家電製品レビュー

異なる温度にできる2面プレートが便利! デロンギのマルチグリルは塊肉もピザも簡単絶品

 ホットプレートといえば、プレートの下にある熱源で食材を加熱するのが一般的。ですが今回ご紹介するデロンギの「マルチグリル」は、一見ホットプレートのようですが、下からだけでなく上からも加熱できるという、これまでにない機能を備えているのです。

 つまり今までホットプレートでできていた以上の料理が作れる! ということで、さっそくマルチグリルでいろいろな料理を作ってみました。

3つの調理ポジションで調理できるという画期的な機能を備えたデロンギの「マルチグリル CGH1011J」
メーカー名デロンギ
製品名マルチグリル CGH1011DJ
実売価格37,690円

上下プレートで挟み込んで調理ができる

 マルチグリルは、基本機能はホットプレートに近いですが、上下2面にプレートを備えており、「BBQポジション」「コンタクトポジション」「グリルポジション」と3つの調理ポジションで様々な調理が可能です。

 まず180度開いた「BBQポジション」では、焼き面が広いBBQグリルとして一度に多くの調理ができます。焼き肉やパンケーキ、卵料理を作るときは、このポジションが便利。一般的なホットプレートに近いスタイルです。

上プレートを上げた状態でBBQレバーを上にスライドすると、180度開く
全開にしたのが「BBQポジション」

 続いては、上下のプレートを食材で挟む「コンタクトポジション」。食材を上下から同時に焼くことができ、ホットサンドや肉・魚介・野菜のグリルなどが簡単に作れます。セット方法は、下プレートに食材を置いた状態で、上プレートを下ろすだけ。食材を潰したくないときは、高さ調整も可能です。

このまま閉じれば、「コンタクトポジション」に
食材の上面も焼きたいけれど潰したくないときは、高さ調整つまみを使えば、途中でロックされ、優しく抑える程度に焼き付けられる

 上下プレートの各温度は60~230℃で別々に設定できるため、調理の温度帯が違う料理が同時に作れるのも嬉しいところ。またタイマーも上下別々に、10秒~90分の間で10秒刻みで設定できます。

温度とタイマーは別々に設定できる

 さらにヒーターが本体ではなくプレートに配してあるのも特徴。温度コントロール性能も高いため、立ち上がりが早く加熱ムラも少ないといいます。そこでまずは、ホットケーキを全面に焼いて、焼き上がりをチェックしてみました。

プレートの裏にヒーターが入っている
下側のプレートを230℃に設定し、ホットケーキを焼いてみた
裏返してみると、確かに焼きムラがほとんどなく、まんべんなく焼き色がついている

 ちなみにプレートの四隅は少し傾斜がついており、もともと隅から隅まで焼ける仕様にはなっていませんが、それでも両面で1,540cm2の焼面を備えています。これは期待大! ということで、さっそく調理してみましょう。

「コンタクトポジション」で塊肉もやわらかく美味しく!

 このマルチグリルで筆者がもっとも試してみたかったのが、塊肉を焼くこと。筆者はステーキを焼くのが苦手で、焼き加減が分からないまま、いつも硬く焼き上がってしまうのです。ちょうどスーパーで、ステーキ肉がグラム200円と特売になっていたので、さっそくチャレンジしました。

ふだんほとんど買うことがないステーキ肉700g
下味を付けた後、上下230℃に予熱したプレートに乗せる
「コンタクトポジション」で5分間挟み焼き! いい香りが一気に漂ってきた
5分後に開けてみたら、キレイな焼き色が!
最高に美味しいステーキが焼き上がりました

 レアな焼き上がりでしたが、やわらかく、初めてといっていいほど美味しく焼けました。ちなみに本来は肉全体を焼く前に、トングで肉を立ててサイドを焼く工程があったのですが、忘れてしまったので、焼き上がってからサイドも焼きました……。

 この程よい焼き色がついているのは、「SEAR」モードのおかげ。タイマーの中央にある「SEAR」ボタンを押しておくと、最初の1分間だけ高火力で焼き色をつけてくれるのです。

「SEAR」ボタンで焼き色もバッチリ
塩豚の低温ロースト

 続いても肉の塊! マルチグリルで可能という低温調理を試してみたかったので、「塩豚の低温ロースト」を作りました。マルチグリルは温度キープが得意なうえ、上からも加熱できるので肉を頻繁にひっくり返す必要がありません。

豚肩ロース肉をコストコでゲット。岩塩とローリエ、ローズマリー、タイムをまぶして冷蔵庫に2日間置いた
上下プレートを120℃にセットし、豚肉を乗せる
コンタクトポジションで挟み込むと、圧巻! これだけ厚くても焼けるのはすごい
途中、1~2度ひっくり返した後、最後に断面をしっかり焼く
切ってみたら……きれいにできた!

 ハーブと塩が効いて、薄切り1枚でもパンチのある美味しさ。驚くほどしっとりやわらかい舌触りに感動しました。

 ところで豚肉を焼いたときに出た大量の脂ですが、プレートに少し傾斜がついていて、中央から余分な油が流れ落ちる仕組みになっています。後片付けの際、油受けプレートを見たら、たっぷりの脂が溜まっていました。

グリルポジションでピザのチーズもとろ~り

 続いては「グリルポジション」を試してみました。マルチグリルでは、ピザも焼けるというのです。確かにグリルポジションなら、上下から加熱できてオーブンのような状態になりそう。

焼いたのは、スーパーで売っているチルドピザ。上230℃、下180℃で10分間、「SEAR」ボタンでセットした
グリルポジションでは高さを4段階で設定できるので、ピザ表面のギリギリまで近づける
完成! チーズがしっかり溶け、生地もパリパリに焼けた
広島風お好み焼き

 もうホットプレートの域を超えて、何でも焼けちゃうマルチグリルはスゴイ! 何か焼いてみたいな~と思っていたら、夫が「広島風お好み焼きを焼いてみたら?」と提案してきました。確かに、キャベツを潰してしっかり焼きつけたい広島風お好み焼きに、このコンタクトポジションはピッタリかも。

まずは生地を広げる。プレートに傾斜があるので、生地だと流れ落ちそうになるのをフライ返しで慌ててせき止めた(笑)
たっぷりのキャベツともやしを乗せた後、豚肉を乗せて生地をかける
ここでいよいよ、コンタクトポジション! キャベツがギューッと潰れる
しばらく加熱すると、さらに潰されていた
いい感じにぺちゃんこに!

 続いて、上プレートを使って焼きそばを調理。今回は温度帯を変える必要はないかもしれませんが、別の作業が別のプレートでできるのは、やはり便利です。

生地とキャベツを焼いている間、反対側で焼きそばを炒める
焼きそばの上にお好み焼きを乗せ、パリパリになるまで焼く間、反対側で目玉焼きを焼く

 ちょっとちょっと、お店で出している広島風お好み焼きのようでは? 自分で作ったとは思えない仕上がりに大満足! キャベツがしっかり潰せたので水っぽさはなく、しっかりした旨みが味わえました。かなりのボリュームでしたが、美味しくて1人1枚完食できちゃいました!

目玉焼きの上に焼きそばと合体したお好み焼きを乗せて完成!

2枚プレートで後片付けも楽々

 プレートが2枚に分かれているので、シンクで洗いやすいのも嬉しいところ。また余分な油は油受けに落ちるので、小さな油受けさえ洗えば、ほかに洗い物はありません。

プレートは、サイドのボタンを押せば簡単に外れる
ヒーター内蔵ながら、丸洗いできる。コンパクトだから1枚ずつは軽く、シンクにも余裕で入る
広島焼きを焼いて出たカスも、油受けに落とした
引き出してそのまま洗うだけと簡単!

 今回、いろいろ試してみましたが、どれも今までにないアプローチながら、失敗なく美味しく作れ、ワクワクしました。オーブンやホットプレートよりコンパクトなのに、オーブンやホットプレートとは違った、多彩な使い方が楽しめます。温度やタイマーが細かく設定できるのも嬉しいところです。

 別売で、波型プレートやワッフルプレートもあるようなので、これらを買い足せば、朝から晩まで使えるヘビロテ調理家電になること間違いなし!

田中 真紀子