老師オグチの家電カンフー
スマートロック、略して「スマロ」を付けたらカギを持ち歩かなくなった
2018年10月24日 06:30
築30年のボロマンションにスマートロックを取り付けてみました。
クラウドファンディング「Makuake」で支援者を募集している(10月30日まで)、「SESAME mini」という製品なのですが、メーカーのキャンディ・ハウスさんからリリース前にお借りし、自宅で実験というわけです。
まずは取り付け作業。スマートロックは、ドアの内側、サムターンにかぶせるように設置します。わが家は古い集合住宅にありがちな、ユニットがごついタイプなのですが、「SESAME mini」には高さを変えるための金属の台が付属しているので、これで調整します。
ドアへの取り付けは両面テープを使用。これは、どのスマートロックでも同じですね。賃貸住宅だと原状復帰義務ありますし。サムターン(ツマミ)と接する部分も調整可能なので、よほど特殊なデザイン出ない限り取り付けられるでしょう(どうしても合わない場合はカスタマイズしたアダプターを無料で送ってくれるそうです)。
これで、アプリを入れたスマホからBluetoothで通信して開閉できるようになるのですが、外出先などから操作するには専用の「Wi-Fiアクセスポイント」を使います。
ルーターとの間はWi-Fiで、SESAME mini本体との間はBluetoothで通信。直接Wi-Fiで接続しないのは、消費電力の少ないBluetoothにより電池の消耗を抑えるためでしょう(電池寿命は約500日)。
鍵の開け方、閉め方はいろいろなパターンがあります。もっともシンプルなのは、アプリを立ち上げて手動で開け閉め。さらに、スマホの位置情報とリンクさせれば、家から離れると自動で施錠、帰ってくると自動解錠の完全オートロックが実現します。
iPhoneでは、スマホを3回ノックして解錠というオプションもあって、完全オートロックは怖いけど、荷物が多いときなどアプリを開くのも面倒というときにはストレスフリーです。
その他、スマートスピーカー、スマートウォッチにも対応しています。普通の鍵を使って開け閉めされた場合でも、スマホに通知させることができるので、外にいても誰かが帰ってきた(または出ていった)ことがわかります。子供のいる家庭では便利じゃないでしょうか。
最初のうちは、機械のトラブルで解錠されないと困ると、鍵も必ず持って出ていましたが、慣れてくると、ちょっとした外出なら鍵なしが増えてきました。まぁ、うちは家族がいるので、最悪誰かが帰ってくるまで待てばいいので。
サイフを持たないで出かけるよりは、頻度としては多いです。というのは、サイフには、現金のほか、クレジットカード、キャッシュカード、各種ポイントカード・会員カードが入っていますし、レシート入れのような役割も果たしています。しかし、鍵はひとつの機能しかないですから、置き換わるスピードはサイフよりも速いんじゃないでしょうか。
ひとつ気になったのは、マンションの共有部のオートロック。玄関がスマートロックになったとしても共有部のドアでカギが必要ならスマートじゃないよね。そう聞いてみたところ、共有部のドアを開くためのボタンを操作する拡張アダプターが用意される予定だそうです。共有部と自宅のドア、2台の「SESAME mini」は必要となりますが、完全にカギなし生活が可能です。
余談ですが、スマートロックは普及したらどう呼ばれるのでしょうか。今回、勝手に「スマロ」と略してみましたが、Googleで検索したところまだ使われていないようです。ディック・ミネのヒット曲「夜霧のブルース」の歌詞に、「夢のスマロ」とありますが、このスマロは昔の上海の地名(四馬路)だそう。今はスマートロックもまだちょっとした夢と言うこともできますし、CMソングで起用してみてはどうでしょう、「夜霧のブルース」。
もしくは、Eメールが「メール」と呼ばれるように、シンプルに「ロック」「カギ」がスマートロックを表す言葉になるかもしれません。そもそもスマートって名前のIoT製品が多すぎ! 昭和の時代、家電にやたらマイコンの名前が冠せられていましたが、いずれは同じぐらいの死語になるんじゃないですかね。以上、スマートライターの感想文でした。