家電レビュー
カールも艶ストレートも自由自在! シャークの曲がるくるくるドライヤーを使ってみた
2023年11月17日 08:05
シャークニンジャ(以下、シャーク)といえば、ゴミ自動収集機能を搭載したコードレス掃除機や、スリムなのにパワフルなハンディクリーナーで人気のメーカー。そんなシャークが今年、新ブランドとなる「Shark Beauty」を設立。なんとヘアケア製品を2モデル発表しました。
なかでも注目なのが「曲がる」機能を搭載したヘアスタイラー「Shark FlexStyle」(以下、FlexStyle)です。そのまま使えば髪をセットするスタイラーとして利用できますが、本体を「曲げる」と髪の毛を乾かすヘアドライヤーにもなるという画期的な製品です。気になる同機を、2カ月間じっくり使ってみました。
ドライヤーとしても平均以上のパワーで、あっという間にヘアドライ
FlexStyleはストレートな棒状のスタイラー。世の中にはさまざまなスタイラーがありますが、他との違いは、前述したように「曲がる」こと。本体を曲げることで、一般的なピストル型のヘアドライヤーのように握って髪を乾かせます。
ちなみに「スタイラー」といってもピンとこない人もいるかもしれませんが、これは髪の毛をセットするための筒状ドライヤーのこと。「くるくるドライヤー」や「カールドライヤー」などとも呼ばれます。
スタイラーは基本的に本体の先にブラシやカーラーを装着するため、コンパクトかつ軽量な製品が一般的。このため、従来までのスタイラーは「髪の毛を乾かすにはパワー不足」と感じるものがほとんどでした。
一方、FlexStyleは風量もかなりのもの。公式発表されていませんが、筆者が計測したところ、ノズルから10cmの距離に計測器を置いて、風速約18m/秒でした。我が家にあるダイソン製の大風量ドライヤー「Dyson Supersonic Shine」が、同条件で風速19m/秒だったといえば、そのパワフルさが実感できるでしょうか。
風量が強いだけではなく、一般的なピストル型ドライヤーよりノズルが短いところも、個人的に使いやすいと感じます。ノズルが短い分、腕を伸ばさずに使えるため、長く持っていても疲れにくいのです。
一方、そもそも同機はスタイラーなので、ノズルの口径がやや狭い点が少し残念。口径を小さくすることで風速はあるのですが、髪に当たる風の範囲が狭く、一般的な大口径ドライヤーよりノズルを多く動かす必要があるのです。とはいえ最近は「Re・De Hairdry」など、高級ヘアドライヤーも小口径タイプが増えています。使い勝手に関しては慣れが大きいかもしれません。
豊富なアタッチメントでストレートがツヤツヤに
FlexStyleはスタイラーなので「髪をセットする」のも得意。髪のセットには豊富なアタッチメントを利用します。標準で付属するアタッチメントにはロールブラシ、つるつやローラー、エアカーラー35mm(左右2本)、ワイドノズルの4種類があります。
まずはストレートヘアをチェック。美しいストレートヘアにするには、髪が少し湿った状態でロールブラシを使ってブラッシングをします。
付属するロールブラシで嬉しいのが、ブラシ毛の一部にイノシシ毛を使用していること。一般的な樹脂製やシリコン製のロールブラシよりも、しっかりと髪に絡まるので、普通にブラッシングするだけでも髪がしっかりと伸びるのが分かります。
短い髪もしっかり絡まるので、前髪に緩くカールをつけたり、毛先だけ内巻きにワンカールさせるといった細かなスタイリングも簡単でした。髪のボリューム不足で困っている場合も、ロールブラシで根元を立ち上げてボリューム感を演出することが可能。実は、筆者が一番気に入っているアタッチメントがこの汎用性の高いロールブラシです。
ロールブラシだけでも充分キレイなストレートが作れるのですが、同じく付属の「つるツヤローラー」という変わったアタッチメントを使うと、より効果的です。「髪の表面をなでるだけで浮き毛を49%抑える」というツールで、完全に乾いた髪に使うアタッチメント。ダイソンの「Dyson Airwrap マルチスタイラー」(以下、エアラップ)でおなじみの仕組みです。
使い方は、波状のラバー先端部分を髪に当てるようにして、髪の根本から先端部分に向かってゆっくりなぞるだけ。金属素材のローラー表面がドライヤーの熱で高温になることで浮き毛を目立たないように伸ばしてくれます。
基本的に髪の表面を整えるツールなので、ロールブラシで髪全体を整えたあとに「つるツヤローラー」を使用するのがオススメ。面倒になって使わない日もあるのですが、やはり使用したほうが髪表面のツヤ感がしっかりと出ます。
風の力を使うから濡れた髪も安心してカール
「エアカーラー35mm」は、風の力で巻き髪を作るアタッチメントです。湿った髪を少量手でつまみ、毛先にカーラーを近づけると髪がカーラーに自動的に巻き付き、熱風の力でカール形状を固定できます。こちらもダイソンのエアラップでおなじみの仕組みです。
髪を巻き付けたら熱風を数秒当て、その後クールショットボタンで髪を冷やして巻きを定着させるとクルンとカールができます。筆者は人よりも剛毛なので、たまに一部の毛がロットに巻き込めないときもありますが、そういった場合は手で補助するか、次の髪を巻く時に一緒に巻いてしまいます。
エアカールで嬉しいのが、湿った髪にも使えるということ。筆者はたまにヘアアイロンを使って巻き髪を作るのですが、ヘアアイロンは湿った髪に使うと水蒸気爆発を起こして髪を傷めてしまいます。
一見乾いているように見える髪も、アイロンを当てると「ジュッ」と音がして湿っていたことに気が付くこともあるのです。このため、アイロンで髪を巻く場合は前日にシャワーをしておき、しっかり乾かしてから寝ていました。
一方、エアカーラー35mmはむしろ髪が湿っていたほうがしっかりカールが付きます。髪をスプレーで湿らせるか、あるいはシャンプー後に8割ほど乾かしてカールをつけられるのです。しかも、FlexStyleの最大温風温度は約87℃なので、150℃くらいで利用するヘアアイロンほどは高温になりません。髪を傷めにくそう、というのも嬉しいポイントです。
最大のデメリットはなんといっても作業時間。髪をロットに巻いたあとも「熱風で5〜10秒ほど加熱して」→「クールショットで冷やす」という作業を、髪の束だけ繰り返さないといけません。ヘアアイロンなら3秒ほど加熱するだけなので、作業時間はヘアアイロンのほうが圧倒的に短いです。とはいえ不器用な筆者でも、15分ほどで髪の下側全体が巻けました。ヘアアイロンなら10分ほどで巻けるため、筆者は朝シャンをした時や時間がある時はFlexStyleを、とにかく急いでいる時はヘアアイロンを使っています。
シャークのFlexStyleをじっくり2カ月使いましたが、一番の感想は「コスパが良い」というもの。ドライヤーとして使えて、スタイラーにもなり、さらにヘアアイロンのようにも利用できる、一台3役の製品。それなのに、価格は高機能ドライヤー1台とほぼ同じ(2023年11月現在の直販価格は34,980円)。一台で乾燥からスタイリングまでできるので、自宅の脱衣所まわりの収納スペースが少ない人や、旅行にドライヤーを持参する人にも魅力的な製品です。