老師オグチの家電カンフー

スマートロック、略して「スマロ」を付けたらカギを持ち歩かなくなった

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです

 築30年のボロマンションにスマートロックを取り付けてみました。

 クラウドファンディング「Makuake」で支援者を募集している(10月30日まで)、「SESAME mini」という製品なのですが、メーカーのキャンディ・ハウスさんからリリース前にお借りし、自宅で実験というわけです。

自宅にスマートロック「SESAME mini」を取り付け。9,980円からMakuakeで購入可能。一般発売は2019年の2月頃

 まずは取り付け作業。スマートロックは、ドアの内側、サムターンにかぶせるように設置します。わが家は古い集合住宅にありがちな、ユニットがごついタイプなのですが、「SESAME mini」には高さを変えるための金属の台が付属しているので、これで調整します。

 ドアへの取り付けは両面テープを使用。これは、どのスマートロックでも同じですね。賃貸住宅だと原状復帰義務ありますし。サムターン(ツマミ)と接する部分も調整可能なので、よほど特殊なデザイン出ない限り取り付けられるでしょう(どうしても合わない場合はカスタマイズしたアダプターを無料で送ってくれるそうです)。

「SESAME mini」本体
サムターンの厚みや高さによって調整する
ドア面とサムターンまで距離がある場合は付属の金具で高さを調整
横から見たところ。3M社製の両面テープで貼り付け

 これで、アプリを入れたスマホからBluetoothで通信して開閉できるようになるのですが、外出先などから操作するには専用の「Wi-Fiアクセスポイント」を使います。

 ルーターとの間はWi-Fiで、SESAME mini本体との間はBluetoothで通信。直接Wi-Fiで接続しないのは、消費電力の少ないBluetoothにより電池の消耗を抑えるためでしょう(電池寿命は約500日)。

インターネット経由で操作するための「Wi-Fiアクセスポイント」

 鍵の開け方、閉め方はいろいろなパターンがあります。もっともシンプルなのは、アプリを立ち上げて手動で開け閉め。さらに、スマホの位置情報とリンクさせれば、家から離れると自動で施錠、帰ってくると自動解錠の完全オートロックが実現します。

 iPhoneでは、スマホを3回ノックして解錠というオプションもあって、完全オートロックは怖いけど、荷物が多いときなどアプリを開くのも面倒というときにはストレスフリーです。

アプリのメイン画面。中央をタップすると解錠・施錠が行なわれる

 その他、スマートスピーカー、スマートウォッチにも対応しています。普通の鍵を使って開け閉めされた場合でも、スマホに通知させることができるので、外にいても誰かが帰ってきた(または出ていった)ことがわかります。子供のいる家庭では便利じゃないでしょうか。

 最初のうちは、機械のトラブルで解錠されないと困ると、鍵も必ず持って出ていましたが、慣れてくると、ちょっとした外出なら鍵なしが増えてきました。まぁ、うちは家族がいるので、最悪誰かが帰ってくるまで待てばいいので。

 サイフを持たないで出かけるよりは、頻度としては多いです。というのは、サイフには、現金のほか、クレジットカード、キャッシュカード、各種ポイントカード・会員カードが入っていますし、レシート入れのような役割も果たしています。しかし、鍵はひとつの機能しかないですから、置き換わるスピードはサイフよりも速いんじゃないでしょうか。

 ひとつ気になったのは、マンションの共有部のオートロック。玄関がスマートロックになったとしても共有部のドアでカギが必要ならスマートじゃないよね。そう聞いてみたところ、共有部のドアを開くためのボタンを操作する拡張アダプターが用意される予定だそうです。共有部と自宅のドア、2台の「SESAME mini」は必要となりますが、完全にカギなし生活が可能です。

Apple Watchからも施錠・解錠できる! しかし画面が小さいので、スマホがあるならスマホの方が簡単か
スマートスピーカーとも連動するが、状態の確認と施錠のみ。外から声で解錠されたら困りますからね
カギをゲストとして渡すことも可能。別れた彼氏が前に渡した合鍵で入ってくるなんてことも回避できる(笑)
施錠や解錠の情報は、アプリ、普通のカギともに通知されるよう設定が可能

 余談ですが、スマートロックは普及したらどう呼ばれるのでしょうか。今回、勝手に「スマロ」と略してみましたが、Googleで検索したところまだ使われていないようです。ディック・ミネのヒット曲「夜霧のブルース」の歌詞に、「夢のスマロ」とありますが、このスマロは昔の上海の地名(四馬路)だそう。今はスマートロックもまだちょっとした夢と言うこともできますし、CMソングで起用してみてはどうでしょう、「夜霧のブルース」。

 もしくは、Eメールが「メール」と呼ばれるように、シンプルに「ロック」「カギ」がスマートロックを表す言葉になるかもしれません。そもそもスマートって名前のIoT製品が多すぎ! 昭和の時代、家電にやたらマイコンの名前が冠せられていましたが、いずれは同じぐらいの死語になるんじゃないですかね。以上、スマートライターの感想文でした。

小口 覺

雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆、マンガ原作、企業サイトのコンテンツ制作を手がけるライター。日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」では、命名した「ドヤ家電(自慢したくなる家電)」が前頭に選定された。

Webページ「有限会社ヌル/小口覺事務所」
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