ミニレビュー
見栄えと機能性が変化するジャイアントのヘルメットを試してみた
2022年1月20日 08:05
2021年10月中旬にジャイアントから、ちょっとユニークな新型ヘルメットが発売されました。3種類あり、それぞれ「RELAY ASIA MIPS」「PATH ASIA MIPS」「LIV PATH ASIA MIPS」です。いずれも価格は6,600円。
ユニークなのは、バイザーを換えたり外したりできる点。ヘルメットの見栄えと機能性を、カジュアルスタイル、MTBスタイル、ロードバイクスタイルに変えられます。ひとつのヘルメットで街乗りもトレイル走行もロード走行もこなせるっぽい。ちょっと良さそうなのでメーカーから実物を借りて試してみました。
バイザーを変えて3タイプに変化、リアライトも装着可能
借りたのはRELAY ASIA MIPSとPATH ASIA MIPS。実はこの2種類、付属のバイザーが異なるだけで、ほかは共通品。基本的には同じヘルメットです。
ちなみに、女性向けヘルメットのLIV PATH ASIA MIPSには、ソフトバイザーとプラスチックバイザーの両方が付属しています。ちょっとお得かも♪
なお、これらすべてのヘルメットには「NUMEN ALUMBRA TL」というヘルメット用の赤色LEDライトを装着できます。
バイザーを変えれば3種類に変化。かなりユニークですよね。そしてリアライトも用意されている。ヘルメット本体が6,600円で、バイザーが1,320円、リアライトが2,750円。全部買っても10,670円です。後述の性能や安全性も含めますと、コストパフォーマンスがかなり高いヘルメットとも言えそうです。
後頭部を広く守る構造、独自のMIPSが頭部への衝撃を軽減
筆者がこのヘルメットに興味を持ったのは、バイザー交換などの機能性のほかに、後頭部を広く覆ってくれる形状もあります。後頭部がより広く保護されたほうが安心感がありますし、実際の転倒時には怪我などのリスクも低くなると思います。
後頭部を広く覆ってくれていて云々というのは(前にも書きましたが)、ある転倒シーンを見たからです。どんな状況か手短に書いてみます。
『自転車でゆっくり走っていた人がコンビニ駐車場で転倒し頭を打ったのを見ました。駐車場でUターン中、バランスを崩して自転車から落ちるように後ろ向きに転倒。後頭部が地面にゴツン! でもヘルメットをしていて無事で、すぐ立ち上がって去っていきました。しかし転倒した場所近くには車止めや金属フェンスが。もし後頭部がブロックやフェンスに当たったら? 想像したら怖くなりました』。
そんなシーンを見てから、「せっかくかぶるなら後頭部をより広く覆ってくれるヘルメットを」と考えるようになりました。で、今回見てきたジャイアントの新型ヘルメットも、後頭部をより広く覆うタイプ。やっぱり安心感が高いですよね。
また、これら新型ヘルメットにはジャイアント独自の保護レイヤーMIPS(ミップス:MultiDirectional Impact Protection System)を採用しています。ヘルメットの帽体の内側に、帽体とは一体化していない保護レイヤーがあります。転倒などして衝撃を受けたとき、この保護レイヤーがスライドすることによりヘルメット帽体からの直接的な衝撃を低減し、脳へのダメージを軽減させるというものです。
実際に黄色い保護レイヤーを触ってみると、軽い力で前後左右へスムーズに動きます。構造としては、保護レイヤーがシリコン素材の留め具のようなものでヘルメット帽体内側に固定されていて、ヘルメット帽体が頭の上でわずかに浮いているという状況を作り出しています。なるほど、これなら頭の上に直接帽体が乗っているヘルメットより、衝撃を逃してくれるでしょう。後頭部を広く覆う形状と独自のMIPSにより、かなり安心感があります。
あらピッタリ! デカ頭の筆者にジャストフィット!
機能性やスペックばかり見ていないで、実際にかぶって走行してみよう。と、ヘルメットをかぶってびっくり。パーフェクトに近いフィット感です。いや、少しストラップを調節したりかぶる角度を変えてみたら、ほぼ完璧なフィット感! これは嬉しい。
筆者はデカ頭で、自転車用もモーターサイクル用もヘルメットはいちばん大きなサイズから試しますが、それでもたいていはフィットしません。耳の上のあたり、こめかみあたりが「当たって」しまい、ちょっと痛かったりすることが多い感じ。
しかしRELAY ASIA MIPSとPATH ASIA MIPSは、いきなりピッタリ。筆者の頭部全体が黄色い保護レイヤーにほどよく触れているという感覚。筆者の頭部に合わせて作られたのかと思うほどです。
最近試したヘルメットのなかで、LAZER「CHIRU」も非常にフィット感が良かった。ですが、RELAY ASIA MIPSとPATH ASIA MIPSはそれに勝るとも劣らない極めて良好なフィット感です。
ちなみに筆者が試したサイズはいちばん大きいM/L(55-63cm)です。ヘルメット内側のサイズ表記には「55-63cm M-L(Asian-fit) XL(Western-fit)」とありました。
ともあれ、「大きいサイズのヘルメットを探していて、なかなかフィットするものがない」とお困りの方は、RELAY ASIA MIPSやPATH ASIA MIPSを試してみるといいかもしれません。もしかするとシンデレラフィットになるかもしれません。
それと、フィット感の良いヘルメットで走ると、長時間かぶっていても頭のどこも痛くならなくて快適ですね。頭全体でヘルメットを支えるカタチになるので、走行後に「頭のこの箇所がちょっと痛いかな」的なこともありませんでした。
細かな部分もしっかりした作りになっていると思います。ワンタッチで開閉できるバックルにより左右ストラップを調節しやすく、頭部へのフィット感を調節するダイヤルも直感的に扱えて好印象でした。
後頭部を広く覆う形状、独自のMIPS、バイザー交換で多用途に使える。比較的に安価なのに、筆者にとってはかなり素晴らしいヘルメットとなりました。興味があればぜひチェックしてみてください♪