ミニレビュー

e-bikeにも安心のMTB用ヘルメットに興味津々!! GIROとBontrager最新モデルを試した

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

去年の秋に「ある光景」を見てから気になっているものがあります。それは自転車用ヘルメット。そして「ある光景」とは、自転車でゆっくり走っていた人がコンビニの駐車場で転倒して頭を打った光景です。

コンビニの駐車場でクルリとUターンしようとしていた人が、バランスを崩しつつ自転車から落ちる感じで後ろ向きに倒れました。そして後頭部が地面にゴツンと当たった。ヘルメットをしていて無事だったようで、その人はすぐ立ち上がって去っていきました。でも転倒した場所の近くには車止め(パーキングブロック)や金属柵(低いポール状フェンス)もありました。もし後頭部がブロックやフェンスに当たったら? と想像したらちょっと怖くなりました。

コンビニ駐車場のブロックやフェンス。よくよく見てみると、路上にもいろいろな突起物があります。転倒時、そんな突起物に後頭部が当たってしまったら……かなりダメージを受けそうです

自転車用の普通のヘルメットって、後頭部はあまり保護してない形状じゃないですか。保護されていない後頭部が、ブロックやフェンスに当たったら、ゆっくり転んだとしてもヤバくないですか? スッテーンと速く転んだら非常にヤバくないですか?

一般的な自転車用ヘルメットの例。モーターサイクル用ヘルメットでいう半キャップのように、主に頭の上のほうを保護する形状です。後ろ向きに倒れて、後頭部下部に路上の突起物などが当たったら……と考えるとちょっと怖い気が

それがきっかけで、後頭部をより広く覆えるヘルメットに興味が出ました。そういうタイプの自転車用ヘルメットは、MTB(マウンテンバイク)用としてけっこう多くあります。

左が一般的な自転車用ヘルメットで、右がMTB用。少しの差ではありますが、MTB用のほうが後頭部と側頭部をより広く保護していることがわかります

MTBは山林や悪路を走ったりする自転車。舗装路とは違って障害物が多く転倒のリスクも非常に大きい。ので、頭部の保護をさらに積極的に行なえるような形状のヘルメットが使われます。なるほど、MTB用ヘルメット、なんか安心感があるゾ♪

MTBパークで見たステキなMTB用ヘルメット

TREK(トレック)の「Rail 9.7」でMTBパークを試走した時、仲間が使っていたMTB用ヘルメットが良かった。GIRO(ジロ)の「TYRANT MIPS(タイラント ミップス)」です。どんなヘルメットなのか写真と説明文で見てみましょう。

GIRO「TYRANT MIPS」はトレイルライド(オフロード走行)向けのMTB用ヘルメットですが、どちらかといえばダートジャンプやダウンヒルなどハードな走行に向くモデルです。写真のカラーは抑えた深緑といった感じのMatte True Spruceですが、ほかにMatte Blackも。サイズはM(55〜59cm)とL(59〜63cm)があります。価格は22,800円
後頭部も側頭部も広く保護される形状。MIPS(Multi-directional Impact Protection System;多方向衝撃保護システム)として、独自の「MIPS SPHERICA(ミップス スフェリカル)」を搭載し、ヘルメット内側のシェルがずれることにより頭部への衝撃を弱めます。斜めからの衝撃についても、ヘルメット外側ライナーとヘルメットシェルが独立して回転し、頭部にかかる回転力を減少させるそうです
MTB用ヘルメットに採用されるバイザーは、トレイルライド時に枝を跳ね除けたり、日差しを遮ったりできて便利
バイザーは写真のように無段階で動いて跳ね上げることができます。跳ね上げた状態でゴーグルをヘルメットにかけておくこともできます
ただし、このタイプのMTB用ヘルメットは、ロード用ヘルメットほど空気の流れを重視していないため、夏などに使うにはちょっと暑いかもしれません
ご覧のとおり、ベント(空気が通る穴)が少ない感じ。それと、普通の自転車用ヘルメットと比べると重め。ただ、その分、頭部保護については安心感があります

外見的に、なんというか落ち着いた雰囲気がイイですね〜♪ クール。渋い。非常に気に入ったので、早速試着してみたところ、筆者の頭とはマッチせず。GIROのヘルメットとは相性がいいんだけどな〜、残念!!!

自転車用ヘルメットはとりわけ“フィット感”が重要です。合わないと走行中に頭が痛くなりますし、何より安全性に悪影響をもたらします。なので、購入時は必ず試着してください。なお、GIROのヘルメットや用品は、世界初のGIROオフィシャルショールーム「Giro Studio Tokyo」などで試着できます。ですが、事前に試着したいサイズを在庫しているかなどご確認を。

よりオールマイティに使えるGIROのMTB用ヘルメット×2種

前出のGIRO「TYRANT MIPS」は、ダートジャンプやダウンヒル系のハードな走行に向くモデル。なので重めで、夏は暑いかも。ということで、もっと幅広い目的に使えるMTB用ヘルメットはないかな〜と探してみたところ、同じくGIROから良さそうなのが2製品発売されていました。

ひとつは「MANIFEST SPERICAL(マニフェスト スフェリカル)」。同社の新世代MIPS「Spherical Technology」を搭載し、頭部冷却性能も高いMTB用ヘルメットです。写真と説明文で見ていきましょう。

GIRO「MANIFEST SPERICAL」はクーリング性能と安全性と軽さを兼ね備えたMTB用ヘルメット。写真のカラーはMATTE BLACK HYPNOTICで、ほかにMATTE OLIVEとMATTE GREYがあります。サイズはM(55〜59cm)とL(59〜63cm)。価格は29,800円
後頭部まで幅広く保護する形状
後ろから見た様子。中央にはゴーグル着用時にストラップがズレにくいラバー素材があります
上から見た様子。大きめのベントが多く、空気の流れが良さそうです
GIROの新世代MIPS「Spherical Technology」を搭載。インナーシェルの内側にさらに一層のシェルがあり、ヘルメットが衝撃を受けた時に内側のシェルが独立して前後左右に動き、脳へのダメージを最小限に留めるというテクノロジーです
頭部が固定される内側のレイヤーは指で押せば動き、滑らかにズレる。頭部への衝撃を受け流すといった感じのMIPSですね
アイウェアをヘルメットにかけるという、よくある使い方です
このヘルメットの場合、アイウェアのテンプルが当たる部分にラバー素材があり、軽くアイウェアを掛けても安定的に保持できるようになっています。細かい使い勝手に関わる部分まで、しっかり作り込まれています
それから顎に通すストラップのバックル部分。「FIDLOCK MAGNETIC BUCKLE」という独自のバックルで、ワンタッチで脱着できるマグネット式です
グローブをしていてもスムーズにバックルの止め外しができ、慣れると片手でも使えて便利♪

もう少しお手頃なモデルとしてGIRO「RADIX MIPS(ラディックス ミップス)」があります。価格は前出のGIRO「MANIFEST SPERICAL」のほぼ半額。これも写真と説明文で見ていきましょう。

GIRO「RADIX MIPS」はトレイルライド向きのMTB用ヘルメット。カラーは写真のMatte Midnightのほか、Matte Black、Matte Black Hypnotic、Matte True Spruce Citronがあります。サイズはM(55〜59cm)とL(59〜63cm)。価格は14,800円
バイザー部は15度の範囲で調整可能
転倒時に衝撃を逃すMIPSを搭載
後頭部まで幅広く保護
5個の大型ベントがあり、十分なクーリング性能を発揮します

Bontrager“WaveCel”のMTB用ヘルメットも良さげ

後頭部もより幅広く保護できるMTB用ヘルメット、探してみると良さそうなのがけっこう見つかるわけですが、筆者的に非常に気になるのがコレ。Bontrager(ボントレガー)の「Rally WaveCel(ラリー ウェーブセル)」です。Bontrager独自のMIPSこと“WaveCel”を採用した製品ですが、これも写真と説明文で見ていきましょう。

Bontrager「Rally WaveCel」はトレイルライド向けのMTB用ヘルメット。写真のカラーはMarigold/Blackで、ほかにBlackもあります。サイズはMedium(54〜60cm)とLarge(58〜63cm)があり、価格は19,500円
なかなかスタイリッシュなデザインです
後頭部も幅広く保護
Bontrager独自のMIPSであるWaveCel。ヘルメット内側にメッシュのようなものが見えますが、これが頭部損傷を防ぐBontragerの最新テクノロジーです
WaveCelのメッシュ構造は、3つのステップで機能します。衝撃を受けるとまずセルが曲がり、最初の衝撃力を軽減。次にセルがクルマのバンパーのように潰れます。最後に衝撃を頭部から逃すようにセルが滑ります。詳しくは公式サイトにてご覧ください
ベントも大きめ。またWaveCelのメッシュは非常に空気をよく通します
なので、ヘルメットの外見から想像するよりもずっと頭部が涼しく感じられます
バイザー角度はこんな感じ
角度は調整可能です
「LockDown ディバイダー」が採用されています
ヘルメットストラップを手軽に調節できます
「Boaフィットシステム」を採用。軽い力で簡単にヘルメットの固定と調整が可能です

といった感じの“後頭部をより幅広く保護できる自転車用ヘルメット”各種。ヘルメットは破損の出番がないのがイチバンですが、より安全性の高いヘルメットを使い、e-bike生活をさらに楽しくしていきたいですね♪ 本当はe-bikeメンバーとこれらのヘルメットをかぶってMTBコースを楽しく走りたかったんですが、それはまた別の機会に。こういったMTB用ヘルメット、ほかにもイロイロありますので、またご紹介したいと思います。

スタパ齋藤