藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

「バスタオル」だって薄くさえあれば、毎日洗える

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 今年はスギ花粉からのヒノキ花粉大量飛散により、例年であれば部屋干しを脱することができるはずの時季が来ても、我が家ではなかなか屋外ベランダに洗濯物を干すことが叶わなかった。いつまでも部屋干しと浴室乾燥機のコラボ状態が続いた。

 やっかいな花粉飛散が落ち着いた頃に訪れる、風薫るさわやかなときはいつも一瞬で過ぎ去ってしまう。そして、そうこうしているうちに、あの蒸し蒸しジメジメした季節に今年もなだれ込む……憂鬱。

 お天気お構いなしひっきりなしに汚れ物が出る、育ち盛りの子ども3人を抱えた我が家の洗濯物界隈は、今日もGWの東名高速もかくやの大渋滞である。

 それでなくても上から下まで5人分。そのなかにはでかいジャージ上下、体育着体育着短パン短パン、「夜ラン」の衣装(?)一式、弁当袋にランチ袋とランチョンマットとマスクその他数セット、謎の外付けポケット(ハンカチとちり紙を入れるやつ)だの、なんだのかんだのが毎日含まれる。

 プラス、制服ブラウスに通勤ワイシャツにデリケートな衣類諸々、パーカーは干しにくいから気楽に出してくれるな、ジーパンは5回くらい履いてもバチ当たらないだろう、ちょっと待て風呂のたんびにバスタオル2枚ずつ消費するとはこれいかに。ていうか使い終わったやつ丸めておくとゾウキン臭くなるからやめて。ああ! もう! 干しても干してもまだ干し終わらない!!!

 という塩梅で日々キレかけていた5年前に購入したのが、今回ご紹介する薄手のバスタオル「泉州バスタオル」という商品である。我が家では楽天市場でひょっこり発見、試しに買ったら驚くほど良かったので以後、毎年少しずつ買い足しつつ愛用している。もう手放せない。

「泉州バスタオル」約60×120cm。3枚セットで2,100円

 薄いバスタオルの何がいいって、まずはその「バスタオル大」そのものの面積である。昨今ミニマルなライフスタイルが流行るなかで、入浴後の湯取りを手ぬぐいサイズの「フェイスタオル」に切り替えることが流行っている。実際のところそれでも拭くだけならまなかえたりするが、身体を覆うことはできない。

 年頃の女の子が複数いる我が家において、ニーズが「面積の大きさ」に傾くのはやむなしであろう。身体や髪の毛の水滴を拭う際にも、その大きさは十二分に吸水量を担保してくれる。

 そして、これが一番大事なところだけれど、厚ささえなければ「カサ張らない」。洗濯機に5枚入れても余裕なのだ。そして干して乾くまでの時間も、ごく短時間で済む。真夏のベランダでは、ものの十数分で乾いてしまったこともあったが、素材は綿100%である。

 梅雨時、なかなか乾かないからとバスタオルの洗濯頻度を下げる家庭も多いと思う。また、洗っても部屋干ししている間にバスタオルがゾウキン的に臭ったり、黒ずんできてしまったという悩みなどもよく耳にする。

 残念ながらほぼその「臭い」はバクテリアの繁殖によるものだし、「黒ずみ」はただの汚れではなくカビによるものなのだが、適切に洗い、それを速やかに乾かすことができる限りは、梅雨時であってもそんな状態に陥らせることはない。

 騙されたと思ってまず1枚、「薄い」バスタオルというものを手に入れてみてほしい。大げさではなく、人生が変わるから。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。