

遂に理想のヘルメットに出会う!! デカ頭にも一発フィットするLAZER「CHIRU」

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
LAZER「CHIRU(チル)」

シマノからLAZERブランドの新しいヘルメット「CHIRU(チル)」が発売されました。LAZERは100年の歴史があるベルギーのヘルメットブランド。近年ではオフロード系ヘルメットやカジュアルライド向けヘルメットのラインナップも増えており、CHIRUはそんなオフロード&カジュアルライドに使えるマルチヘルメットとしてリリースされました。

CHIRUの形状はMTBライド向けの自転車用ヘルメットですが、トレイルライドやグラベルライド、さらにはアーバンライドまで使えるマルチヘルメットとして開発・発売されました
カラーはマルチレッド、マットホワイト、マットブラックグレー、マットブルーピンクの4種類があり、サイズはM(55-59cm)とL(58-61cm)が用意されています。重量はMサイズで340g。価格は8,250円です

CHIRUの発売を知ったとき、筆者的にはその見た目や形状が「これは好みのヘルメットだ!!」と気になりました。また、見た目とフィット感を両立させている「オールフィット」というサイジングにも興味津々。というわけで、さっそくメーカーからCHIRUをお借りし、ちょっと試用してみましたので、CHIRUの使用感などをお届けします。

デカ頭の筆者に一発フィット、外観的にも好印象

CHIRUはその形状からはMTBライド向けの自転車用ヘルメットに分類されると思いますが、カラーリングも形状もMTB系ヘルメットとしては「おとなしめ」です。なのでグラベルライドにもトレイルライドにもアーバンライドにも違和感なく使えると思います。その外観をご紹介していきましょう。

CHIRUのマットレッド、サイズはL(58-61cm)です。バイザーがあるので前傾姿勢の強いロードバイクにはあまり向きませんが、ほかのタイプの自転車全般に向きそうです
形状としては「尖りすぎず」という印象で、スポーツ感をやや抑えたデザインです。ベンチレーション×12があり、走行中は頭部の空流を促して排熱してくれます
カラーは、マルチレッド、マットホワイト、マットブラックグレー、マットブルーピンクの4種類があります。主張しすぎない形状と、わりあい落ち着いたカラーのヘルメットなので、さまざまなシーンで違和感なく使えそうです
ヘルメット内側のパーツ類はごく平均的。バックルも普通のものが採用されています
フィット感調整機構として「ターンフィットプラス」が採用されています。後頭部にあるダイヤルを片手で回すだけで、頭頂部全体を均一にフィットさせられます。逆回しにすれば緩められます

試用したのはCHIRUのサイズL(58-61cm)。「61センチか、ギリギリかな?」などと思いつつ、筆者のデカ頭に装着してみたら……あらピッタリ!! 一発でフィットです。頭に合う大きめのヘルメットを探し、たびたび苦労している筆者にとってはかなりの驚きでした。

ちなみにCHIRUのサイジングはLAZER独自の「オールフィット」。欧米人に合うヨーロピアンフィットとアジア人に合うアジアンフィットの中間サイズだそうです。

オールフィットは、頭部の横幅が広いアジア人にもよりフィットしやすく、それでいてヘルメットの横幅が広くなりすぎず外見的にもスッキリするメリットがあるそうです。なるほど、言われてみれば筆者のデカ頭にジャストフィットしたわりには、全体的にわりとスマートな形状で好印象です。

ともあれ、形状とフィット感を両立しているように感じられるCHIRU。興味のある方はぜひ一度、実物でフィッティングしてみてください。

実際に使ってみた感じは?

実際にCHIRUをかぶり、e-bikeに乗って少し走ってみました。その印象は、まず走る前に「あっ、なるほど」と思う感触がありました。

前述のとおり、CHIRUは「筆者のデカ頭に一発でジャストフィットした珍しい自転車用ヘルメット」です。ここまで自然にフィットした自転車用ヘルメットは、これまででほんの数個。

CHIRUのようなフィット感に優れたヘルメットは、かぶるのもスムーズ。「かぶるという動作に手間がない」というイメージです。

一見、ほかの自転車用ヘルメットとそーんなに違いがないように見えるCHIRU。でもよくよく見ると、ヘルメット内側の形状が日本人の頭にマッチしているような……

例えばほかのヘルメットの場合、かぶると時々「あれ、ヘルメット内側の一部が頭に当たって少し痛いかな?」といったことがあり、ヘルメットの前後左右角度を少し変えたりして微調整しています。まあ些細な調整なのですが、2~3度ヘルメットをかぶり直すことがあります。

また、同様にフィット感調整機構を締めていて「あっ締めすぎたかな?」ということも。そこで少し緩めるわけですが、緩めすぎると今度は「これだと走行中に動いちゃう?」ということにもなります。これもフィット機構を何度か調整する必要があります。

長々と書いていますが、これまでのヘルメットだと「ヘルメットをかぶり直したり、フィット機構を調整し直したり」というちょっとした手間が「たまに」ありました。走行前にヘルメット装着でちょっとモタついていることがあったというわけです。

その点、CHIRUを使ってビックリ。ヘルメット内側一部が痛いとかフィット感調整機構の調整に手間がかかるといったことが、全然と言っていいレベルで「ない」のでした。

そもそもCHIRUをかぶった時点で(筆者の場合は)十分フィット。その状態で左右に頭を動かしてもヘルメットがズレたりしない。なので、ストラップ(あごひも)のバックルをカチッと固定する以前にヘルメットが頭の上で安定している感じ。もちろん安全上、バックルは固定しますが。

また、そのくらいフィットしているので、フィット感調整機構の調整もわずかで済みます。すでに頭上にヘルメットが軽く固定されている感じなので、それを補助する程度にフィット感を調整すればOK。CHIRUの場合はターンフィットプラスなので、後頭部のダイヤルを数ラチェット程度回せば済みます。

CHIRUのフィット感調整機構ことターンフィットプラス。後頭部のダイヤルを時計回りに回すだけで、頭頂部全体を均一にフィットさせられます。緩めるときは反時計回りに回せばOK。似たフィット感調整機構は多くの自転車用ヘルメットに採用されています

そんなフィット感があるCHIRU。かぶって、顎のバックルをカチリと締め、後頭部のダイヤルをカチカチッと回せば済んで、ヘルメットの準備がものすご~くスムーズなんです。もちろん、走行中も(よほどのことがない限り)頭部でヘルメットがズレるということもありません。いや~フィットするヘルメットってかぶる時点から便利なんですね~。小さなことですが、とても快適♪

ほか、通気性も上々です。まあe-bikeなのでそれほど「物理的に頭部が熱くなる高負荷の走り」はしませんが。

バイザーもしっかり太陽光を遮ってくれて実用的。サングラスに直射日光が当たることが少なく、よりクリアな視界とともにサイクリングができるので、こういうバイザー付きヘルメットが好きな筆者です。

ただ、姿勢や用途によっては「バイザーがあるから上方の視野が狭くて信号とかが見づらい」ということがあるかもしれません。その場合、CHIRUのバイザーを外すこともできます。が、そうすると、やや目立つバイザー取り付け穴がヘルメット外部に露出してしまいます。その点では「LAZER CAMELEON」のほうが有利かもしれません。

安心感も十分、オプションのLEDテールライトもツカエる!!!

CHIRUの特徴のひとつとして「後頭部と側頭部をしっかり保護する形状」があります。MTB用ヘルメットによく見られる形状ですが、頭部を広範囲に守ってくれる形状ですね。

CHIRUは側頭部から後頭部にかけて帽体が大きめに作られています。これにより、転倒した場合でも路面の突起物などから頭部を守りやすくなります
やや後ろから見た様子。耳の後ろあたりから帽体が下にせり出しています
真後ろから見た様子。後頭部を広くガードする形状になっています

こういう形状だから「すごく安全」とは断言はできませんが……以前に後頭部を打つシーンに遭遇しました。あらためて手短に書きますと……。

『自転車でゆっくり走っていた人がコンビニの駐車場で転倒して頭を打ったのを見ました。駐車場でUターンしようとし、バランスを崩して自転車から落ちるように後ろ向きに倒れました。そして後頭部が地面にゴツン! ヘルメットをしていて無事だったようで、すぐ立ち上がって去っていきました。でも転倒した場所近くには車止めや金属フェンスが。もし後頭部がブロックやフェンスに当たったら? 想像したら怖くなりました』。

コンビニ駐車場のブロックやフェンス。路上にはいろいろな突起物があります
転倒時、そんな突起物に後頭部が当たってしまったら……ヘルメットをかぶっていてもかなりダメージを受けそうです

やはり上記のようなケースを思うと、側頭部や後頭部をより広く保護してくれる自転車用ヘルメットのほうが……と思ってしまうわけですね。その点、CHIRUはそういう安心感が十分あると感じます。

もうひとつ、CHIRUにはオプションの専用LEDライトがあります。後頭部下にあるフィット感調整機構のダイヤルに装着できるLEDライトです。

CHIRUに対応したLEDテールライト。CHIRU後頭部のダイヤルにはめ込んで装着します。LAZERのMAX+(マックスプラス)という子供用ヘルメットにも対応。ボタン電池CR1632が電源で、白い部分を外して容易に電池交換ができます。このLEDテールライトの品番は「R2LA819222X」で、価格は990円
CHIRUの後頭部ダイヤル部にLEDテールライトを装着した様子。CHIRUの後頭部ダイヤルを外してLEDテールライトを装着します。指で容易に装着できます。装着した状態でもフィット感調整機構の操作感はほぼ変わりません。ただし、LEDテールライトはかなり硬めに装着されますので、外すにはマイナスドライバーのような工具が必要かも。まあ一度装着すれば外す必要もないと思いますが
発光させたイメージ。ボタン(白い部分)を押せば電源オンで連続点灯し、もう一度押せば点滅し、もう一度押せば電源オフで消灯します

専用品ということだけあり、CHIRU後頭部に非常にスッキリと取り付けられるLEDテールライトです。光量というか目立ち度合いも十分。CHIRUを買うなら同時に買いたい便利なオプション品です。

それと、ヘルメットの使用感からは離れてしまいますが、LAZERヘルメット(2021年6月1日以降購入品)はシマノの「クラッシュリプレイスメントプログラム」が適用されます。購入から3年以内に事故でヘルメットが破損した場合、価格の50%オフで同ヘルメットまたは同等品に交換できるプログラム。事故破損補償といったところでしょうか。詳しくは公式サイトを。

なお、自転車用ヘルメットは案外簡単に壊れたりします。とくに強い衝撃を受けると割れてしまう。まあそうして人間の頭部を保護しているわけですけど。実際にインプレスe-bike部メンバーが転倒して自転車用ヘルメットが割れた経験をしています。

といった感じのLAZER「CHIRU」。フィット感と外観のシンプルさ、それから汎用性がある自転車用ヘルメットなので、興味のある方は、まず試着して吟味してみてください♪

スタパ齋藤