すずまりの快眠スリープテック最前線

時差ボケ解消に意外と効くかも! 光でメラトニンをコントロールする「PEGASI 2.0」

メラトニンの分泌を調整する、日本ポステックの「PEGASI 2.0」
メーカー名日本ポステック
製品名PEGASI 2.0
価格26,800円(税込)

 日中の眠気、イヤですね。昼食をとるとらないに関わらず、人間の身体は午後2時から4時は眠くなるようにできているのですが、それ以外でも頻繁に眠気を感じているとしたら、睡眠に問題がありそうです。

 実は筆者は気圧やホルモンの変化の影響をかなり受けやすいタイプ。気圧が下がっている間やホルモンが切り替わっているだろうタイミングでは、時間を問わずカフェインも効かないくらいの強烈な眠気を生じます。

 そこで、睡眠の原理を活かした製品でなんとかならないかと考え、「PEGASI 2.0」という製品を入手したのでした。

光でメラトニンをコントロール

 「PEGASI 2.0」は緑色の光を浴びせることで、メラトニンの分泌を調整するためのメガネ型睡眠サポートデバイスです。寝付きが悪い、中途覚醒しやすい、朝スッキリ起きられないといった自覚がある方や、夜寝る直前までパソコンやスマートフォンの画面を見続けている方に向いているとされています。

充電用のUSBケーブルが1本付属します

 重さは48g。300mAhのリチウムイオンポリマー電池を内蔵しており、USB充電でのフル充電状態で3回使用可能です。メガネ型ですがレンズはなく、電源スイッチを入れると目の上に位置するフレームの内側が一定時間点灯。目を遮らないため、装着したまま活動できるのが特徴です。専用スマートフォンアプリ「Pegasi Sleep」もあり、iOS 8.0、Android 4.0以降に対応しています。

正面
フレームの右側。バッテリー側
フレームの左側。電源ボタンがあります
フレームの内側
充電端子
充電中。バッテリー残量は3つのランプで確認できます

 光の照射時間には30分の標準モードのほか、20分の強モードと40分の弱モードの3タイプがあります。どのモードをメインにするかはアプリ「Pegasi Sleep」で選択できます。

電源ボタンを押すと、ゆるやかに点灯します。かけながら仕事もできます

 この「PEGASI 2.0」を午前7時から9時の間で30分、7日間連続で使っていると、睡眠の質が変化してくるとしています。眠りの浅い方や夜中に目覚めてしまう方は19時から21時の間に装着するといいそうです。また時差ボケの場合は、眠気を感じたときに使うとリフレッシュできるそうです。

 メラトニンとは、脳の松果体から分泌される睡眠ホルモンです。光を浴びると分泌が止まるという性質があり、停止してから約15時間後にふたたび分泌が始まり、眠気を誘います。

 毎日所定の時間に利用することで、メラトニンの分泌タイミングを整えて眠りやすくしようもので、つまり、薬を使わない睡眠改善方法です。

アプリ「Pegasi Sleep」。「ピッツバーグ睡眠品質指数(PSQI)」のアンケートに答えることで点数が表示されます
電源を入れると、アプリ上で選択したコースで点灯します
ライトはアプリからも起動できます。アプリの日本語が若干おかしいところがありますが……

何も問題ないのは効果の証か?

 この「PEGASI 2.0」、装着した姿があまりに怪しく見える点を除いては、使い勝手に不便な点はありません。使う際はフレームの右側にあるボタンを押すだけですぐLEDライトが点灯。装着するだけです。鼻パッドで装着感も調整可能です。洗顔やメイクアップはできませんが、その他の作業は装着したままできます。

かけてるところ。みんなにびっくりされます

 さて気になるのはその効果です。筆者の場合、就寝時間がバラバラになりやすく、お世辞にも人のお手本といえるような生活習慣を送れているわけではありません。朝7時から9時の間に装着という習慣も守れないことがほとんどだったのですが、自分の生活習慣上で起床後、テーブルついたとき装着するようにしたところ、5日目くらいで夜耐えがたい睡魔に襲われるようになりました。

 そのときの眠気は過眠症状とは異なるもので、純粋に「ものすごく眠い」 というものでした。徹夜をしていたわけでもないので、おそらくメラトニンの分泌が睡魔を起こすピークに達したのでは? と推測しています。

 午後の眠気への影響が気になり、2時から4時の間に使ったことがありました。使用することで多少緊張するせいもあると思いますが、さほど眠くならずに済みました。ただし、本格的に眠くなってから使った場合はまったく効果がなく、「PEGASI 2.0」を付けたまま寝ていたこともありました。

 CES 2019取材でラスベガスを訪れたときも持参したのですが、そのときも現地時間で夜眠れないということはありませんでした。

 帰国してからも、眠りに関する時差ボケはほとんどありませんでした。ただ、そのタイミングで疲労と風邪があったため、1週間ほどは調子が戻りませんでしたが、これは「PEGASI 2.0」とは別の話だと思っています。

 もっとも期待していた過眠症状への影響ですが、残念ながら「PEGASI 2.0」が打ち勝っている感じはしませんでした。タイミングとして、急に症状がでてから使い始めているせいもありそうですが、そもそもそこで眠気を生じるメカニズムがメラトニンの影響でなければ光の効果はなさそうです。

 全体的に見て、負荷がかかっておかしくない場面で大きな問題が生じなかったというのは、それなりの効果があったと考えてもよさそうな気がしています。特に昼の眠気を払った日は、夜特にしっかり眠くなっていたので、1日のライフサイクルがある程度決まっている方で、不用意な昼寝を防いで夜しっかり眠りたいという方におすすめします。

すずまり