2018年8月1日 15:11
どーも、連日の猛暑にすっかりバテ気味の銀髪ブタ野郎です。さて、 今回は皆さまに2つお詫びをしなければなりません。 えー、まず掲載遅くなりました。スミマセン。
いやー、前回お伝えしたとおり手を怪我したせいで、ずっと走れてませんで、ようやく最近走り始めたところ。といっても1か月以上のブランクと、連日の暑さであまり距離も伸びず、結果体重も変わらずで、 ぶっちゃけ書くことがありません(汗) 。
ってことで、今回は7月27日にMERIDA(メリダ)から発表になった 新しいe-bike を試乗できたので、その模様をお伝えしたいと思います。で、その上でもうひとつお詫びです。
連載10回目の記事で、ミヤタからMTBタイプのe-bike「リッジランナー」を借りて、どこでも走れるMTBタイプのe-bikeは魅力的だね、なんてほざいておりましたが、間違いでありました。
ワタクシ、MTBタイプのe-bikeの魅力を全然分かっておりませんでした。
今回新型e-bikeの試乗として、MTB用のコースを走ったんですがもう目からウロコ。もうね、その楽しさ、自転車レベルじゃないです、 もはや新しいアトラクション。何コレ!! マジ? ちょー楽しぃ~♪
「平たんな道ばかり走ってなぁにが“魅力的だ”だ、このスットコドッコイ!!」 と、あの頃のブタ野郎を叱責してやりたい。そんな43歳の夏なのであります。
もはやアトラクション!! e-bikeで走るMTBコース
今回発表会にお邪魔した メリダ っていうメーカー、普通の人にはあまりなじみのない名前かもしれませんが、実は 世界で2番目 に大きい自転車メーカーで、日本ではミヤタサイクルが扱っています。今回の発表会では驚きの発表がいろいろあったんですが、まずは衝撃的だった e-bikeのMTBコースでの試乗 の様子をお伝えします。
今回用意された試乗コースは静岡県の 「御殿場高原 時之栖(ときのすみか)」 にある 「御殿場MTBパークFUTAGO」 。まだオープン前で、9月末ごろにオープン予定のMTB専用コースです。なので試乗会の時点ではまだ一部のコースが走れるのみでしたが、MTB専用コースといってもジャンプ台があるようなことはなく、 基本的にはただの山道 です。クルマが1台走れるぐらいの階段がない登山道という感じ。
試乗用のe-bikeでそんなコースを進んで行くと、目の前に表れたのは とんでもない上り坂 。普通なら自転車を押して上がるレベル、いくらギヤがたくさんあるMTBであっても 立ちこぎは必至の急坂道 です。しかしここで早速e-bikeの本領を発揮します。シマノのトップクラスに強力なアシストユニット「STEPS」のおかげで、ペダルがスッ、スッと入って、立ちこぎすることもなくモリモリと登っていきます。
これこそがe-bikeの 魅力その1 です。とにかくね、見た目でイメージするのは、もう汗をダラダラかきながら、ゼーゼー言いながら登るような坂道なんですよ。なのに実際には、普通に座ったまま、平たん路をこぎ始める時ぐらいのチカラ加減。 「頑張る」という言葉は無縁 です。例えるなら パワードスーツを着てめっちゃチカラ持ちになった感じ 。自転車なのに自分でこいでいる感がないです。 まるでバイクに乗っているみたい。
それでいて操作感はあくまで自転車。バイクのようにスロットルを開けすぎてアタフタする不安もないです。最初だけはちょっと緊張するかもしれませんが、すぐにいけちゃう自分に ニヤニヤ するはず。しかも路面は徒歩でも滑りそうなところなのにブロックタイヤがしっかりとグリップして、普通ならとても走れそうにない場所をモリモリ進める 走破感が気持ちいい です。スゴい! e-bike楽しい♪
森の中は日陰で、結構涼しくて気持ちよく走れます。これが 魅力その2 ですね。速く走ってもいいですが、ゆっくり走っていてもハイキング気分で、森の中の涼しさが気持ちいいです。ところどころ木の根っこが出ていたり、デコボコの道もありますが、太いタイヤとサスペンションで乗り心地もいいし安定感もあるので、わざと道の悪いところを走ったりして、 普通じゃ走れないところを走る 感じがまた楽しい。あきらかに普段の街中の移動とは趣が違います。
そして下りで感じる 魅力その3 。緩やかな下りやデコボコな下り、下りながらのカーブなどいろいろありますが、ここはもうこぐ必要なし。さすがMTBタイプならではの楽しさで、自転車というより、 ジェットコースターかはたまたウォータースライダーか と、アトラクション感覚でめっちゃ楽しめます。
ブレーキも前後ディスクブレーキなので、急な下りでもゆっくり安定して走ることができます。慣れた人なら勢いよく下ってもいいし、初心者ならゆっくり自分のペースで走っても十分楽しめるはず。ワタクシも最初はちょっと控えめにいきましたが、ぜんぜん平気だと思うと徐々にペースを上げて……、とそれぞれ自分のペースで楽しめるのもいいですね!
この日はまったく未経験という女性も参加されてましたが、初体験でもすっかり楽しんでいたみたいです。歩いて登山するより体力がいらず、自転車に乗れる人ならたぶん誰でも走れちゃいます。それでいて バイクのような力強さ、ハイキングのようなすがすがしさ、ウォータースライダーのような爽快感 が楽しめるのだから、もうほんと、自転車って呼んじゃダメですね。全く新しいアクティビティだと思った方がしっくりきます。たとえばセグウェイなんかと比べても、乗るのに練習もいらないし、それでいてより悪路も走れて自由度が高く、スピードも出せて爽快感も楽しめる。しかもそんなに疲れないし自分のペースで楽しめるというのもいいです。
残念なのはe-bikeに小さな子どもサイズがないってことですが、ミヤタのリッジランナーなら身長150cmぐらいから適応するので中高生ぐらいの子どもや奥さんなんかも一緒に、それぞれのペースで楽しめるんじゃないかと思います。
今のところコースの利用料やe-bikeのレンタル料など詳細は未定ですが、ここで一度e-bikeを体験すると、めっちゃ欲しくなると思います。たとえばスノボとか、ジェットスキーとか、いろいろと遊び用のギアってありますが、それらって遊び以外にほぼ使い道がないじゃないですか。でもe-bikeなら普段も自転車として使えて、しかもアクティビティ道具としても使える。今回MTB用のコースを走ってみて、 マジでe-bikeの評価が大きく変わりました。 御殿場MTBパークFUTAGOの詳細が決まったらまたお伝えしたいと思います。
メリダの新型e-bikeとリッジランナーは何が違う?
さて、話は前後しますが、今回発表された新型e-bikeは、メリダ 「eBIG.SEVEN 600」 になります。他にも発表会では、ロードバイクやシクロクロスなど、新モデルが登場してましたが、気になるeBIG.SEVEN 600を、ミヤタ リッジランナーと比べてみましょう。
eBIG.SEVENは、フロントだけサスペンションがついたハードテイルと呼ばれるタイプのMTBになります。これはリッジランナーも同じ。ドライブユニットユニットはシマノのSTEPS E8080 250WでバッテリーはE8010、航続距離もHIGH:95km/NORMAL:130km/ECO:140kmとリッジランナーとまったく同じです。コンポーネント関連も、前後ともシマノ製油圧ディスクブレーキ(180mm)でディレイラーがデオーレ、フロントシングル、リア10Sというのもリッジランナーと同じ。で、価格は リッジランナーより1万円安い 35万9000円。
まぁ ぶっちゃけ何がちがうの? ってことなんですが、リッジランナーはフロントサスをストロークしないようにロックする機構があるのに対してeBIG.SEVENにはなく、手元のレバーでシートの上げ下げができるドロッパーシートポストもリッジランナーのみの装備。
タイヤはリッジランナーが27.5×2.8サイズのワイドタイヤなのに対してeBIG.SEVENは27.5×2.2と一般的なMTBサイズ。また、リアのギア比は11-42Tと同じものの、フロントがリッジランナーが34Tに対してeBIG.SEVENが38Tと高速寄り。
装備だけ見ていくと1万円の価格差にしてはリッジランナーのほうが全部入り感があります が、その代わり重量は21.3kgに対して19.2kg(どちらも430mmサイズ)と eBIG.SEVENのほうが1.9kg軽く なっています。
大きな差はタイヤの太さとサスのストローク量です。リッジランナーのほうがタイヤが太くてサスも130mmのストローク、それに対してeBIG.SEVENはタイヤは普通でストロークが100mm。イメージとしては、山を上って下りてと越えながらあらゆる道を走破するのを目的とするのがリッジランナーで、eBIG.SEVENはというと、山の中にある決められたコースをぐるぐると回り、そのスピードを競うような使い方寄りなんだそうです。
走り比べてみた。なんと発売前のフルサスe-bikeにも試乗!!
まぁそんな説明を聞いてもまだピンと来なかったワケですが、実際にリッジランナーとeBIG.SEVENでコースを走り比べてみたら 予想以上に印象が違って驚きでした。
一番違いを感じたのはやはりタイヤの太さです。タイヤのワイドなリッジランナーのほうが、木の根っこのような突起に対しても衝撃をいなす感じで、荒れた路面を走っていてもなにごとも無い安定感があります。また、タイヤのブロックが路面をグッとつかむようなイメージで、急な坂道なんかでも 全然滑る気がしない って感じです。
なんですが、実は個人的には eBIG.SEVENが気に入りました。 とにかく単なる10%の重量の差とは思えないほどに軽快感があるんです。タイヤもリッジランナーが路面にまとわりついてグリップするイメージなのに対して、固いスパイクで切り込んで行くようなイメージで、安定感は減るけど軽快感があります。 リッジランナーのほうがグリップや安定感があります が、多少滑ってもなんとかなりそうな 軽快感、一体感がeBIG.SEVENにはある んです。
最後に、まだ日本では発売されていない前後ともにサスペンションがついたタイプのe-bike 「eONE-SIXTY 900」 にも試乗できました。こちらは 前後サス に加えてブレーキローターも前後203mmでタイヤも27.5×2.8とますます太い! コンポーネントはデオーレXTの11Sを採用するなど、価格は未定ですが いかにもスゴそう です。ちなみにカタログを見るとONE-SIXTYシリーズはダウンヒルでスピードを競うような使い方をするモデルみたいです。
乗ってみるとリッジランナーをさらに安定させたような感じでした。グリップもさらに高くて悪路を走ってもすごく安定している。特に驚きだったのがリアサスがついているのに、ペダルをこいだときの力があまり逃げる感じがしないことです。昔、安物のリアサス付きのMTBに乗ったときには、なんだかペダルをこぐ度にリアが沈んで前に進まない感じがありましたが、そういった印象が少なくて、やっぱりいい自転車は違うんですね。
乗り比べた印象としては、リッジランナーでも十分グリップも安定感もあるし、発売価格は未定ですが、価格差を考えたらeONE-SIXTYまではいらないかも、って思いました。逆にリッジランナー大健闘!!と。でもあれですな、よく考えてみるとこのクラスに乗る人はもっとすごいスピードで走るんだろうから、そうするとこの前後サスやグリップが必要になるのかも。そう考えると ブタ野郎が遊びで使うレベルでこのバイクを評価するな って話ですな。
伊豆でメリダのすべての種類・サイズのバイクが試乗できる!?
さて、またまた話が前後しますが、今回のメリダ発表会、道の駅「伊豆のへそ」がある IZU VILLAGE(伊豆ビレッジ) で行われました。
なぜこんなところで? と思いましたが、なんとこの伊豆ビレッジに、すべてのメリダの現行モデルが試乗できる 「MERIDA X BASE」 をオープンさせるのだそうです! 今回の発表会はそのお披露目も含まれていたのです。
オープンは9月1日からということもあって、外から見るとそんな気配がありませんが、案内されるまま植物園を抜けていくと、そこには突然だだっ広いホールが!! さらに見渡す限り自転車自転車自転車……。聞けば今日置いてあるのはまだすべてではなく、オープン時にはメリダのすべてのモデル、そしてすべてのサイズをそろえるのだそうです! しかもそれをレンタルできるようにするのだとか。
ロードバイクやMTBとかって、結構高価なのに事前に試乗するのが難しいんですよね。普通のスポーツバイク販売店に展示されているのは数十台レベルで、実際に試乗できるのは数台。よほど根気よく探さなければ欲しいモデルのジャストサイズで試乗するのは難しいです。ましてやもうひとつ小さいサイズと比較したいとか、もうひとつ上のグレードと比較したいなんていうのはなかなかできません。
ところがこのX BASEなら、メリダの気になる車種、サイズのバイクを借りて、いろいろ乗り比べたり、4時間、あるいは7時間 みっちり試乗することもできる のです。レンタルは有料ですが、その分を購入時にキャッシュバックするクーポンを発行するとのことなので、後に購入すれば レンタル代は実質無料 になるという仕組み。
周りに自転車仲間がたくさんいればいろいろと試すこともできますが、そうでないなら、一度実際に試せるってのはうれしいサービスになるはずです。
ちなみに伊豆のへそには宿泊施設もあるので、ここを拠点に伊豆サイクリングを楽しんだり、将来的にはグランツールのパブリックビューイングなども予定しているとのこと。
X BASEのオープンは9月1日ですが、本日より公式サイトがオープン、8月20日よりレンタルなどの予約が開始されます。伊豆のへそは都心から東名で2時間程度。これからスポーツバイクを買おうと思っている人は、ぜひ足を運んでみては。