ぼくらの自由研究室

【オッサンの保健体育】その5:朗報!! ダイエットにキツい運動は不要らしい

ダイエットの特効薬!? 効率的に脂肪を燃焼する方法

 ブタもおだてりゃ木に登る。どーも、銀髪ブタ野郎こと瀬戸です。毎月29日(肉の日)にアップしておりますが、今回は「計量記念日」ということで特別に11月1日にお届けいたします。別に原稿が間に合わなかったからとか、そういった理由では、おそらくきっとないんじゃないかなーと思います、たぶん。

 ちなみに11月1日は「寿司の日」でもあり、かつ「紅茶の日」でもあります。でもやっぱり寿司には緑茶が合いますな。なお、個人的に11月1日は「ややポッキーの日」ということでポッキーを食べながら執筆しております。

11月1日は勝手に「ややポッキーの日」とさせていただいております

 さて、前回に続きまして、なんと今回も全然やせられておりませぬ。というか日に日に精度を上げて84kgになっていきます。なんでだ?

 いやね、別に運動をサボっているワケじゃあないんです。なにしろ10月の最初の日曜日、10月1日には、天下一品祭りに行くため相模原店まで往復60km以上も走ってますから!

 10月1日限定の無料券はもちろん、「天下一品こってりラーメンビッグキーホルダー」も当てましたし、さらにその後の後祭りのスタンプカードもゲットしておりますっっ!!!

 でもやせないんだよなー。なぜだぁ??

タニタの体組成計とアプリで体重を記録
3カ月前と比べると減っているものの、最近はほぼ84kgジャストで安定(泣)
スマホアプリで記録したサイクリングのログ。10月もトータル200km以上走ってるんですよ
10月1日は天下一品相模原店まで。こってりパワーで過去最長の距離を走りました
2回目のくじでゲットしたこってりラーメンビッグキーホルダー♪

 あぁ~聞こえる、聞こえるぞー「ラーメン食べすぎだろ!」とか言う声が。でもね、天一の日に天下一品食べない人生なんてどうなんスか? そんな人生でいいんスかっっ!?

 そこは瀬戸、やせるための我慢より、もっとラクにやせられる方法を探してみました。ブタ野郎の名は伊達じゃあない(キリッ)。

ゆるい運動のほうがヤセるだと!?

 はてさて、ネットサーフィンすること30分。ワタクシの惜しみない努力によって発見されました。その名も「心拍トレーニング」(ドーン)。

 解説しよう! 「心拍トレーニング」とは脂肪を燃焼するのにちょうどいい感じの心拍数で運動することであるっっ!!

 一般的にランニングを何分したら消費カロリーは何kcalとか言われてますけど、実は同じ時間運動しても消費カロリーが同じではないのだとか。

 そして、その差が出るのが心拍数。ハードな運動をして心拍数が高い状況だと、それは無酸素運動になって、たとえば筋肉はつくけどカロリー消費としては効率が悪くなる。ダイエットしたいならばもっと心拍数が低い有酸素運動を続けた方が効率がよいのだと。

 つまりは一生懸命自転車をこぎ続けるより、ゆるーく流しているほうが脂肪を燃焼すると言うこと!! なんとも目からウロコ。努力も苦労も大嫌いのブタ野郎にぴったりのトレーニング法である!! マジかー、オレっちいままで頑張りすぎてたのかも♪

心拍センサーの種類がありすぎて悩む

 では、ダイエットに効く心拍数というのどれくらいなのかというと“最大心拍数の60~70%程度”なんだとか。最大心拍数というのは、1分間あたりの心拍数の限界値のことで、個人によって差はあるものの、「220 - 年齢」が一般的な推定値とのこと。ワタクシの場合は先日43歳になったので220-43=177。これの60~70%なので106~124ぐらいがもっともダイエット向きの心拍数ということになる。

 なるほど~、理屈はわかったけど心拍数124ってどれくらいなんだよ? 心拍数なんて計るのめんどくせー! とか思ったらこれまた便利なモノがありました。それが心拍計とかハートレートセンサーなどと呼ばれるモノ。つまり心拍計を使えば簡単に自分の心拍数がわかって、よりラクにダイエットができるというワケですな。

 でもって心拍計とやらを調べるため、再びネットサーフィンにふけること30分。なるほど、心拍計っていうのは、今はやっている活動量計などに内臓されていることが多いらしい。

 さらに調べると、自転車向けの製品もいくつか見つかった。自転車用として一般的なのは、いわゆる活動量計ではなく、サイコン(サイクルコンピューター)と連携するハートレートセンサーで、胸に巻いて心臓の動きを測定するというもの。

 ただしクチコミを見てみると、冬場は装着するのにヒヤっとするとか、運動中にずれるとか、あまり評判が良くない。加えて表示はサイコンにしかできず、BluetoothやANT+といった通信規格に対応したサイコンが必要になる。うちのサイコンはそういった機能はないので、サイコンごと買い直す必要が出てくる。

今持っているサイコンではハートレートセンサーには対応していない

 でもってこの胸に巻くタイプの心拍センサーの代わりに人気が出ているのが腕時計型の心拍センサー。特に自転車向けとして人気が高そうなのが、ガーミンポラールの製品だ。

 ガーミンもポラールもサイコンを出しているメーカーで、それぞれのサイコンと連携できるというのが人気の秘密。加えて自転車での利用を想定したアプリが内蔵されているところなども、自転車乗りとしては魅力。

 これらの腕に巻くタイプはいわゆる活動量計。サイコンがなくても心拍数を表示することができるし、自転車に乗っていないときの、たとえば通勤中の歩数や階段の上り下りのステップ数など、心拍以外にもいろいろと計測することができる。

 さらにGPSを内蔵したタイプもあって、それだと自転車やジョギングで走った際の、速度やルートも計測できる。計測したデータはスマホやPCに連携することが可能で、どのルートをどのスピードで、心拍数はどれくらいで走ったかが一目瞭然になるなど、かなり魅力的なのだ。

 これまでは、iPhoneのアプリを使って走行ルートや車速のログを取っていたのだが、長時間走ると途中でバッテリーが切れたり、休憩で自転車を離れる度にiPhoneを外す必要があったり、そのときにバッテリーのことを考えて一次停止すると、そのまま再開するのを忘れてログが取れていなかったりと、ちょっと使い勝手に悪さを感じていた。

これまではiPhoneを取り付けて走行ログを取っていたが、使い勝手に難があった

 その点、腕時計型ならバッテリーの持ちは心配なさそうだし、自転車から離れるときにわざわざ自転車から外す手間もなくて便利。

 ただし、この2社の製品だけであっても、種類は豊富。自転車につける車速センサーやケイデンス(ペダルの回転数)センサーとも連携して、これ自体でサイコンの様に使えるタイプがあったり、よりプロフェッショナルなトレーニングを管理する機能を持ったものがあったりと、種類が多くて迷ってしまう。

 わからないなら聞いちゃえばいいじゃないか! ということでガーミンの日本法人であるガーミンジャパンに取材を申し込んで、ぶっちゃけ40過ぎでゆるくダイエットを始めたオッサンにちょうどいいヤツを教えてもらってきました。

ガーミンの中の人に聞いてみた

 ろくに予備知識も持たないオッサンにいろいろと教えてくれたのはガーミンジャパンの田中徳光さんと熊山康夫さん。

ガーミンジャパン株式会社 マーケティング部の課長代理 田中徳光さん(左)と熊山康夫さん(右)。お二人ともシュッとしてますな、流石です
ガーミンの活動量計のほんの一部。左からForeAthlete 235J、ForeAthlete 35J、vivosport

 ガーミンはもともとGPSに強みを持った会社で、登山などをする人が使うパーソナルナビなどで評価された会社。そのため、腕時計型のデバイスでも登山やアウトドアでの利用を想定したfēnixシリーズやアスリート向けのForeAthleteシリーズなどをラインアップする。どちらもそうした方面の方にはとても認知されているそうだが、インドア派で運動にも縁がないワタクシはそんなに人気があるとは存じませんでした。

 でもってより広く一般的な活動量計としてラインアップしたのがvivoシリーズ。活動量計としての基本を押さえつつ、価格も手頃で、ワタクシのようにまずは使ってみようという感じであれば、vivoシリーズがオススメでしょうとのことだった。

 vivoシリーズにも種類があるのだが、中でも心拍センサーがついていて、かつGPSも内蔵していて、さらに自転車用のアプリを持っているのはvivosportvivoactive J HRの2種類。

2017年10月に発売されたばかりのvivosport
2016年6月に発売されたvivoactive J HR

 この2種類は、対応しているアプリが異なっていて、vivoactive J HRのほうには、スイムやゴルフ、スキー・スノボにパドルボートといったアプリがある。一方vivosportにはカーディオ(有酸素運動)、筋力トレーニングといったアプリがあるが、自転車は両製品とも対応しているのでどちらでも大丈夫。

 大きな違いは2つ。ひとつは自転車用の速度センサーやケイデンスセンサーへの対応で、vivoactive HR Jはこれらに対応している。なのでANT+に対応した外部のセンサーをつければ、まさにサイコンの代わりとして使うことができてしまう。

 もうひとつがサイズ。vivoactive HR Jのほうが画面が大きく単体での見やすさは良さそう。だが、その大きさゆえ、寝ているときにつけておくのが気になるかも、とのこと。

 というのも、活動量計の機能として睡眠の状態や安静時の心拍を計測することもでき、そのためには活動量計をつけたまま寝る必要があるのだとか。たしかにデブにとってちゃんと寝られているのかはぜひ知りたいところだが、普通寝るときは腕時計は外している。せっかくよい機能があっても気になって寝られないのでは本末転倒だ。

 価格的にもvivosportのほうが定価で1万円程度安く、とりあえずいろいろな機能をひと通り使ってみたいというのであればvivosportがよさそう。画面の小ささは気になるが、将来的にANT+に対応したサイコンをつければ、サイコンに心拍を表示することもできる。ANT+に対応していれば、基本的には他社のサイコンでも連携できるとのことなので、後々無駄にもならなさそうだ。

実際に使ってみた

 ということで、実際にviosportを使ってみることにした。

 といっても難しいことはなく、スマホ用のアプリをダウンロードしてペアリングすればあとの設定はほぼスマホでできる。一度登録すれば、その後はアプリを立ち上げれば自動でvivosportと同期されるようになる。

スマホ用のアプリをダウンロードすれば同期ができるようになる
身長や体重、生年月日、体重などを入力すれば初期設定は終わる

 使い始めて数日なので、まだまだ使いこなせていない部分もあるが、基本的には装着しておくだけでいい。すると加速度センサーや気圧高度計、GPSなどで、どれだけ歩いたかとか、どれだけ階段を上ったかなどを勝手に測定してくれる。

 さらに例えば駅までなど、10分以上歩くと自動的にそれを運動(アクティビティ)として記録してくれる。

装着状態。画面はデフォルトの日時の表示。これは変更することもできる
時計の裏側にある光学式の心拍センサー。胸につけるセンサーが心臓の動きを直接測定するのに対して、この場合は血管を見るので、どうしても若干精度は落ちるのだという
心拍数の表示。下が安静時の心拍数、自動で記録される
過去1時間の心拍数も見ることができる
今日の歩いた歩数。下が目標地
前日の歩数も確認できる
階段の上ったフロア数。目標は1日10階分上ろうということ
週間運動量。今のところ46分ということ
当日の消費カロリー、前日の分も見られる
当日の移動距離、前日の分も見られる
現在地の気温や天気
いまのストレスの度合い。他にスマホに届いたメールを確認したり、音楽を再生したりといった機能も
スマホと同期することでより細かい情報を見ることができる
会社から駅まで歩いてみると自動でウォーキングとして記録された

 これは意外な発見で、いままでと変わらない生活をしていても、実はちょこちょこ運動していることに気がつく。加えて、歩数や階段の登ったフロア数など、1日の目標も設定されているのだ。しかもこれが微妙にクリアできそうな目標になっていて、つい階段を使ってみたり遠回りをして歩いてみたりと、まんまとガーミン様の思惑どおりに踊らされている今日この頃である。

 考えてみれば、自転車も今日は何km走ったとか、何km/h出たとか、そういった結果が見えるからこそやる気が持続しているので、やはりブタはおだてに弱いらしい。

 睡眠の状態も自動で判断される。ただし睡眠の判断についてはちょっとあいまいなところもあって、寝る前にソファでテレビを見ていると、その時点からすでに寝たことになっていることも。それともあれか?「ソファでぐうたらテレビ見てるのなんて、寝てるのと一緒だ、このブタ野郎!!」とかそんな感じなのだろうか?

先日の睡眠の状態。実際に寝たのは1時過ぎなのだがなぜか0時21分に寝たことになっている。そして深い眠りの時間が短いのが気になるところ
睡眠中の動きの状態も見られる。夢遊病ということはなさそう

サイクリング中の心拍数はどうなっているのか?

 さて、一番気になる「サイクリング中の心拍数がどれくらいなのか?」です。

 天気と時間の都合でフルコースを走ることはできなかったので、とりあえずスピードの出せる平坦やゆるい坂、きつめの坂など、バリエーションの多いルートを走ってみました。実際のところ、自分の心拍が124より高いのか低いのか、まったく見当がつかないのでいろいろな道を試してみようという魂胆ですな。

 画面のタッチパネルを長押し、自転車のアプリをセレクト。しばらく待ってGPSが受信状態になったらダブルタップでスタート。このタッチパネルの感度がよくて、サイクリンググローブをしたままでも反応してくれるのはうれしいところ。

 あと便利なのが自動ポーズ・再開の機能。スマホのアプリの時は手動で一次停止する必要があったのに対し、GPS情報を元に自動で停止してくれるので、信号で止まっている時間とか、道がわからなくてスマホで調べている時間とか、そういったものを除いた、より現実に近い運動状況を記録できるというわけです。

画面を長押しして、フリック操作で自転車のアプリをセレクト
GPSを補足すると準備完了、ダブルタップで計測を開始する
計測中の表示はいくつか選べる。ここに写っているほかにも表示の組み合わせを追加することができる
信号などで停車すると自動でポーズになり、走り始めると自動で再開してくれるのは便利!!

 とりあえず初回は、心拍数は見ないようにして、いつもどおりのペースで走ってみました。すると、結果はなんと心拍数が圧倒的に高すぎ。理想は106~124なのに、平均で138とか、ピークは176とか!

 スマホのアプリを使ってデータを見てみると、やはり登坂は心拍がとても高い、さらにサイクリングロードをペースよく走っているときも高め。心拍が低すぎることを嫌ってあえて坂のある道を選んだんですが、まったくの見当違い。ちょうどいい感じの心拍数だったのは、走りはじめと終わり、家の近所をゆっくり走っているときぐらい。そっかー、これまで頑張りすぎてたんだな>オレ。

 スマホのアプリだと、速度、心拍、高度を表示でき、さらにオーバーレイで2つのデータを重ねて見ることができます。さらにPCで専用サイトにアクセスすると地図上にそのときの場所を表示することがもできます。なので、地図を見ながら「サイクリングロードに入ったのはここからだな」といったことが見て取れて、これは結構楽しいかも♪

 さらにこのサイトからvivosmartの設定をいじることも可能。画面の表示項目を変えたり、目標の心拍数をバイブレーションで知らせるといった機能も設定できます。

藤沢から遊行寺の坂を上り、戸塚から長後方面へ緩く長い上り坂、その後境川サイクリングロードを使って戻ってくるコース
画面が切れてしまっているが速度、心拍数、高度を表示できる
心拍数に速度を重ねたグラフ(左)と高度を重ねたグラフ。前半は坂の多い区間なので、速度が低いときに心拍が高く、後半はサイクリングロードなので速度と心拍が比例して高くなっているのがわかる
ガーミンコネクトというサイトにログインすれば、より細かく情報をみることができる
ガーミンコネクト上だと、地図の位置情報も平行して確認することができてさらに楽しい

 ということで翌日はこの設定をオンにして、できるだけ理想的な心拍数で走るようにしてみました。

 印象としてはかなり緩く走っている感じ。さすがにママチャリのペースとまでは言いませんが、運動しているというより移動しているぐらいの感覚で、速度で言うと平坦で20~25km/hぐらいでしょうか。ただ、心拍数を合わせるのはなかなか難しくて、信号で止まっていると低くなるので、走りはじめはちょっと強めにこいで心拍を上げようとすると、今度は一気に上がりすぎてしまったり。かといってゆっくり走り続けてもなかなか上がらなかったり。

 それと心拍数というのはなかなか体感ではわかりにくいですね。息の上がる感じはわかるんですが、息がまだ上がっているのに心拍はすっかり落ちていたりとか。心拍の目標を設定しておくと、心拍が高すぎても低すぎてもバイブが動くのですが、「高すぎかな?」と思って表示を見ると低すぎの表示だったりと、自分の体なのに意外とわからないことに驚きです。やっぱり心拍計はないとダメですな。

今度は坂の少ない海岸沿いを走ってみました
平均の心拍数は122といい感じ。前回と違って平地なので、その割には平均速度は低くないですね
心拍数に速度を重ねたグラフ(左)と高度を重ねたグラフ。心拍数を気にしながら走ったところ、風向きの関係で前半は追い風だったためにペースが速く、後半は向かい風のためにペースが落ちている

 ちなみにウォーキングでどれくらい心拍が上がるのかも試してみましたが、ウォーキングだとけっこう速いペースで歩かないと目標の心拍数には上がりませんでした。慣れの問題もあるかもしれませんが自転車のほうが圧倒的にラクに心拍が上げられるので、やっぱりダイエットには自転車がオススメだと思いました。

 体感的にはこののんびりペースであれば、同じ50kmを走るのでも休憩なしで走り続けられそうな感じです。それに汗もそこまで激しくかかないので、仕事帰りに遠回りして30分だけ走ってみるとかしてみてもよいかも。

 とりあえず今回は時間がなくてまだ2回しか試していないので、次回もうちょっと使い込んでみて引き続き報告したいと思います。これでやせられるといいなー。

瀬戸 学