ミニレビュー

テレワークにもオススメ!! アーロンチェアを購入したら仕事も趣味も捗る♪

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
ハーマン・ミラー「アーロンチェア リマスタード」

毎日の仕事で使う椅子を買い替えました。新たに購入したのは、Herman Miller(ハーマン・ミラー)「Aeron Chair Remastered(アーロンチェア リマスタード)」です。価格は226,600円。高価っ……ですが、購入前からその良さは知っており、購入後も高い満足度とともに毎日使っています。

なぜ買ったかといえば、愛用のアーロンチェアが壊れ始めたから。2000年から21年も愛用してきたオフィスチェアで、若干の支障はありましたが十分実用レベル。2019年頃まではほとんど問題なく使えていました。

ハーマン・ミラーの初代「アーロンチェア(アーロンチェア クラシック)」。2000年に購入しましたが、2021年前半まで使っていました。……というか、まだ使えるので現在もありますが

この“21年もの”のアーロンチェアが「明らかに壊れ始めた」のは、確か2019年頃だと記憶しています。最初に壊れ始めたのが座面部分。樹脂のメッシュ座面なんですが、その端がほつれ始めました。徐々にほつれが広がっていきましたが、わずかなほつれの広がりなので、気にしなければ使えるレベルでした。

アーロンチェアの座面は独自のメッシュ状。向かって右下部分のメッシュがほつれ始めました
こんな感じ。横方向に走る樹脂ワイヤーが数本切れたように思われます。この部分のみ張りが弱い

上の写真のように、座面のメッシュの一部がほつれはじめました。原因は……確かこのあたりにウッカリとペンチを落としたからだと思われます。その後、2カ月に1cm程度という感じでほつれが横方向へと広がって行きました。

ただ、幅2cm程度の限られた部分がほつれ始めた程度。この幅で横全体にほつれきっても、たぶん椅子としては使えると思います。

しかし、新たに別の故障が。左側の肘掛けがボキッと折れてしまったのです。確か2019年末だったような記憶が……。

アーロンチェアの肘掛け(右側)。左右に開く角度と高さを調節できる肘掛けです
これは左側の肘掛け。高さ調節中に内部の金具が破損し、ボロリと抜け落ちてしまいました。なので、ドリルで穴を開けてタッピングねじで無理矢理固定しました

肘掛けが壊れた原因も何となくわかっています。実は10年くらい前から左側肘掛けの高さ固定が甘くなってきました。固定はダイヤルを指で回して締め付けて行ないますが、これを強く回しても肘掛けが徐々に下がってくるようになりました。そして壊れる直前あたりは「すご~く強く回しても数日で肘掛けが下がる」といった状態に。

そこでいつものようにダイヤルを回して肘掛けを固定しようとしたら……メキッ!!! ガコン!!! みたいな感じで肘掛けが外れて落ちてしまいました。でも上の写真のようにねじ留めしたら、とりあえずそのまま使い続けられました。

じゃあ新しいアーロンチェア買おう!!! ……つーか買えねぇし!!!

2020年に入っても壊れかけのアーロンチェアを使っていましたが、肘掛けも壊れちゃったし座面もほつれが広がっているし、そろそろ買い替え時だろうか? と思っていたら、もうひとつ問題が……。

問題というか「あーコレもあの現象なのか」と気づいたことなんですが、肘掛け表面がベタベタしてくることをあらためて発見しました。ブリーディングとかブリードアウトと呼ばれる現象で、樹脂の主成分であるポリマーとは異なる構成物質(可塑剤や滑剤など)が滲み出てくる(bleedする)現象です。筆者は長年勘違いしてこのブリーディング現象を「加水分解現象」と思っていましたが、ともあれ、アーロンチェアの肘掛けがベタベタしてくるのでした。

肘掛け前方にやや光沢があるように見えます。これは光の加減ではなく、この部分がうっすらとベタついているから。樹脂がブリーディング現象を起こし、樹脂内部からベタついたりする物質が滲み出してきます

アルコールなどで拭けばいったんは収まります。ですが、表面に滲み出したベタベタする物質が「とりあえず除去されただけ」なので、やがてまたベタベタしてきます。

この肘掛けのベタベタについて、以前は「肘の皮脂が付着するから」だと思っていました。が、2019年の肘掛け落下故障以降、頻繁に肘掛けを気にしていたら「あれ~長袖着てるのに肘掛けがベタベタする」と気づきました。「ベタベタの原因は皮脂じゃないんだな」と気づいたわけです。

そっかー、このアーロンチェアは満身創痍状態っぽいな~。20年も使えばそうか。よくよく見ると、なんか最近ちょっとギシギシいうし、何となくキャスターの転がりも悪いし……じゃあ買い替えよう、新しいアーロンチェアに。

気にするほどに「なんかキャスターの転がりも悪くなったような……」と思えてきます。実際に新しく買ったアーロンチェアと比べると、転がりのスムーズさが少し失われていました
ここ数年でアーロンチェアを使っていた場所の床の塗装が剥がれ始めました。コレってキャスターの転がりが悪くなっての影響? とも思いましたが、まあ20年も椅子でコロコロしてたら床も痛みますネ

じゃあ買おう、と考えて早速ネットでアーロンチェア情報を調べたのが、新型コロナ騒動が始まってしばらくした頃。2020年の夏頃だったと記憶していますが、結論からお伝えすると「アーロンチェアが全然買えない」という状態でした。

コロナ禍による生産中断? テレワーク需要で売れまくり? 中古のアーロンチェア(状態が良さそうなやつ)も買えないという、まさかの「アーロンチェア在庫薄状態」の真っ只中なのでした。

筆者は「じゃあいいや、壊れかけのアーロンチェアでも一応使えてるし」と思い、いったんアーロンチェアの買い替えを断念。モノがないんじゃあ、しょうがない。

そして半年以上経ち、アーロンチェアのことを忘れかけた2021年の春頃、テレビで「いま、オフィスチェアが売れている」的な番組を目にしました。テレワークの本格化でオフィスチェア需要がさらに伸びているといった話。それを見て「あっそういえばアーロンチェア買えるようになったかな?」と思って調べたら、ようやく買えるような状況になっていました。

今度は白っぽいヤツだョ♪ 老舗アーロンチェア正規販売店で購入

というわけで購入したのが「アーロンチェア リマスタード」です。アーロンチェア正規販売店としてよく知られる「庄文堂」で購入。経験上、20年とか使えちゃうオフィスチェアなので、アフターサービスなどを安心して受けられるお店で、みたいな。なお、ハーマンミラーによる保証は12年です。

購入した「アーロンチェア リマスタード」。カラーはダークミネラル。サイズはBサイズを選びました。庄文堂での販売価格は226,600円

アーロンチェア リマスタードは3サイズ展開。座る人の体格に応じてA(スモール)・B(ミディアム)・C(ラージ)の3サイズがあります。詳しくは公式サイトにありますが、以下のサイズチャート(ハーマンミラージャパンWebサイトより抜粋)から選べます。

筆者は上のチャートからすると、Cサイズのほうが良さそうではありました。が、これまで使っていたアーロンチェアがBサイズであり、また、欲しいカラーのCサイズもなかった(取り寄せで時間がかかりそうだった)ので、「Bサイズで大丈夫っしょ」と思って購入しました。結果、大丈夫でした♪

アーロンチェア リマスタードのベースカラーは、グラファイトベース、サテンカーボンベース、ダークミネラルベース、ダークカーボンベース、ポリッシュドアルミニウムベースがあります。ベースカラーによって細部の素材など若干の違いがあるようです。また、店舗によっては扱いのないカラーもあると思います。上記の庄文堂で扱われているアーロンチェア リマスタードは公式サイトで確認できます。

それと、アーロンチェアはアーロンチェア リマスタード以外にも「アーロンチェア リマスタード ライト」と呼ばれるシリーズがあります。肘掛けがなかったり、あるいは肘掛けの可動機構や前傾チルト機構が省かれたりしている、廉価モデルです。

「アーロンチェア リマスタード ライト」シリーズ。左がアームレス、右が固定アームのモデルです。固定アームモデルのアームは文字どおり固定式で高さや広がりを調節できません。また、アーロンチェア リマスタードにある前傾機構「前傾チルト機構」もありません。庄文堂での販売価格は、アームレスが111,100円、固定アームが123,200円

アームレス、ちょっとイイですね。ちょいちょい立ち上がったり、座りながら腕を広く動かしたり、あるいはギターなどを弾く用途に、アームレスは実用的なような気がします。

各部が使いやすくなったアーロンチェア リマスタードに大満足♪

新たに導入したアーロンチェア リマスタードについて筆者的結論を書きますと「仕事用チェアとしては非常に使いやすい」です。体や机に合わせてベストポジションを設定しやすいので、「もっとも理想的な姿勢」や「自分がいちばん好める姿勢」でデスクに向かうことができます。

どんな感じでベストポジションを出せるか、椅子の細部を調節できるのかは、公式サイトの動画がわかりやすいと思いますのでご覧ください。また、庄文堂のブログにもわかりやすい動画があります。

その調節機構は、使い方を一度覚えてしまうと容易に使えます。以下に、それぞれの調節機構を写真とともに見てみましょう。

右側には座面の高さ調節用パドルとリクライニングの硬さ調節ノブがあります。高さ調節はガス圧式で、スムーズに上下して高さを合わせられます。リクライニング硬さ調節は、背もたれに体重をかけたときにどの程度軽く(もしくは重く)リクライニングするかを設定する機構。素早いリクライニングやゆっくりしたリクライニングを使い分けられます
左側にはノブが1本あり、前傾チルトとリクライニング範囲設定を行なえます。前傾チルトは、座面や背もたれがその角度を保ったまま、前に傾くポジション。背筋を伸ばしつつ体重を若干足裏にかけられるポジションで、大腿部にかかる負担を和らげられます。リクライニング範囲設定では、後方へのリクライニング角度を2段階から選べます。また、ほぼリクライニングさせない設定にもできます
背もたれ後方にあるダイヤルでポスチャーフィットSL調節ができます。ポスチャーフィットSLは腰部と仙骨のサポート機構で、健康的な着座姿勢を促します

よく「アーロンチェアって座り心地がいいんでしょ?」と聞かれますが、筆者としては座り“心地”はあまり良いと感じません。座り心地の意味合いがやや曖昧ですが、「安楽で気持ちいい」とか「体が包まれて眠くなるような」といった“心地”はアーロンチェアにはないと思います。アーロンチェア リマスタードもそうです。

どちらかといえば硬い座り心地で、体がホールドされるような感触。スポーツカーのバケットシートのような機能性があるオフィスチェアです。集中して仕事をするのに向く椅子。くつろぐこともできますが、くつろぐならもっとふんわりとリラックスできる椅子がいいかも、と。

ところで、アーロンチェア リマスタードは、アーロンチェア リマスタード ライトより10万円くらい高価です。ライトシリーズでもけっこう高価ですが、しかし、筆者はアーロンチェア リマスタードの一択。理由は肘掛け(アームパッド)の可動機構が絶対に必要だからです。この肘掛け、キーボード入力時に超快適なアームレストになるんです。

で、筆者はアーロンチェア リマスタードの肘掛けを非常に気に入りました。ポイントは4つあり、「肘掛けが適度な硬さであること」「左右に開く角度を調節できること」「前後位置も調節できること」「高さ調節が容易かつ安定的にできること」です。どんな感じか、写真と説明文で見てみましょう。

肘掛けはやや硬めで、肘を任せるように体重をかけると、肘先端を少し包んでホールドしてくれる感じ。肘を支点として手首を宙に浮かせてキーボードをタイプするのに最適な硬さだと思います。高さ調節幅も広く、肘掛け付け根部分のレバーにより容易に高さを変えられ、またシッカリと高さを固定できます。旧アーロンチェアより格段に使いやすい
肘掛けは左右ともこのような範囲で内側・外側に向きを変えられます。ラチェットがやや硬めで、設定した向きが不意に変わりにくいようになっています。マウスやキーボードを使うとき、腕を最もスムーズに動かせる位置に保持させられます
前後にもこの程度の範囲で動かせます。高さを変えられ、内側・外側に向きを変えられ、前後にも動かせますので、意外なほど「肘を置ける位置の自由度」が高く、非常に実用的です

アーロンチェア リマスタードを使い始めて2カ月程度経過しますが、使い心地としては相変わらず非常に良いと感じています。この椅子で仕事していると長時間座りっぱなしでも問題ナシ。旧アーロンチェアのときもそうで、筆者にとっては「驚異的といえるほど座り疲れしない椅子」なんです。毎日長時間座って仕事などしていますが、肩こりも腰痛もナシ。

そんな使用感だったゆえ「次に使うのも絶対アーロンチェア」と決め打ちしていたほど。で、結果、新しいアーロンチェアも期待どおりの快適さとなりました。また、新品となったことや細部が改良されたことなどで、旧アーロンチェアよりも体がしっかりホールドされている感じもあります。

いや~じつはアーロンチェア リマスタードを使い始めたタイミングで、OpenStreetMap(OSM)のプロジェクトに参加し始めたんですよ~。地図作り。で、筆者が訪れるエリアのOpenStreetMapは情報が少なめ。なので毎日ガンガン地図情報追加中。俺のオリンピックは地図情報更新だゼ~みたいな。

毎日長時間地図更新しているわけですが、椅子がアーロンチェア リマスタードなので体が疲れにくく、ついついOpenStreetMapにハマり続けています。座り続けで腰痛気味だったりするマッパーの方は、試しにアーロンチェア リマスタードに座ってみたりしてください♪ 仕事や趣味に集中しての座りっぱなしには、やっぱりアーロンチェア リマスタードがイイと思います。

あと、この季節やはりイイのは座面と背もたれのメッシュ素材。単純に涼しくていいです。

アーロンチェア リマスタードは座面も背もたれもメッシュ素材。強めのハリがあり、たぶん強靭な素材なので、これも長持ちしそうです。なお、旧アーロンチェアとはメッシュ構造が異なるようです
特に座面がメッシュだと夏場は快適。長時間のマッピングは前傾チルトと通気性のいいメッシュ座面でキマリっ!!!

ただ、このメッシュ座面&メッシュ背もたれ、恐らく冬場は寒い感じだと思います。旧アーロンチェアもそうでしたが、要は「スースーする」わけです。まあでも1枚着れば済みますけどネ。

というわけで、ヒッジョーに気に入りつつ、と~っても快適に使っているアーロンチェア リマスタード。なのですが、1点、ちょっと残念なトコロが。それはキャスター。滑りとかは良好なんですが、色が黒で、なんか脚部や座面などと色がマッチしない感じで……。

アーロンチェア リマスタードのダークミネラルカラーでも、キャスター部分はブラック。まあそのうち慣れちゃうんでしょうけれど、キャスターもダークミネラルカラーだったら良かったのになぁ、と

と、ほんの少し不満点はあったものの、オフィスチェアとしては大満足です。広くオススメしたい秀逸なオフィスチェアですが、モノが椅子。アーロンチェアの場合はサイズもありますので、購入前にはぜひ実物に座ってみて、ご自分に合うかご確認を!!

スタパ齋藤