すずまりの快眠スリープテック最前線

短時間のお昼寝にも! 脳波をモニタリングするアイマスク「LUUNA」

 今回ご紹介する製品は、仮眠、睡眠、集中力アップの3つの目的で利用できるリラックス用アイマスク「LUUNA」です。クラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」で目標金額を上回る支援を受けてサクセスした製品で、7月下旬に届いたのでご紹介しましょう。

LUUNA
メーカー名Weatherly Japan
製品名LUUNA
価格18,000円

 構造としてはアイマスクに面ファスナーでコントロールボックスが装着されているというシンプルなもので、自体のサイズはわずか50gと軽量。装着していてもまったく負担になりません。

 アイマスクの目にあたる部分には小さな穴が5つずつ開いており、ハッキリとはいえませんがスマートフォンの画面が見える状態になっています。

超軽量のアイマスク
目の付近に穴が空いているので、一応なんとなく外は見えます

 コントロールボックスのバッテリー容量は55mAhで、付属のmicroUSBケーブルで充電します。1回2時間の充電で約80時間使用可能で、スタンバイは50日間。残量は専用アプリで確認できます。また、専用アプリはiOS版とAndroid版があります。

コントロールボックス
実は面ファスナーで貼り付けてあるだけ
電源ボタンのついた部分は完全に分離するので、外して充電できます

EEG脳波センサー搭載、「脳波」をモニタリングしながらリラックスに最適な音楽を生成

 これまで個人で睡眠状態をモニタリングしようとすると、スマートフォンやスマートウォッチ、活動量計の加速度センサーなどの内蔵センサーを使うことが一般的でした。「LUUNA」はアイマスクの内側に、医療でも使われているというEEG脳波センサーを搭載しており、「脳波」を使っているところがこれまでの製品と大きく異なる点です。

アイマスクの内側にはEEG脳波センサーがついています

 また、専用アプリが脳波をリアルタイムにモニタリングしながら、AI機械学習機能によって、「睡眠状態」「体のリズム」にあわせてリラックスするのに最適な音楽を作り出すというのもこの製品の大きな特長。

 この音楽は、今の脳波にもっとも適した楽曲を、データベースからAI機能が自動的に既存曲を選曲するという「AI自動選曲ミュージック」と、脳波に合わせてAI機能がリラクゼーション音楽を“作る”「脳波-AIミュージック」のいずれかを選択できます。モニタされた睡眠パターンは記憶されるので、使えば使うほど自分にあった音楽が作り出されるといいます。

 なお「LUUNA」にはスピーカーはないので、音声ガイダンスや音そのものはスマートフォンのアプリから流れます。お好みでヘッドフォンなどを使えば、周囲を気にせず使えるようになります。

脳波をリアルタイムにモニタリング

脳波の変化と覚醒レベルの変動が興味深い「仮眠」モード

 現在日本語版アプリから選択できるモードは「パワーナップ(仮眠)」と「集中力アップチェック」の2種類です。

 「仮眠モード」の場合、スマートウェイクアップ機能をオンにし、アラーム設定なしで使うと、深い眠りに入る前に起こしてくれます。

専用アプリ「Innerpeace」の画面
ミュージック設定

 コントロールボックスの電源を入れてアイマスクを装着すると、額のEEG脳波センサーが作動。「脳波-AIミュージック」を選択している場合、正しく装着されていると確認されると、音声ガイダンスがスタートします。

 リラックスに導くように呼吸方法やイメージをアドバイスし、やがて選択しているモードで音楽が流れはじめます。「AI自動選曲ミュージック」が選択されているときは、音声ガイダンスはなく、脳波に合わせて自動選曲された曲だけが流れます。

 経験上、おすすめは「脳波-AIミュージック」。筆者の場合、クラシックのような、一定の旋律があるような、ないような、不思議なメロディが流れました。そのまま目を閉じていると眠ってしまうことがほとんどで、しっかり仮眠できました。

接続設定画面。バッテリー残量もわかります
LUUNAを正しく装着していない状態では、センサー表示が赤いままとなり、プログラムがスタートしません
LUUNAを装着すると仮眠モード用のプログラムが自動的に開始します

 仮眠モードだと深い眠りに入る前に最適なタイミングが近づいた段階で、ボリュームが徐々にアップして目覚めます。

 起床後には仮眠スコアやコメント、睡眠指数やリラックス指数のほか、どのタイミングで寝たのか、または起きたのかなど、脳波の変化と覚醒レベルの変動をグラフで見られます。

 なお、スマートウェイクアップ機能をオンにしたまま、アラームで翌朝の起床時間をセットして寝てみたところ、仮眠だと思われて寝入った数分後に起こされてしまいました。朝も眠りが浅いタイミングで起こして欲しいのですが、このあたりはまだ調整が必要ということでしょうか。

仮眠終了後に表示されるデータ
脳波と眠りの関係がグラフ化されるのは興味深いです

ゲーム要素が盛り込まれた「集中力アップチェック」

 「集中力アップチェック」モードは、音声に合わせて集中しながら音楽を聞くことで、集中力が高められるというモードで、音を数えるゲーム要素が盛り込まれていました。

「集中力アップチェック」の画面

 やはり日本語の音声ガイダンスが流れ、聞いていると脳波に応じて音楽が生成されます。明るくゆっくりした音楽になれば集中力が高まっていることを表すとのこと。途中でシンバルのような特殊音が鳴るので、何回鳴ったか数えます。

 ゲームが終わると、実際に鳴った回数と注意力、生成されたミュージックスタイル、集中力の変化がグラフ化されて表示されます。年々集中力が低下していると痛感しているのですが、このゲームをやることで高めてみたいところです。

集中力値なるものがグラフ化されました

限られた時間の仮眠にオススメ

 仮眠モードに関しては、比較的眠りやすく、目覚めに倦怠感を伴うこともありません。昼食後など限られた時間内に仮眠を取っておきたいけれど、そう都合よくすぐ眠れないかもしれない、というときに便利です。

 あとはこのスマートウェイクアップ機能が朝の起床時にも働いてくれることを期待するばかりです。何度か試したいところですが、一晩の睡眠の中でももっとも大切と言われる最初の深い睡眠の直前に起こされると、その後の睡眠にかなりダメージがあるので、影響のなさそうなときに試してみようと思います。

 脳波にフォーカスした製品は今後増えていくとも考えられます。どんなデザインになるのか、精度はどうなのか、興味が尽きません。

すずまり