家電レビュー
サーキュレーターと連動する除湿機で部屋干しはカラッと乾く?
2023年6月23日 08:05
雨で洗濯物を外に干せず、部屋干しもなかなか乾かない梅雨どき。カラッと短時間で乾かすことができ、部屋干しのニオイも抑えられる「衣類乾燥除湿機」が人気です。
さまざまなタイプが販売されていますが、中でもユニークな製品が登場したのでご紹介します。除湿機本体と上部のサーキュレーターを分離して使える、コロナのサーキュレーター連動衣類乾燥除湿機「CDSC-H8023X」です。店頭予想価格は50,000円前後。
サーキュレーターを分離して、さまざまな干し方ができる
CDSC-H8023Xは、除湿機の上にサーキュレーターが乗った形の衣類乾燥除湿機です。サーキュレーターは24cmの大口径で、風はパワフル。そのまま除湿機の上で使えるのはもちろんのこと、本体と分離して使うこともできます。
分離運転では除湿機本体で除湿された乾燥風と、サーキュレーターによるパワフルな送風の2つの風で洗濯物をさまざまな角度から乾かすことができます。本体の除湿方式は電気代が安いコンプレッサー式です。
サイズもコンパクトで、一体型で使用する際は298×310×556mm(幅×奥行き×高さ)。サーキュレーターを外して除湿機単独で使用すると高さは438mmに。洗濯物の下に置きやすい低さです。
定格除湿能力は50Hzの場合は7L/日、60Hzの場合は8L/日。3.6Lの大容量タンクでたっぷり水を溜められますし、ホースをつなげて連続排水もできます。
電源コードが2本付属。サーキュレーターと分離して使用する場合は、2本とも使用します
分離時も連動して風の当て方を調整
運転モードは「標準/標準(ヒーターあり)/速乾(ヒーターあり)/夜干し」があります。本体からも乾いた風が出るので、ヒーターをオンにして洗濯物に当てるとスピーディ。電気代を抑えたいときは、ヒーターを使わない標準コースを使用します。
ヒーターをONにした状態で風温を計測すると31.8℃。ヒーターをOFFにした状態では室温とほぼ同じ21.4℃で、10℃ほど変わりました。靴下やハンドタオル、薄手の化繊Tシャツなどは、サーキュレーターの風を当てるだけでも素早く乾きますが、やはり本体からの乾いた風を当てるほうが早いので、分厚い生地や乾きにくい衣類などはヒーターをONにすることをおすすめします。
運転時は、除湿機本体で洗濯物の乾き具合を判断し、赤外線通信によりサーキュレーター側との最適な連動運転を行ないます。標準コースでは除湿機本体が室温上昇と湿度低下など、お部屋の状況変化から衣類の乾き具合を算出し、自動で「乾燥仕上げ運転」に切り替え、サーキュレーターの風量、風向、スイング速度を調整しています。洗濯物が乾いた頃に運転が自動停止するので、つけっぱなしになることもありません。
サーキュレーターの風向は2通りで、上吹きとワイドから選べます。ワイドは除湿機一体時で上下最大90度の範囲に幅広く風が届きます。ただし、左右の首振りはできません。そのため、洗濯物の真下に置く場合は、洗濯物全体に風が行き渡るような向きに設置することで、ムラなく送風できます。
ただ、我が家の物干しラックは構造上、真下に除湿機を置けないので、一体型の状態で少し離れた場所から風を当てました。正面から風を当てることになりますが、上下の送風範囲は広いものの、横の範囲は狭くなってしまうので一部しか風が当たりません。
そのため、洗濯物をたくさん並べて乾したい場合は、サーキュレーターを外し、横から風を当てます。そうすることで除湿機本体乾いた風と、サーキュレーターのパワフルな風、2方向からの風が全体に行き渡るようになります。本体のルーバーは動きませんが、手動で角度調整することはできました。
標準(ヒーターあり)モードでサーキュレーターを分離し、奥側にサーキュレーター、手前側に除湿機を置く形で乾燥したところ、厚手のデニムも含めて約4時間で乾きました。奥側は乾きにくいため、途中でサーキュレーターと除湿機の位置を入れ替えると、さらに時間を短縮できそうです。
やはり、一番効率がよいのはサーキュレーター一体型にした状態で風を当てること。我が家の場合、真下に本体を置けないラックだったため、このように分離して使っていましたが、ヒーターの風を直接当てるほうが効率的に乾かすことができます。
高校生の息子の体操着(上下)の下に、サーキュレーター一体型の状態で少し手前に置き、風を当てて速乾コースで乾燥してみました。分厚い生地で乾きにくいのですが、2時間でポケットの裏まで乾きました。少ない洗濯物であれば前方からサーキュレーターとヒーターの風を直接当てられるので、短時間で乾かせます。
羽根まで外せてお手入れカンタン
使用後は、4時間弱でも驚くほど水が溜まっていました。タンクは取り外しが簡単ですが、取っ手はないので両手で支えてこぼれないようにしながら捨てます。
サーキュレーターはガードを外し、羽根も工具なしで取り外すことができます。汚れやすい内部も外してサッとから拭きできるので、いつでも衛生的に使えます。こういった除湿機で羽根部分まで外してお手入れできるものは少ないので、清潔な状態を維持できるのは嬉しいポイントです。
サーキュレーターは単独でも使える
除湿機は一定の時期しか使わないという方も多いのですが、本機はサーキュレーター単独で使えるので、一年中活用することができます。
サーキュレーターにも操作ボタンはありますが、赤外線通信で除湿機からも操作できます。除湿機の操作部では、サーキュレーターのスイング(ワイド/上吹き)、風量(強/弱/微)の設定が可能です。
ただ、サーキュレーター単独で使う場合は使えるモードが限られます。サーキュレーターの操作部は運転「入/切」ボタンと「スイング」ボタンのみ。スイングはワイドのみとなり、風量を選ぶこともできません。サーキュレーターのみでも、もう少し柔軟に設定できていたら、使えるシーンはもっと多そうです。
コンパクトで使いやすい衣類乾燥除湿機
本機は設置面積が小さく、衣類乾燥除湿機の中ではコンパクトなタイプです。サーキュレーターと除湿機本体が分離し、連動するのもユニークです。
一番早く乾かす方法は、一体型の状態で洗濯物の真下に置くことです。我が家のように除湿機本体を真下に置けず、少し離した状況で置く場合は、上下だけでなく左右の首振りもあると、さらに使いやすくなると思いました。
サーキュレーターを分離して、本体とは別の角度から風を当てられることが大きな特徴ですが、サーキュレーターにも電源が必要となり、コンセントが2つ必要になるのは少々面倒だと感じます。
とはいえ、2段干しや狭い場所など、洗濯物の数や干し方、状況により、サーキュレーターを置く位置を工夫することで早く乾かせるのは便利です。サーキュレーターとして単独でも使えますので、ぜひチェックしてみてください。