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パナソニックの家電と西川のマットレスが連携、睡眠分析もできる「快眠環境サポートサービス」

 パナソニックは、寝具などの製造販売を行なうの西川と、「快眠環境サポートサービス」を共同で開発し、2020年3月よりパナソニックがサービスを開始すると発表した。

「快眠環境サポートサービス」

 「快眠環境サポートサービス」は、西川が開発したセンサー付属のマットレスで睡眠状態を計測、スマートフォンアプリを介して、パナソニックのエアコン・照明の温度や明かりといった睡眠環境を制御し、よりよい睡眠を提供するというもの。各製品は、パナソニックのスマートフォンアプリ「Your Sleep」により連携し、ユーザー一人ひとりにとって快適な睡眠環境を提供できるという。

2018年3月のパナ100周年での発表が実現

 西川 取締役 執行役員・営業統括本部 営業統括の竹内 雅彦氏は、「西川は、室町時代の1566年に蚊帳の販売などで創業し、明治時代から布団を販売しています。1984年には、睡眠を科学的に研究する『日本睡眠科学研究所』を創立し、快適な寝具を研究・開発してきました。

 2009年にはコンディショニングマットレス[エアー]を発売。こちらのマットレスは、プロのサッカー選手、野球選手、ラグビー選手などの眠りを支えてきました。また2017年3月には、自宅での睡眠環境を可視化する、消費者向けサービス『ねむりの相談所』をスタートさせています」と同社の歴史を振り返った。

西川は、室町時代の1566年に蚊帳の販売などで創業
1984年には、睡眠を科学的に研究する「日本睡眠科学研究所」を創立
西川 取締役 執行役員・営業統括本部 営業統括の竹内 雅彦氏

 パナソニック アプライアンス社 コンシューマーマーケティング ジャパン本部 くらしサービスビジネスユニット長の内田 義人氏は、「パナソニックでは、1980年代から光と睡眠の研究を行なってきました。近年には、エアコンの設定温度・風量・タイマーなどの使用データから、寝室のデータを活用し、2018年7月からはエアコンのモニター実験を、Fujisawa SSTで行ない、エアコン制御のノウハウを蓄積しています。これらの活動を通して、我々は、人ごとに異なる"睡眠の困りごと"を解決したいと思っています。

 今回リリースしたサービスでは、寝具を長年の研究してきた西川さんの寝具と知見、我々が研究してきた寝室環境を合わせることで、一人ひとりにあわせた快適な睡眠環境を提供できると思っています。睡眠環境の改善により、翌日のパフォーマンス向上を目指します」と語った。

 2018年3月には、パナソニック100周年のイベントで、睡眠環境をサポートするサービスを両社が協業して開発すると発表。今回の「快眠環境サポートサービス」は、この協業が実際のサービスとして実現したもの。

パナソニック アプライアンス社 コンシューマーマーケティング ジャパン本部 くらしサービスビジネスユニット長の内田 義人氏
パナソニックは、1980年代から光と睡眠の研究を行なってきた

センサー付きマットレスが、寝返り・呼吸・鼓動を検知

 快眠を提供しながら睡眠データを取得するのは、一般医療機器の「[エアーコネクテッド]SIマットレス」。1,860個ある表面の凹凸が体圧を分散し圧迫感を緩和するほか、4層の特殊立体構造を採用し、快適な寝心地を実現するという。

 搭載する体動センサーは、寝返りなどの体動や呼吸、鼓動などを1秒毎に計測可能で、その結果として、睡眠状態・睡眠時間・眠りの深さ・寝つきまでの時間・目覚めまでの時間を判定できるという。センサーは可動式で、就寝者の胸の位置に設置して利用することで、正確な計測を行なえるとしている。マットレスおよびセンサーの耐久年数は、7~8年程度だという。

体動センサーを搭載する一般医療機器の「[エアーコネクテッド]SIマットレス」
体動センサーは、睡眠状態・睡眠時間・眠りの深さ・寝つきまでの時間・目覚めまでの時間を判定できるという
マットレス表面にある1,860個もの凹凸が体圧を分散する
マットレス裏側にある体動センサー
体動センサーは、取り外して移動できる。就寝者の胸の位置にセットする
取り外した体動センサー

 センサーが計測した各種数値は、西川の無料スマートフォンアプリで受信。この受信内容を、パナソニックの「Your Sleep」が受信・分析し、ユーザーの睡眠状況を記録・スコアリングする。さらに、それまでの睡眠状況と併せて診断することで、個人のその日の状況に応じた「パーソナライズド アドバイス」が表示される。このアドバイスは、500種類以上もあるなかから適切なものが表示される仕組み。

 睡眠結果のスコアリングは、睡眠時間/睡眠効率/寝つき時間/途中覚醒回数/目覚めの状態/深い睡眠の6項目を、総合的に評価して0~100点で点数化する。また低スコア時には、寝る前の行動を尋ねるアンケートが行なわれ、より詳細なアドバイスが得られるという。

サービスの中核を担うのが、パナソニックのアプリ「Your Sleep」。各デバイスを連携させる
ホーム画面には、アラーム時刻と、エアコン・照明・音響との連携状態を表示
日次画面では、前の晩の睡眠スコアと睡眠深度、その下側に6項目についてのスコアが表示される
週次画面では、スコア一覧と、合計睡眠時間が閲覧可能
週次画面の下部には、前の週や全体と比較した、週次のアドバイスが表示される
西川の無料スマートフォンアプリ画面。センサーの計測した数字だけが表示される。人間が表示する目的で作られていないという

エアコンや照明を組み合わせて、より快適な睡眠環境を実現できる

 「快眠環境サポートサービス」で連携可能な家電は、いずれもパナソニック製の既存製品。対象となるのは、無線LAN内蔵エアコン「エオリア」からは、2018年モデルの「WX/Xシリーズ」、2019年モデルの「WX/X/AX/EXシリーズ」、2020年モデルの「X/UX/TXシリーズ」。照明は「LINK STYLE LED」シリーズのLEDシーリングライトで、スピーカー搭載タイプの「H-XCD1288A/HH-XCD0888A」、丸型タイプの「HH-XCD1283A/HH-XCD0883A」。

連携可能な家電は、無線LAN搭載のエアコン「エオリア」(写真左)と、「LINK STYLE LED」シリーズのLEDシーリングライト(写真右)

 エアコンでは、「人間の体温が入眠時に下がり、起床時に上がる」ことから、室温について睡眠中は下げ、起床時に向けて徐々に上げていく制御を実現する。利用前には、暑がり・寒がりといった個人の好みと、羽毛布団・毛布といった寝室の状況をアプリで尋ね、睡眠データと併せて診断することで、その人にあった制御を実現するという。

 照明器具では、部屋の明かりを入眠とともに暗くし、起床に向けて徐々に明るくなる制御を実施。またスピーカー搭載タイプの照明には、音楽や環境音などがあらかじめ搭載されているため、就寝時・起床時の音楽を設定することもできる。

 起床後に入眠中と起床時の温度や照度が快適だったかを回答することで、次回以降、より利用者にあった制御を実現するとしている。

エアコンは、睡眠中の室温を下げ、起床時に向けて徐々に上げていく制御を実現
照明器具では、部屋の明かりを入眠とともに暗くし、起床に向けて徐々に明るくなる制御を実施

 「快眠環境サポートサービス」は、西川製のマットレス「[エアーコネクテッド]SIマットレス」(価格140,800円)と、パナソニック製のスマートフォンアプリ「Your Sleep」(月額利用料990円)のみでも利用可能。価格はいずれも税込。

 本サービスは、12月16日から、東京・日本橋の「日本橋西川」、東京・二子玉川のパナソニックのショールーム「RELIFE STUDIO FUTAKO」、大阪・梅田の「パナソニックセンター」に、マットレス・エアコン・照明・スマートフォンアプリのセットで展示され、実際に体験も可能だという。