家電製品ミニレビュー

天井から部屋に拡がるクリアな音! スピーカー搭載のハイエンドLEDシーリングライトに感動

 スマホに取り込んだ音楽やテレビの音を再生して、思わず「おおッ!」と声が出てしまった。今回はクリアなサウンドと心地良い光を演出する、Bluetoothスピーカーを搭載したパナソニックのLEDシーリングライト「AIR PANEL LED THE SOUND HH-XCC1288A」を紹介しよう。

AIR PANEL LED THE SOUND「HH-XCC1288A」~12畳
メーカー名パナソニック
製品名AIR PANEL LED THE SOUND
品番HH-XCC1288A
定格寿命40,000時間
価格(編集部調べ)54,610円

 「AIR PANEL LED THE SOUND」の驚くほど良い音を奏でるスピーカーユニットには、低音・中音・高音をクリアに再生する、磁力が強力かつ小型化できるネオジウムマグネット採用のスピーカーを搭載している。スピーカー部をコンパクトにまとめながらも、豊かな低音を実現するバスレフ型を採用している。

 一方、シーリングライトはパナソニックのハイエンドモデルタイプで、センター光と2枚のパネルを配置したスクエアフォルムのスタイリッシュなデザイン。付属リモコンの他、専用スマートフォンアプリ「あかリモ」で、生活シーンに応じた5パターンのシーンから、細かな調整・操作までできる。

音の良いBluetooth対応のスピーカーがシーリングライトに一体化されている
導光板の2枚のパネル光とセンター光の組み合わせで、さまざまな光の演出ができる。手持ちのスマートフォンでも操作できる

スピーカーの電源も天井から、工事不要で簡単取り付け

 HH-XCC1288Aの大きさは、550×712×99mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは4.9kg。スピーカーを搭載していても、天井の引っ掛けシーリングやローゼットなどの配線器具の制限重量内に収まっている。一般的なシーリングライトと同じように、簡単に取り付けられる。

天井に配線器具があれば簡単に取り付けられる
スピーカー搭載でも、他のシーリングライトと取り付け方法は変わらない

 付属のBluetoothの「ワイヤレス送信機」に手持ちのテレビを繋げば、テレビのステレオ音声を本機で再生できるので、本体の向きは、内部のLとRのラベルを確認してテレビのスピーカーの向きに合わせて設置する。

器具内部にスピーカーのL/Rのラベルがある
本製品とテレビのスピーカーの向きを合わせて設置する
本製品を取り付けた様子。スクエアタイプでスッキリとしたデザインだ。消費電力は最大の明るさ時46.7W。スピーカーは7.3W。同時使用の場合は52.3Wとなっている

 取り付けが済んだら、再生したい音声器具と本機のスピーカーを繋げる(ペアリング)作業に移ろう。壁のスイッチをONにして本機の電源を入れると、2分以内はペアリングができる状態になるので、手持ちのスマートフォンやタブレット側のBluetoothをONにして、設定方法に従ってペアリングを行なう。

手持ちのiPhoneに取り込んだ音楽やラジオを鳴らすため、本製品(CL-Sp-PA00)とBlutoothのペアリングしておく。簡単だ

 テレビの音声は、付属のBluetoothの「ワイヤレス送信機」を使用する。送信機の音声接続コードはテレビのヘッドホン端子、ACアダプタは壁面コンセントなどに差し込んでおく。本製品をペアリングできる状態にするため、一度本製品の壁スイッチをOFFにしてしばらく待ち、再度ONにする。それからワイヤレス送信機の側面にある「Bluetoothボタン」を5秒以上押す。

付属のBluetoothの「ワイヤレス送信機」のセット。電源コードの長さは約2m、音声は1.5mあった
送信機の音声接続コードをテレビのヘッドホン端子につなぐ。ACアダプタは壁面コンセントに差し込んでおく

 いずれも、ペアリングが成功すると本機のスピーカーから接続完了音が鳴る。スマートフォンは「接続済み」などの表示になり、ワイヤレス送信機の状態表示ランプは、点滅から点灯に変わる。

送信機の側面にある「Bluetoothボタン」を5秒以上押してペアリング(左)。成功すれば状態表示ランプが点滅から点灯に変わる

 本機にはワイヤレス送信機も含めて最大8台までペアリングによる登録ができるが、再生は1つに限られる。したがって、再生する機器に応じて、接続、または接続の解除を行なえば良い。ペアリングが既に成立していれば、新たなペアリング作業の手間は要らない。

 なお、本機は電源こそ共有しているものの、スピーカーとライトは機構上切り離されている。照明の点灯・消灯に関わらず、壁スイッチがONになっていれば、常にスピーカーは待機状態にある。また、本体の音量・音質は固定されているので、調整は接続する機器側で行なう。

良好な音! クリアなステレオサウンドが部屋全体に広がる

 シーリングライトに搭載されているBluetoothスピーカーといっても、音質や響きは驚くほど良い。音の輪郭が明確で、音楽が十分堪能できるほど低音も良く響く。2014年1月に紹介した、同社の天井の配線器具に取り付けるBluetoothワイヤレススピーカーは、ステレオがミックスされたマイルドなBGM向きの響きだったのに対して、本製品は明快で力強いステレオサウンドが響き渡る。

 クラシックからポップス、さらにボーカルまで、さまざま音楽を再生したが、どれも十分に堪能できる明るい音質で、長時間聴いていても疲れない心地良い響きだった。

 ワイヤレス送信機で繋いだテレビの音は想像以上に良かった。それなりに音質に気づかった手持ちのテレビよりも、本機で再生したほうがハッキリと聞こえ、ステレオ感がよりリアル。番組に出演している人の声もとても明瞭に聞こえるので、普段よりも音量を絞って楽しめる。

 音質もさることながら、音が部屋中によく拡がる。スピーカーから1.2m以上離れていれば、まるで音に包み込まれるように響くので、頭上から響いている事をいつのまにか忘れてしまうほどだ。時には、テレビの効果音があらぬ方向から響いたりして面白い。音の遅延は無く、画面とピタリと合っている。

点灯・消灯に関係なく、いつでも拡がりのあるステレオサウンドが堪能できる

 音の拡がりはスピーカーの真下だけにとどまらないのも驚きだった。テレビの前に居る人に心地よい音量なのに、3m以上離れたキッチンに立っていてもしっかり音が聴き取れるからだ。キッチンに立ちながら、普段の音量のまま音声がしっかり楽しめた。

バランスの良いバスレフ型の高品質スピーカー
スピーカーの角度は12.5度傾斜している。全域でバランスの良い音が部屋中に拡がる

まばゆい明るさから雰囲気のあるあかりまで、簡単操作

 シーリングライトはハイエンドらしく、2枚の導光板パネルと中央のセンター光の組み合わせで、生活シーンに応じた照らし分けができるのが特徴的だ。

 その操作は付属のリモコンで簡単にできる。それぞれのボタンには「(1)勉強」「(2)くつろぎ」「(3)シアター」「(4)だんらん」「(5)常夜灯」の5つのシーンがプリセットされており、点灯パターンがダイレクトに選択できる。

2枚の導光板パネルと中央のセンター光の組み合わせで照らし分けができる
付属のリモコン。1〜5のボタンに5つのシーンがはじめからプリセットされており、簡単に選べる

 だが、本機はアプリの「あかリモ(LINK STYLE LED)」対応の製品なので、手持ちのスマートフォン等に「あかリモ」をインストールすれば、プリセットされたシーンの細かな調整・変更はもちろん、マニュアル操作、タイマー設定など、本機のポテンシャルを目一杯引き出せる。

手持ちのスマーフォフォンに専用アプリの「あかリモ」をインストールすれば、本機のポテンシャルを目一杯引き出せる

 アプリインストールなどの登録作業はさほど難しくない。スマホにアプリをインストールしたら、初期設定時に本機を登録し、続いて付属のリモコンを登録する。アプリの設定画面からも、照明器具の登録・解除ができる。これで、スマホもリモコンとして利用できるようになる。

 付属のリモコンをアプリに登録すると、アプリの「シーン切替」画面に表示される番号とシンクロする。つまり、アプリ側で各シーンを好みに合わせて調節して登録しておけば、スマホを使わなくても、付属のリモコンだけで呼び出せるのがポイントだ。

リモコンの裏蓋を開けて設定ボタンを押し(中央)、アプリの「あかリモ」にリモコンを登録する
リモコン登録後は、あかリモの「シーン切替」とリモコンのボタンの数字がシンクロする

 ここで、「シーン切替」の初期構成とともに、アプリ使用の変更例も合わせて紹介しよう。なお、本機の光色は昼光色(6,500K)~電球色(2,700K)、明るさは100〜5%の無段階調節ができる。全灯時の光束は5,499lmととても明るい。

【1.勉強】
 「全灯」で点灯し、光色は文字がくっきりと見やすい6,200Kが選ばれる。器具直下2.3mの明るさは330lxともっとも明るい。生活スタイルに合わせて明るさの調整・登録もできる。

【1.勉強】は、光色は文字がくっきりと見やすい6,200Kで、「全灯」で点灯する(左)。明るさの調整・登録もできる

【2.くつろぎ】と【3.シアター】
 初期値はどちらも「パネル」2枚が同時に点灯し、くつろぎは明るさ50%、シアターは30%の明るさが設定されている。パネル光のみの点灯時の光色は電球色(2,700K)に固定されているが、どちらのモードもパネルの選択と、明るさが調整・登録できる。

【2.くつろぎ】と【3.シアター】は、初期値はどちらも「パネル」2枚が同時に点灯(中央)。光色は電球色(2,700K)に固定されている。パネルの切り替え、明るさが調整・登録ができる

【4.だんらん】
 初期は電球色100%の「ふだん」明るさで点灯する。だんらんは好みに合わせて、光色と明るさの両方が調整・登録できる。

【4.だんらん】は、初期値は電球色の明るさ100%で点灯するが、好みに合わせて、光色と明るさの両方がダイナミックに調整・登録できる。

【5.常夜灯】
 センターのカバー内で、アンバー色で100%の明るさで点灯。明るさのみ調整・登録ができる。

【5.常夜灯】は、アンバー色の100%の明るさで点灯。アプリで明るさのみ調整・登録ができる

 シーン選択以外でも「個別調整」から、「ふだん」「全灯」「常夜灯」「パネル光」「センター光」のマニュアル操作できる。

「個別調整」で「ふだん」「全灯」「常夜灯」「パネル光」「センター光」の5つのマニュアル操作できる

 先にも述べているが、シーリングライトのシーン、ON/OFFに関わらずスピーカーは独立して機能している。快適なあかりの下、好きな音楽やラジオを流しながら家事をこなしたり、サウンドを部屋中に響かせて映画やスポーツ観戦の臨場感にどっぷり浸ったりと、暮らしに光と音の演出が簡単に実現できる。

 加えて、色の見え方を表す演色評価数はRa83と高く、外光とも相性が良い。点灯していない時も圧迫感が無く、半透明パネルが窓の外光を反射する姿も美しい。

色の見え方を表す演色評価数はRa83と高く、外光とも相性が良い
スピーカーはシーリングライトのON/OFFに関係なくいつでも再生できる。消灯時も半透明パネルに表情がある

他の照明器具を組み合わせて一括操作。好みのシーンを簡単に、より魅力的に

 アプリの「あかリモ」は本製品の操作だけにとどまらない。同社の「あかリモ対応(LINK STYLE LED)」の他の器具を最大合計15台まで登録でき、1台のスマホだけで全てコントロールできるようになる。

 言葉で表すと簡単だが、登録した全ての器具が、一切の配線工事無しで無線操作ができるようになるのはすごい!それぞれの器具の単体操作はもちろん、本製品と組み合わせた一括操作もできるのは画期的と言えるだろう。

「あかリモ対応(LINK STYLE LED)」の他の器具も簡単に登録、一括操作ができるようになる

 ここで、「あかリモ対応(LINK STYLE LED)」のLED電球を使ったアッパーライトの組み合わせも紹介しよう。

LINK STYLE LEDシリーズのアッパーライト「HH-XSC0003L」、電源コードの長さは3mある
点灯した「HH-XSC0003L」
使用される電球が「LINK STYLE LED」。Bluetooth機能が搭載されている電球だ

 例えばシアターモードの場合は画面に集中するには良くても、天井からのあかりだけではどうしても物寂しい雰囲気になってしまう。ところが、たった1個のアッパーライトをアクセントとして加えるだけで、雰囲気がグッと魅力的な空間に変わる。

たった1つアッパーライトを加えるだけで、空間の印象が大きく変わる(左)

 その設定はとても簡単だ。アプリにアッパーライトを登録し、本製品とグルーピングしておく。次に「3. シアター」モードを編集で、アッパーライトの点灯と明るさの設定をして登録するだけ。以降は「3. シアター」のボタンの選択だけで、本製品とアッパーライトが同時にON/OFFできるようになる。もちろん、点灯後それぞれのマニュアル操作も可能だ。

 付け加えて、アプリに登録した全ての機器がタイマーの対象になるのも特徴的だ。1つの器具だけでなく、グルーピングした複数の器具もタイマーで自動でON/OFFできるのはもちろん、時と共に変化する日常生活に合わせ、複数の設定時刻にシーンを自動で切り替えるといった、高度なタイマー操作もできる。

シーリングライトとアッパーライトをグルーピングしておけば、一括操作が可能になる。画像はパネル光にアッパーライトを合わせた設定の様子
アプリ内にはさまざまな器具名称がプリセットされている
各シーンの名称も目的に合わせて変更ができる
付属のリモコンもグループに対応している
他の器具を一括操作できるだけでなく、高度なタイマーも活用できる

 価格がかなりこなれてきたLEDシーリングの中で、本製品は高額な部類に入る。だが、ダイナミックなあかりの照らし分けができ、音質の良いスピーカーまで搭載されている。しかも、工事や配線コードに煩わされずに、他の器具を一括操作できる多灯照明も簡単に実現するのは、他には見当たらない。

 暮らしをより快適に、より楽しく演出するシーリングライトとしてはもちろん、生活空間のあかりを簡単に、より魅力的に展開するきっかけにもなるだろう。

藤原 大蔵