藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

毛布を洗うならこれ一択! がんこ本舗の洗濯用洗剤「海へ…」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 「犬毛布」という言葉を聞いたことがあるだろうか。記憶が若干定かではないのだけど、私はとある女優さんの書いたエッセイで、初めてこの「犬毛布」という言葉を読んだ。そしてそのとき、ありありとその毛布の状態をイメージすることができ、たいへん感動したのだった。

 「犬毛布」というのは、およそ人が使い倒してふっくらした質感を失いペタンコになったのちに、飼い犬の寝床として与えられるような、古い、主にアクリルの毛布のことをさす。だいたいは、謎の花模様だったりする。

 使い古すうちに化繊の地にホコリや人の皮脂などが付着し、なんともなしにペタペタしてしまった、あの独特なテクスチャー……。飼い主の匂いが染み込んでいるゆえにか、犬用に下ろすと、妙に気に入ってクルクル回り喜び寝そべる犬の様子までがリアルに想起され、今でも「犬毛布」とつぶやくだけで私はホッコリしてしまうのだった。

 閑話休題。

 さて、下ろすアテの犬も居ない生活を送っているので、人のために毛布を定期的に洗濯しないといけない我が家では、もう10年以上も「毛布を洗うならコレ」と決めている商品がある。がんこ本舗の『海へ…』という洗濯用洗剤である。

洗濯用洗剤「海へ…」ポンプ付 500ml・100回分
メーカー名がんこ本舗
製品名海へ… ポンプ付 500ml・100回分
価格(編集部調べ)2,229円

 もちろん毛布のみならずシーツやまくらカバーなどもそうなのだが、一晩じゅう肌が触れ、顔を埋め、ゴロゴロしたりスリスリしたりする寝具が必要以上に「香る」のは不愉快かつ眠りを妨げるので困る。でも汗臭さや垢臭さが残っているのも不愉快だし、ゴワゴワと風合いを損ねるのはもっといただけない。

 「海洋タンカーの事故処理研究から生まれた生分解する洗剤」と謳う『海へ…』は、洗濯にごく少量しか必要としないにも関わらず、汚れ落ちには過不足ない。一回で濯ぎも十分行なえるうえ、ラベンダーの精油(抗菌性もある)の香りが、干す段階(濡れているとき)ではほんの微かに漂っているので清涼感もある。いわゆる「石けん」にある、どうしても消し得ない油くささの気配が皆無なところが、何より寝具の洗濯向きだと私は思っている。もう「これ以外使えない」という気持ちでいる。

 アクリル毛布のみならず綿毛布、アルパカ毛布などもこれで洗えるし、寝具ではないシルクやウールなどのおしゃれ着や、化繊のワイシャツ類、普段使いのタオルや下着などの洗濯にも使えるので、家に1本あると心強いだろう。

 余談だが、連泊する出張時などもこれを小瓶に移して持参すれば、洗面台での手洗い洗濯が捗るのでおすすめだ。泡切れがいいので濯ぎがラクだし、部屋干ししても臭くなりにくい。

 一点、惜しむらくは、若干洗濯洗剤としては値段が張るところで、その点、家族数・洗濯頻度ともにすこぶる多い我が家では、洗濯の対象物をみて使い分けをしている。

 先日も寝汗をひどくかいた家人の綿毛布を、すかさずこれで洗濯した。ふんわり香り良く干し上がったので、その晩は私が横取りしてこれで寝た。気持ちよかったです。

「海へ…」で洗濯した毛布は気持ちいい

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。