藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
衣類やふとんに付いた血をキレイサッパリ落とす「アルカリウォッシュ」
2019年4月23日 06:00
女性というのは比較的血に強い、血を見ても平気、と世の中では言われているようだけれども、個人的にはあまり血など見ないで生きていきたいと思っている。正直言って血は怖い。子どもの鼻血にすら、びびらずにいられない。
そう、鼻血……。あれは何故、時と場合を選ばず、突然出るのか。夜中に子どもが寝床で出した時には、寝ぼけながらビックリして軽く悲鳴を上げてしまった。
とりあえず手当だけして寝直した翌朝、血痕だらけの枕元の様子に上の子が明るく「まるで殺人現場だねえ!」などと感心していたが笑えない冗談である。洗濯とシミ抜きなど片付けの手間もある。セスキ炭酸ソーダが無かったらどう始末するのだろう、とその時もぼうぜんとしながら思った。
そう、今回ご紹介する『アルカリウォッシュ』という商品の主成分は「セスキ炭酸ソーダ」である。「セスキ炭酸ソーダ」。今日、世の中にも随分浸透している様子なので、知っている人はもうよく知っているだろう。でも知らない人には全く聞き慣れないものだろう。
メーカー名 | 地の塩社 |
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製品名 | アルカリウォッシュ 1kg |
実売価格 | 401円 |
私自身は、いつごろだったろう? おそらく最初の子どもを産んだころ、時代のせいか年齢のせいか、ちょうど「環境」や「エコ」に対してのアンテナが鋭く立っていた頃合いに知って使い出した。もう17、8年前の話だ。
「セスキ炭酸ソーダ」は「重曹」と「炭酸ナトリウム」の複塩で各々の中間的な性質を持っているアルカリ剤だ。重曹より水に溶けやすく、界面活性剤ではないので泡立たない。その辺が洗浄剤として活用するさいに際立つ特徴だろうか。
いわゆる「布ナプキン」を使っている友人から教えてもらい、私自身は粗相の処理に活用するようになった。ある程度の油脂汚れやタンパク汚れを、容易に乳化したり分解したりするアルカリの作用はなかなかわかりやすく、便利だと思っていた。
だが、当時は100均などでの扱いがなかったので購入しやすいパッケージが少なかった。「地の塩社」のこの商品はそのころからの愛用品である。
手持ちのスプレーボトルなどに「セスキ炭酸ソーダ」の粉末を入れ、水道水で溶かして掃除道具として使う場合は1~2%希釈にすると使い良い。重曹は水に溶けにくいがセスキはさっと溶ける。このスプレーを作ってみてわかるのは恐ろしいまでのコストパフォーマンスである。
さきの血痕のような汚れで、枕カバーなど簡単に洗濯ができるものなら取り外し、洗面器などに作った、この水溶液で浸け置く。洗濯利用の際は掃除利用のさらに10分の1ほどの希釈濃度でいい。洗面器に2Lの水なら、1g要らないことになる。1,000g(1kg)の商品で500円前後なので、1回あたりのコストは1円以下だ。
ちなみにスプレーボトルが500ml容量で1%にするなら5g。1kgあればボトル200本作れる計算になる。
それなのに程なく、血の染み込んだ布から浸け置き液の中へ、血が「ずるっ」と劇的に「落ちて」いるのに気づくだろう。そののち、多少のもみ洗いをしたら、他の洗濯物と一緒に洗濯機に放り込み、洗うだけで、おそらくどこにシミがついていたのかと思うくらい綺麗になっているはずだ。
容易に洗えない布団本体などについた汚れなら、セスキ炭酸ソーダ水溶液スプレーを量の加減をしながら吹きかけて、血痕を緩め、その後は間髪おかず乾いたタオルなどで叩き拭きしていく。徐々にタオルの方に血液が移っていくのがわかるだろう。このやり方でも、うまくすれば「ほんとに血が付いていたのかな?」くらいの状態にまで持っていくことができる。
『アルカリウォッシュ』は血液対応以外にも、キッチンの油汚れ落としや、住まいの各所の皮脂汚れ、手垢汚れなどを落とすのにも活躍する。アルカリ剤の性質を学ぶほどに応用の効く素材である。
唯一の欠点は、あまりに「使える」のに一回の使用量がとても少ないのでなかなかなくならず、そのうち使う方が飽いてしまいやすいことだろうか。けだし贅沢な話かもしれない。