家電レビュー

ヨーグルトや味噌、鶏ハムも手作り「発酵メーカー」は腸活の強いミカタ!

BRUNO「コンパクト発酵メーカー」

健康志向の高まりから、近年、国内外を問わず発酵食品が注目されています。ヨーグルト、チーズ、味噌、納豆、しょうゆ、漬け物などは、身近な発酵食品の代表格。腸内環境を整え、健康を維持・促進するためにも、毎日の生活に積極的に取り入れたい食品です。

こうした発酵食品を手作りしたいと思っていた筆者は、専用の調理家電があることを知り、さっそく試すことに。発酵調理ができる家電を使うと、自家製味噌やヨーグルトのほか、塩麹(しおこうじ)、甘酒などが驚くほど簡単にできあがりますよ。

なかでも、BRUNO(ブルーノ)の「コンパクト発酵メーカー」は見た目がおしゃれなうえ、サイズ感も使いやすく、腸活を意識している筆者にぴったりだと思いました。

スイッチを入れるだけ! ほったらかしで発酵食品が完成

発酵調理とは、乳酸菌や酵母といった微生物の働きを利用して食品の風味を変化させる調理方法です。食品が発酵することにより、うまみが増す、栄養価や保存性が高まるなど、私たち人間に有益な効果をもたらします。

その発酵食品作りをサポートしてくれるのが「コンパクト発酵メーカー」です。必要な食材を用意したら温度と時間を設定し、スタートボタンを押して、できあがるのを待つだけ。使い方はいたってシンプルなので、誰でも簡単に操作できます。

温度・時間設定に必要なボタン、一時停止機能付きスタートボタンのある操作部は、本体の前面にあります。操作部はフラット仕様のため、見た目がスッキリしていておしゃれです。

本体の操作部はフラットで見た目がスッキリしている

電源プラグをコンセントに差し込むと、操作ボタン上部にLEDが点滅し、数字や記号が表示されます。

本体は、重量が600gほどと軽量です。サイズも133×133×182mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトに設計されており、500mlペットボトルよりも背が低く、省スペースで保管できるのも美点だと感じました。

軽量コンパクト設計で500mlペットボトルよりも背が低い

自家製ヨーグルトを手軽に作れる

身近な発酵食品の代表“ヨーグルト”を手作りするときに必要な材料は、種菌になるヨーグルトと牛乳のみ。この2つをよく混ぜ、発酵させればできあがりです。

コンパクト発酵メーカーは500mlの牛乳パックがちょうど収まるサイズなので、パックのままヨーグルトを作れます!

500mlの牛乳パックでヨーグルトを作れる

500mlの牛乳パックでヨーグルトを作る場合は、牛乳450mlと種菌(ヨーグルト)50gを付属の計量スプーンを使ってよく混ぜてから、40℃で6時間加熱します。

牛乳と種菌を牛乳パック内で混ぜる

ちなみに使用する牛乳は、生乳100%(無脂乳固形分8%以上・乳脂肪分3%以上)の成分無調整タイプを選ぶのがポイント(乳飲料・加工乳は不可)。雑菌が入るとうまく作れないので、必ず未開封の牛乳を使います。

そのため、容量500mlの未開封牛乳をパックのまま使う場合、種菌を混ぜる前に50mlを抜いておきます。500ml全量を使う場合は、付属の専用容器に移し替えて調理しましょう。

なお、種菌として使用するヨーグルトは、もともと“種菌”として販売されているもののほか、市販のヨーグルトでも代用が可能。飲むタイプのヨーグルトも使用できます。ただし市販品の場合、商品によって種菌になるもの・ならないものがあるので、商品選びの際は注意が必要です。

牛乳と種菌をパック内でよく混ぜたら、クリップなどで口を閉め、本体に入れて透明カバーをかぶせます。

クリップなどで閉じた牛乳パックを本体に入れてカバーをかぶせる

牛乳パックを入れたら、本体前面の操作部で温度と時間を設定します。

電源プラグをコンセントに差し込むと温度を示す数字のLEDが点滅するので、アップボタン(▲)またはダウンボタン(▼)を押しながら、40℃にセット。温度は25~80℃の範囲で、1℃単位で設定できます。

操作部で温度を40℃に設定する

温度が設定できたら、MODE(モード)ボタンを押して、時間設定に切り替えます。

時間を設定するときも、温度設定と同様にアップ・ダウンボタンで数字を変えながら、6時間にセットします(時間は1時間単位、最長48時間までの設定が可能)。

時間を設定し、スタート/一時停止ボタンを押せば、加温(発酵調理)のスタートです。

MODEボタンを押すと、温度・時間を切り替えられる
温度と時間を設定したら、スタートボタンを押す

スタートボタンを押したら、発酵調理が完了するまで待つだけ。途中でかき回す必要もありません。設定した時間になると「ピー、ピー」と音が鳴り、加温終了を知らせてくれます。

調理が終わったら透明カバーを外し、本体からパックを取り出します。できたてのヨーグルトはあたたかいので、常温程度に冷めたら冷蔵庫で冷やしましょう。本体に入れたままだと冷めにくく、発酵がさらに進んで酸味が強くなる場合があるため注意してください。

また完成したヨーグルトは早めにパックから取り出して、別の容器に移すことが推奨されています。

完成したヨーグルト

コンパクト発酵メーカーのおかげで簡単に作れる自家製ヨーグルトは、ほったらかし調理でも手作り感があり、市販品と比べるとやはりおいしく感じられます。

筆者は、自家製ヨーグルトなら毎日食べても飽きません。おいしく食べながら、腸内環境を整える、免疫力を向上させるなどの健康効果を期待できるのもうれしいポイントです。

水切りヨーグルトが簡単にできるステンレスカップ付き

コンパクト発酵メーカーには、計量スプーン、専用容器2つのほかに、ステンレス製の水切りカップが付属します。

水切りカップは、水切りヨーグルトを作るときに便利なアイテム。カップ側面と底面に無数の細かい穴があいていて、ヨーグルトを入れると水分だけを取り除けます。

付属の水切りカップ
水切りカップ側面の細かい穴
水切りカップ底面

水切りヨーグルトとは、ヨーグルトから水分を除去した食品。一般的な水分を多く含むヨーグルトと比べるとクリーミーで濃厚な味わいが特徴です。フルーツソースやジャムを加えて食べたり、ドレッシングの材料に使ったり、さまざまなレシピに活用できます。

この水切りヨーグルトを作るときは、付属の専用容器に水切りカップをセットし、ヨーグルトを入れてキャップをゆるく閉め、冷蔵庫に1時間ほど置きます。

水切りカップにヨーグルトを入れてキャップをゆるく閉め、冷蔵庫で1時間ほど置く

水切りカップにヨーグルトを入れると、ヨーグルトに含まれている水分が容器の底にたまる仕組み。

ちなみに、この水分は「ホエー/乳清(にゅうせい)」と呼ばれる成分で、ミネラル類、ビタミン類、たんぱく質といった栄養素を含んでいます。そのため、そのまま捨てるのではなく、好みのドリンクやスープ、シチューに混ぜるなど、ぜひ有効活用しましょう。

ヨーグルトを水切りすると出てくるホエー(乳清)

1時間ほど水切りすると、水切りヨーグルトができあがり、ホエーも抽出できます。

水切りカップを使うと、手軽に水切りヨーグルトを作れるので、普段のヨーグルトとは違った味わいを楽しみたいときに活用したいと思いました。

水切りしたヨーグルトとホエー(乳清)

自家製味噌が8時間で完成!

コンパクト発酵メーカーを使うと、自家製味噌も時短かつ手軽に作れます。筆者は定期的に味噌作りをしていますが、従来のやり方で作ると熟成期間が必要なため、実際に食べられるのは5~6カ月先です。

一方、コンパクト発酵メーカーを使えば、たった8時間で完成するので、かなり驚きました。

味噌作りに必要な材料は、ペースト状にした大豆の水煮、米麹(こめこうじ)、塩、水(あれば大豆の煮汁も)のみ。これらを専用容器に入れてスプーンで混ぜ合わせたら、キャップを閉めて本体に入れ、透明カバーを取り付けて、60℃で8時間加温します。

味噌づくりに必要な材料を専用容器に入れて混ぜる
本体に入れて60℃で8時間加温する

発酵料理が終わると、米麹たっぷりの甘い白味噌が完成! 夜寝る前にセットしておけば翌朝できあがるので、朝食にできたての味噌を味わうことも可能です。

できあがった白味噌

完成した白味噌は、味噌汁はもちろん、きゅうり味噌、味噌だれ、料理の味つけなど、幅広いレシピに活用できます。

自家製の白味噌ときゅうり
白味噌を使った味噌汁

こちらの基本レシピは取扱説明書にも記載されていますが、米麹や塩の分量を変えて、自分好みの白味噌を作っても良さそうです。

なお、先ほどのヨーグルトも含め、発酵食品作りに雑菌は大敵。付属品を使用する際は、あらかじめ食器用洗剤などで洗浄し、熱湯消毒してから使いましょう。

付属品を使用する際は、あらかじめ熱湯消毒しておく

低温調理にも対応! 鶏ハムもほったらかしでOK

本機は低温調理にも対応しており、鶏ハムや温泉たまごなども手軽に作れます。

筆者宅では“鶏ハム”がブームになっており、冷蔵庫には常時手作りの鶏ハムをストックしています。常備している鶏ハムは、もちろん低温調理で作ったもの。コンパクト発酵メーカーを使うと、手間なくスピーディーに調理できます。

鶏ハムの作り方はいたってシンプルです。あらかじめ好みの調味料で味つけをした鶏むね肉をジップ袋に入れて空気を抜き、口を閉めてから本体に入れて、内側の“MAX”と書かれたラインまで沸騰したお湯を注ぎ入れます。

ジップ袋全体がお湯に浸っているのを確認したら、透明カバーを取り付け、65℃で1時間調理(鶏むね肉200gを使用した場合)すれば完成です。なお、使用する鶏むね肉の量、厚さ、形状に応じて、調理時間の調整が必要です。

ジップ袋に入れた鶏むね肉を本体に入れてお湯を注ぎ入れる
65℃で1時間加温調理する(鶏むね肉200gを使用した場合)

この低温調理も、ヨーグルトや味噌を発酵調理するときと同様に、スイッチを入れたあとは、加温が終わるまでほったらかしで問題ありません。つきっきりで調理する必要がないのも、この家電のいいところ。

低温調理した鶏ハム

発酵食品の摂取は、手軽にできる腸活の1つです。腸内環境を良くしたい人にはもちろん、健康と美容のためにヘルシーな食事を心がけたい人は、コンパクト発酵メーカーを活用して、一緒に発酵食品のある生活を楽しみましょう。

野本 美樹