家電レビュー

ドウシシャの照明&サーキュレーターが想像を超えてQOL爆上がり

シーリングライト兼サーキュレーターの新型「CIRCULIGHT」を試してみた

仕事部屋であり、トレーニング部屋でもある筆者宅の4畳半。デスクとパソコン2台とモニター類3台で部屋の半分近くを占め、さらに撮影ブース、トレーニング用の室内自転車があって、一時的にメーカーなどからお借りしているアイテムやら空き箱やらが転がっているので、時には立錐の余地もない状態になることもある。

狭いうえにここまで物が多いと困るのが、もはや生活必需品と言っていい冷房機器を置きにくいこと。特にこの夏は電力供給のひっ迫が予測されていることもあり、エアコンをフル回転させるのはなんだか忍びない。そもそも電気代がものすごいことになっている我が家なので、可能な限り節電したいところ。そのためには比較的省電力な扇風機やサーキュレーターなんかをうまく活用したいのだけれど、当然ながらこれ以上物を置く余地はないわけで。

そんな折、ドウシシャから発売された新しいシーリングライト兼サーキュレーターの「CIRCULIGHT(サーキュライト)」をお借りすることができた。床にサーキュレーターを置けないなら天井に取り付ければいいじゃない、という逆転の発想である。

デスクワーク中も、トレーニング中も、どちらにも便利かもしれないなあ、と思ってさっそく取り付けてみたら、これが想像以上に絶大な効果を発揮してくれたのだった。

軽量化で取り付けが楽ちん、取り付け可能な範囲も幅広く

ドウシシャの「CIRCULIGHT」シリーズは、サーキュレーターが合体したシーリングライトだ。今回お借りしたのは、2022年5月に発売された自動スイング対応の6畳用「DCC-SW06EC」(実売価格22,000円前後)。

他に8畳用の「DCC-SW08EC」(実売価格25,000円前後)がラインナップしていて、違いとしては照明の明るさが異なるところだけ。他の基本的な機能・性能に差はない。

6畳用の「DCC-SW06EC」

この新しいCIRCULIGHTのポイントとなるところはいくつかあるけれど、なかでも注目したいのは取り付けがしやすくなっていることだ。

サーキュレーターが一体化しているとはいえ照明器具なので、引掛けシーリングやローゼットなどと呼ばれる既存の天井コンセントに直接取り付けるだけで使える、という簡単さは従来通り。そのうえで今回の製品は約1.6kgに軽量化しているのが大きな進化となる。

CIRCULIGHT側の天井コンセントに差し込む部分
既存の天井コンセント。ここに簡単に取り付けられる

従来製品の12畳用などは約6.5kgと重く、場合によっては天井の補強が必要になり、補強ができない環境だと諦めざるを得なかった。また、重量があるということはその分取り付けに力も必要になるということ。

天井コンセントに差し込んで少し回転させるだけの簡単な取り付け方法ではあるものの、高く持ち上げる必要があるため、重さがあるとどうしても苦労してしまうものだ。

その点、軽量化された新製品は軽々と持ち上げられるので、設置の段階でつまずくようなことはまずないだろう。サイズは約400×200mm(直径×高さ)と数字だけ見ると大きく思えるが、手に持ってみると意外にコンパクトで扱いやすい。

設置時に悩むとすれば、せいぜい天井が高いときに足場をどうするか、というくらいではないだろうか。いったん取り付けてしまえば、あとは付属のリモコンで照明の調光やオンオフ、サーキュレーターの稼働も自由自在の、快適生活が待っている!

取り付け・取り外し方法が本体側面でわかりやすく説明されている
サーキュライトを軽々と持ち上げてコンセントに差し込み、少しだけ回転させればほぼ固定される
カバー部分を回転させて天井に押しつけるようにして固定すれば設置完了
付属リモコン。壁などに取り付けられるホルダーもある
サーキュライト取り付け後はリモコンで快適操作

多段階の調色・調光、オフタイマーなど、豊富な照明機能

サーキュライトは、LED照明とサーキュレーターが一体化してはいるが、それぞれの機能は完全に独立している。照明だけ使うこともできるし、サーキュレーターだけを動かすこともできる。ただ単に照明にサーキュレーターをくっつけただけの製品ではないな、というのは、使い始めるとすぐに実感できる部分だ。

まず照明部分の機能について説明すると、色温度(調色)は5段階、明度(調光)は色温度ごとに7段階で調整できる。

色温度は昼白色を中心に、青みがかった昼光色方向に2段階、もしくは温かみのある電球色方向に2段階で調整でき、部屋の目的や時間帯などに応じて気軽に切り替えられる。それとは別に常夜灯もあり、こちらも2段階で明るさ(暗さ)を調整可能だ。

昼白色
昼光色
電球色
常夜灯(明)
常夜灯(暗)

さらに30分後・60分後に自動消灯するタイマー機能があるほか、お気に入りの色温度・明度を記憶してリモコンのボタン一発でその設定を呼び出せる機能も用意されている。無段階調色・調光ではなく、色温度・明度の調整幅もそこまで広くないのは惜しいところだけれど、実用性や操作性を考えると、これくらいの柔軟さがあれば十分、という感じ。

照明関連のボタンはリモコン上側にまとまっている

今回、4畳半(天井高225cm)の部屋に6畳用のモデルを使ったが、明るさは日中のデスクワークにもちょうどいい塩梅だった。元来は指向性の強いLED照明ではあるものの、下方向だけが照らされるのではなく、天井方向にも光がある程度回り込むようなデザインになっている。

それによって天井に反射した間接的な光も加わり、全体的に柔らかな明かりになっているように感じる。このあたりは「拡散レンズ」というものを活用して配光を工夫しているのも要因かもしれない。

天井側にも回り込む柔らかい明かりで、デスクワークにもちょうどいい

回転しながら斜め送風、逆方向への送風など、応用幅の広い機能が盛りだくさん

サーキュレーターは7枚羽根、従来よりも大型化しているとのこと

サーキュレーターの機能もかなり多彩だ。送風方向は真下だけでなく斜め下(スイング)もOK。角度は2段階で調整でき、そのうえで水平方向に360度回転させ続けることができる。

つまり、照明の中心部を頂点とする円錐を描くようにして送風できるというわけ。この回転速度も低中速の2段階あり、停止もできる。天井付近の空気をかき回すようにして送風することもできれば、回転を停止させて狙った方向に集中的に送風することも可能なのだ。

斜め方向に向けつつ、360度水平回転しながら送風できる

風量は7段階。そよ風レベルから、デスク上のゴミが吹き飛びそうになるレベルまで。DCモーター採用ということもありモーター音はほとんど気にならず、風量2レベルまでなら風切り音も目立たない。それでいてしっかり風も感じられるので、仕事に集中するのにもちょうどいい。

風量3レベル以上は風切り音がかなり大きくなってくるから、使いどころとしては、他に騒音源があってファンノイズを気にする必要がないとき、もしくは本格的に涼がほしいとき、ということになるかもしれない。ちなみに風量を抑えていても、風向きを360度回転させるときは別のモーター音が目立つように聞こえてくるのは、ちょっと気になるところではある。

サーキュレーター関連のボタンはリモコン下側にまとまっている

もう1つ面白い機能が、ファンを逆回転できるところだろう。下方向に送風して直接風に当たる、というのが通常の使い方になるが、逆回転させることで天井側に送風し、天井付近に溜まった暖かい空気を循環させられる。

これをうまく使えば、夏場に冷房として役に立つだけでなく、冬場の暖房効率を高めることにもつながるだろう。季節を問わず1年を通じて使えることで、投資対効果も高まるというもの。

他に、風量を逐次自動調整するリズム機能や、1・2・4・8時間後に自動オフするタイマー機能も備えている。最初に説明した通り、照明とサーキュレーターの機能は独立している。

常夜灯にした状態で30分後に完全消灯するタイマー設定をしたうえで、サーキュレーターは2時間後にオフにするようにし、寝苦しい夜も節電しながら眠りにつけるようにする、といった使い方もOKだ。

床置きにない天井設置のメリットとは

仕事部屋でしばらく使い続けてみて感じたのは、思っていた以上に「天井とサーキュレーターの相性がいい」ということだ。完全に天井の1カ所に固定することになるので使い勝手に不安があったのだけれど、スイングと回転の機能のおかげもあってそのあたりは全く気にならない。むしろ天井から送風されるというのはいろいろとメリットが多いな、と思えた。

床置きする普通の扇風機やサーキュレーターだと、人のいる場所によって風の当たり方は異なるものだ。たとえば家族全員が扇風機の風を浴びたいとき、全員扇風機から一定の距離をとって、その首振りの範囲に円弧状に並べば問題ない。が、たいていは「もっと涼みたい」と思う人が扇風機に近づいて、他の人への風を遮ることになる。涼の争奪戦は避けられず、家族内の不和がいや増すことに……。

一方、天井に設置するサーキュライトの場合、途中で風が遮られることはなく、下にいる家族みんなに平等に風が行き渡る。物がたくさん置かれた筆者の仕事部屋も同じようなことが言えるだろう。床置き扇風機だと間にある障害物にどうしたって風が遮られるが、サーキュライトだとどこにいたとしても天井方向には何もないから風を常に受け続けられる。

筆者のとっちらかった仕事兼トレーニング部屋。サーキュレーターを床置きしたところで物に遮られるのが困りもの

天井高が影響するので、あくまでも筆者の仕事部屋(天井高225cm)の環境では、という言い方になってしまうけれど、風量レベル1でも頭と手元が涼しく感じられる程度には風が届き、サーキュライトのありがたみを実感する。

天井付近にサーキュレーターがあるので、エアコンとの組み合わせでも効果を発揮しやすい。エアコンをフル稼働させたくなる暑い日でも、サーキュライトを組み合わせることで2~3℃は設定温度を高くできそうだ。

そして、室内自転車を使ったバーチャルサイクリングによるトレーニング中は、さらにサーキュライトの強みが活きる。というのも、室内自転車用に以前から別のサーキュレーターを1台床に置いて使っているのだが、床から斜め上方向(顔付近)に送風するしかなく、そうするとモニターなどに風が遮られて十分にその能力を発揮できずにいたのだ。

実は1個、トレーニング用にサーキュレーターを置いてはいるのだが、ご覧の通りモニター類に風を阻まれる

サーキュレーターを壁付けしようかとも考えたが、壁に穴を開けることになるし、いつか室内レイアウトを変えることになったときにはサーキュレーターの位置も変えなければならず、壁中穴だらけになる可能性を考えたら二の足を踏まざるを得なかった。でも、天井のサーキュライトならそれらの心配は一切無用となる。

しかも、トレーニング中特に汗をかきやすい頭から首筋、あるいは背中あたりを狙って近くから送風できるので、冷却効果も高い。仕事にもトレーニングにも、このCIRCULIGHTは筆者の環境において今考えられるベストの選択肢ではないかと確信する次第だ。

室内サイクリング中は間近から風を受けられ、頭部から背中あたりをしっかり冷やしてくれる

脱衣所などにも置いてみたいサーキュレーターの新しい選択肢

使い勝手の面で1つ気になるところがあるとすれば、瞬時に斜めの狙った方向に送風できない点。狙った方向に向くまで、サーキュレーター部分がゆっくりと回転してくるのを待たなければならない。

たとえば筆者の仕事部屋で言えば、デスクワークしているときの送風方向と、トレーニング中の送風方向は90度以上違うので、その都度回転させてほどよいところでストップさせる、という手間が発生する。

電源をオフにしたときは、最後の回転位置と角度が記憶されていて、次に電源を入れたときに記憶された位置・角度で動き始めるため、一定方向にのみ送風する使い方であれば問題ない。が、たびたび送風方向を変える使い方では、すぐに狙い通りにならないので煩わしさを感じるときもあるだろう。できれば手動でもサクッと送風方向を調整できる機構になっているとありがたかったけれども……。

とはいえ、こういった仕事部屋だけでなく、寝室やリビング、あるいは脱衣所のような場所でも季節を問わず活躍してくれること間違いなし。軽量なので取り付けられる場所も多くなっている。床の上にできるだけ物を置きたくない人、エアコンに頼り切りになりたくない人に、新しいサーキュライトはよりよい選択肢になるはずだ。

日沼 諭史

モバイル、ガジェット、エンタープライズ系サービス、旅行、クルマ、バイク、オーディオ&ビジュアルなどなど、なんでも書くライターみたいなことをやっている人。