藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

「花王 アタックZERO」を使わない生活には、もう戻れない

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 正直に言うと、やっぱ、残っているのだろうな~、と思っては、いた。ずっと。

 洗濯した後の洗濯物に、汚れ残りとか、洗剤とかが。

 やっぱり、あるんだろうなあ、と。ずっと。

 だって洗ったって「洗剤のニオイ」がそこにあるのだから。洗濯物に残っている。それはつまり洗濯をした証拠であり……そういうことだ。でも、あんまり深く考えないようにしていた。

 まあザックリ汚いのは落ちてるっぽいし。洗って干せばまあ汗臭くはないっぽいわけだし。つまりそこそこキレイに「は」なっているっぽいわけだから、ま、いっか。

 所詮洗濯機でやる洗濯って、まあ「そんなもん」なんだろうなあ、と。侮ってというか諦めてというか、だって今更「衣類手洗い」の生活になんか戻れないし、戻るも何も筆者くらいの年齢ではもう生まれた時から「洗濯は洗濯機がするもの」なのだから。

 だから、だからもっと本当を言うと、知りたくなかった。

 これほどまでにも、残っているなんてことは。

 こんなにも、今まで洗濯物の洗剤が、濯げていなかったなんてことは!!!

 ……と、いうようなことを、たった1回目の試用後に思い知らせてくれた、恐ろしい洗剤がこの「アタックZERO」である。今年1月、新商品発表デモンストレーションで自社の既存洗剤「アタックNeo」の「あまりの濯げていなさ」を表立たせているのを見て、我が家の洗濯物にすぐ思いを馳せ、しみじみ「ああ、家では実験したくないな……」と思ってしまった。それくらいのインパクトであり、実際の仕上がりの凄まじさだった。

アタックZERO
メーカー名花王
製品名アタックZERO ワンハンドプッシュ
実売価格538円

 そう、自宅でもこれで洗濯をしたら、仕上がりがもう「別物」だった。今までの洗剤はなんだったんだ、と愕然とするくらい臭わなかった。何も。汗も体臭も洗剤臭も、生乾き臭すらも、何も。そして蛍光増白剤は入っていないというのにちゃんと化繊のワイシャツは白くなった。

 思うところあって、まだ冬で静電気は気になったものの、「アタックZERO」と柔軟剤を併用しないで使い続けた。よくよくいろいろ体感したところで、筆者はおもむろに家に残っているこれ以外の洗濯洗剤(※「アタックNeo」含む、「海へ…」は除く)、の消化試合を始めた。不満は多いが致し方ない。無駄にできない性分なのだ。

 おそらく、あらゆる物事には、「それ」を跨いでしまったら二度と戻れない分水嶺というものがある。

 「アタックZERO」は、「私の洗濯」における、決してそれ以前に帰り得ない、ゼロポイントを作ってしまった。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。