ぼくらの自由研究室

【オッサンの保健体育】その12:銀髪ブタ野郎、伊豆ゲートウェイ函南でいろいろなe-bikeに試乗するの巻

グぬはぁ~っっ!! 気がつけば6月ももう肉の日(29日)になってしまいました。先月の記事の後にはすぐに一気乗りしてきたe-bikeの記事を書こうと思っていたんですが、1ヶ月なんてあっという間ですな。いや~ビックリ。

銀髪ブタ野郎、コケるの巻

 実は前回の記事を書いたよく週末に、ついにやらかしてしまいました。

 ええ、コケました、自転車で。

 ちょっと停車しようと歩道に入ろうとしたんですが、そこでフロントタイヤが滑ってバランスを崩して……。

STIレバーが傷だらけに。どういう風に倒れたらここに傷がつくのか謎ですが……。でもそれ以外は大きなダメージが無かったのが不幸中の幸い

 普段だったら歩道の段差は軽くフロントタイヤを浮かせるようにするんですけど、現場の歩道は段差の部分が斜めに切り落とされたような形状で、ほとんど段差のないタイプだったんです。なので、平気かなーと思ったんですけど。っていうかいつもなら平気だったと思うんですけどね、海が近いので砂が浮いていたのかもしれません。

 子どもの頃は何度も自転車でコケていたはずですが、この歳でコケると一大事ですな。停車しようとしていた時なので、スピードはそんなに出ていなかったんですが、それでも運動音痴のワタクシに受け身が取れるワケもなく、左肩からアスファルトの上に落ちました。そこのアスファルトはおろし金の様に目が粗く、固いし痛いし。それでも81kgの体のいきおいは止まらず、左頬あたりから頭部をアスファルトに打ち付ける形に。

ヘルメットに少し傷がつきました。もしヘルメットをかぶっていなかったら、ワタクシの美貌に傷がついていたことでしょう。くわばらくわばら

 放り投げだされる感じで勢いがあったので、こりゃ顔も傷だらけになるかと思ったんですが、ヘルメットかぶっていてよかったです。ヘルメットの左側面に多少傷がついた程度で、頭部も顔も守られました。でもダイレクトに落ちた左腕側面はすごい激痛で、買ったばかりのサイクルジャージ(長袖)は破けて血だらけになったのだろうと思いました。

 が、なんとサイクルジャージやぶけていませんでした。それでもきっとほつれとかはあるだろうと思っていたんですが、家で脱いで確認すると、汚れてはいるもののほつれもなく。さらにきっと擦過傷で血だらけだろうと思った左腕も、確かに擦れて赤くなっているものの血は出ておらず、予想より軽傷で済みました

おそらく肩、そしてヒジと落ちたのでしょう。相手は極悪レベルに目の粗いアスファルトでしたが、サイクルジャージのおかげで擦過傷が防げました
買ったばかりのモンベルのサイクルジャージ。80kgオーバーの体重がかかっても破れませんでした。よかった

 去年まではなんかサイクルジャージって本気っぽくていやだなー、とか思っていたんですけど、冬に寒さ対策で買ったサイクルジャージが、背中のポケットなど使い勝手がよくて、今年は夏用のサイクルジャージも買ったところだったんです。そもそもはUV対策として長袖を選んだんですが、結果的にはこれ1枚のおかげでだいぶ傷が減ったと思います。サイクルジャージがやぶけなかったのは運がよかっただけかもしれませんが、それでも布1枚でもあるのとないのではケガの程度に大きな違いがでるはずです。自転車に乗るなら夏でも長袖、できればサイクルジャージがオススメだと身をもって体験しました。

e-bike乗り比べてみた

 さて、先月末に行われたe-bikeの試乗イベントのレポートです。ミヤタのe-bikeのレンタルなども行っている道の駅「伊豆ゲートウェイ函南(かんなみ)」でe-bike試乗会が開催され、ミヤタ、ヤマハ、TREK(トレック)、BESV(ベスビー)のe-bikeに乗ってきました。

 会場にはMTBタイプやミニベロなどもあったんですが、以前ミヤタのMTBタイプのe-bike「リッジランナー」は試乗していたので、乗ったことのないクロスバイクタイプ、ロードバイクタイプを中心に乗ってきました。

パワフルなシマノ製電動アシストのミヤタ「CRUISE」

 まずは以前MTBタイプのリッジランナーで好印象だったミヤタから、クロスバイクタイプの「CRUISE(クルーズ)」に試乗。以前リッジランナーでもその良さは体験していますが、これでMTBの太いタイヤや幅広いハンドルじゃなかったら、街乗りはもっと快適だろうなぁと思っていたのです。

 乗ってみたら想像どおり! クロスバイクタイプのフレームは適度な前傾姿勢で乗りやすく、快適に、しかもe-bikeの力強さが感じられて加速するのが楽しくなります。ただ、アシストがなくなる高速域でも人力だけでバリバリこげるかというと、やはりそれなりに重さは感じますし、クロスバイクの姿勢だと、そこまで速度を出そうという気にもならないかなぁという印象。逆に言うと、リッジランナーはあんなに太いタイヤを履いているのに、それを感じさせずに走れたのは、アシストの強さゆえなのかもしれません。電動アシストとMTBの組み合わせって結構画期的なのかも!!

 なお、クルーズやリッジランナーが採用するドライブユニットはシマノ製のSTEPS。シマノでは海外向けに3種のユニットを持っているんですが、日本仕様があるのはその最上位モデルのみ。つまり出力も強く、現在日本で販売されている中ではトップクラスの出力なのだとか。だからこそリッジランナーの太くてゴツゴツのタイヤでも楽々走れたのでしょう。クルーズに乗ってあらためてリッジランナーの魅力を実感しました。

ミヤタのクルーズ。26万9000円。カラーは2色、サイズは430mmと460mmがあり、重量は460mmサイズで18.6kg
ドライブユニットユニットはシマノのSTEPS DU-E8080 250W。ダウンチューブにつくバッテリーは36V 11.6Ah。航続距離はノーマルモードで106km、最長で115km
フロントギアはシングルで44T、リアディレイラーはALVIOの9速でギヤは11-32T。ローギア寄りの設定だが、e-bikeがトップスピードより山道での利用を優先すると思えば妥当なギア比かも
前後ともにシマノ製油圧ディスクブレーキ。ローター径は前後とも160mm
サイクルコンピューター部。アシストはECO/NORMAL/HIGHの3つのモードがある。また標準装備のフロントライトのオンオフもできる
タイヤはクロスバイクとしては標準的な28C。標準でサークルロックもつく。カギはバッテリーのロックと共通なので便利

スポーツバイク未経験でも乗りやすいTREC「Verve+」

 続いて乗ったのは、TREK「Verve+(ヴァーヴプラス)」。TREKといえばロードバイクでも人気のメーカーなので、名前を知っている人も多いんじゃないでしょうか? そんなTREKから現在唯一発売されているe-bikeがVerve+になります。

 Verve+はフラットバーのクロスバイク風のスタイルになります。さらにフェンダーなんかもついていて、タイヤも42Cとかなり太め。ライトもスタンドも標準装着されていてシティバイクの延長といった感じです。

 乗った印象もまさにそのままで、特に太いタイヤもあって乗り味もマイルド。乗車姿勢もアップライト気味で、キビキビ走るというよりまったり快適に走る自転車という印象。モーターアシストについても癖がない印象、というか全体的にアシスト量自体が控えめなのかもしれません。

 今回試乗した中でも特に印象の薄い乗り味でしたが、逆に言えばそこが狙いなんだと思います。走る場所も選ばず乗り手も選ばない。今までスポーツタイプの自転車に乗ったことがない人であっても、自転車屋さんで買ってきてそのまま乗れる。そんな普通なところが最大の特徴なんだと思います。それと値段も安めで手が出しやすいのも特徴かも。

TREKのVerve+。価格は21万3000円。カラーは1色でサイズはS/M/Lの3種類。重量はMサイズで20.57kg
ドライブユニットはボッシュのActive Line Plus, 250W。バッテリーもボッシュのリチウムイオンバッテリー300Wh。航続距離はTourモードで65km、最長で100km
フロントギアはシングルで38T、リアディレイラーはシマノALVIO 9速でスプロケは11-36T。クルーズよりさらにローギア寄りです
ブレーキは前後ともシマノの油圧ディスクブレーキ。ローター径は前後ともに160mm
前後ともにフェンダーを標準装備するほか、前後LEDライトやスタンドも標準装備される
サイクルコンピューター部とハンドルにつくコントローラー。アシストモードはオフもふくめて5段階。表示はメインの車速のほかに、航続距離やオドメーター、走行距離、時計、最高速度、平均速度、走行時間などが表示可能

ドロップハンドルのヤマハ「YPJ-ER」とBESV「JR1」

 次はより特徴的なロードバイクタイプの自転車を試してみました。ドロップハンドルを付けたロードバイクタイプの自転車は2種類、ヤマハ「YPJ-ER」BESV「JR1」です。

 ヤマハについては「YPJ-ER」以外にもフラットバータイプの「YPJ-EC」や、フロントサスのついた「YPJ-TC」にも乗りましたが、共通して言える最大の特徴は、アシストの自然さに感じました。

 ヤマハはオリジナルのアシストユニット「PWseries SE」を使っているんですが、ペダルの回転数や踏み込みトルク、車輪の回転数などを細かくセンシングすることで、自然なアシストを実現しているようです。e-bikeは走っていると、特に軽ーくこいでいる様な状況で、アシストのオンオフや強度の切り替わりなどを意識させられることがあります。が、ヤマハはこれが少ないです。こぎ始めのアシストの入り方も自然だし、アシストが入りすぎてギクシャクするような印象もなくて、e-bikeに乗っていることを気づかせないような味付けを狙っているようです。

 フレームは、シートチューブと後輪のタイヤが、ロードバイクのフレームとしては少しすき間がある印象で、クロスバイクのフレームに近いように見えますが、走り初めてみると、ドロップハンドルと相まってロードバイクらしいこぎ味が楽しめます。ただしタイヤは35Cと太めなので、乗り味はマイルド。コンポーネントもティアグラなので、本格的なロードバイク乗りからすると、少しもっさりした感じを受けるかもしれません。

フラットバータイプの「YPJ-EC」(26万円)。コンポーネントはシマノSORAでギヤは2×9速。フレームサイズは3種類でMサイズの重量は19.8kg
フロントサスに前後フェンダー、荷台もついた「YPJ-TC」(30万円)。フレームサイズは3種類でMサイズの重量は22.6kg
ドロップハンドルタイプの「YPJ-ER」(32万円)。フレームサイズはS/M/Lの3種類でMサイズの重量は19.6kg
ドライブユニットはヤマハのオリジナルの「PWseries SE」。36V-13.3Ahバッテリーでスタンダードで111km、最長で242kmアシスト可能
コンポーネントはシマノティアグラでフロントが50T/34Tのダブル、リアは11~32Tの10速とややワイドながら標準的なギヤ比
前後ともシマノのフラットマウントタイプの油圧ディスクブレーキを採用。ローター径は前後とも160mm
ドロップハンドルがつく
モード切替えのコントローラーはステムの隣あたりに配置される
フロントLEDライトを標準装備
ホイールはセミディープタイプ。タイヤは35Cとロードとしては太め

 BESV JR1はとにかく見た目が普通のロードバイク風なのが特徴です。というのもBESVはデザインにこだわっていて、バッテリーがフレームと一体形状になるようにデザインされています。なので、ダウンチューブが太めのロードのフレームに見えるワケです。さらにシートチューブと後輪とのすき間もとても少ない。このすき間の少なさがロードバイクのフレームの特徴なんですが、e-bikeの場合、アシストユニットがBBの部分(ペダルのクランクの付け根)に入るため、シートチューブとタイヤのすき間が広くなりがち。ところがJR1の場合、モーターアシストユニットが後輪軸上にあるので、ジオメトリーが一般的なロードバイクとほぼ同じように見えるワケです。

 乗った印象もまさにこのとおりで、ロードバイクらしいダイレクト感のある軽快な走りが楽しめます。タイヤも25Cと細く、さらにコンポーネントもシマノの105グレードが採用されているので、シフトチェンジも小気味よく決まって、あぁロードバイクって楽しいなぁと素直に感じられます。

 アシストについては、停車中にペダルに足を置いているだけでは反応せず、こぎ始めると一瞬遅れてアシストが始まる感じ。実は同社のミニベロタイプにも乗ったのですが、こちらはペダルに足を置いているだけでグイグイと前に行こうとします。この違いをメーカーの人に聞いてみたところ、車両の特性によって制御を変えているんだとか。

 走り出しからアシストに積極的に頼りたいミニベロでは、ブレーキにセンサーを仕込んで、ブレーキを掛けている時はアシストしないけど、離せば積極的にアシストするという仕組み。それに対してロードバイクタイプのJR1は、走り出しはあくまで人力で、モーターはあくまで補助という考え方なのだそう。なるほど、たしかに自転車の基本性能が高いからこそのアシストの仕方なのかもしれません。

 とは言え、アシストが入り始めると結構力強くアシストします。低速だと逆にアシストが強すぎて少し不自然さを感じるほど。グリップ部分に配置されたスイッチで、ハンドルを握ったままアシストの強弱を切り替えられるので、普段はアシストを最小にしておいて、上り坂などアシストが欲しいときにマニュアルで操作するような使い方がよいのかもしれません。

 自転車としては今回乗った中ではもっともロードバイクっぽい乗り味なので、アシストがなくなる24km/h以上ではもっとも走りやすいe-bikeなんじゃないかと思います。

この夏発売予定のBESVのJR1。予価は27万6000円。カラーは2色。重量は16kg
ドライブユニットはリアハブにオリジナルのモーターを搭載
バッテリーはフレームと一体デザイン。366V 7.0Ahのリチウムイオンバッテリーで最大走行可能距離は100km
メイン電源もフレーム一体のデザイン
コンポーネントはシマノ105でフロント2速、リア11速。試乗車には旧5800系の105が装着されていたが市販モデルには最新のR7000シリーズが装着されるとのこと
前後ともシマノのフラットマウントタイプの油圧ディスクブレーキがつく。ローター系は前後とも160mm
FSAのドロップハンドル。STIブラケットの下あたりに左右スイッチがつき、ハンドルを握ったままモードを変更することができる
サイクルコンピューター部。コンパクトだがカラーで表示
タイヤは25Cとロードバイクらしい細身のタイヤだ

 今回いろいろなメーカーのe-bikeに乗ってみましたが、紹介したすべての自転車で、あえてアシストをオフにした状態でも走ってみました。結論としてはいずれも普通に走ることができました。さすがに重さはあるのでスポーツバイクそのものとは言いませんが、モーターがフリクションになることもありませんし、そこらのアシスト無しの街乗り自転車よりはずっと軽快に走ることができます。

 たとえば電動バイクなら航続距離はもっと短いしバッテリーが上がれば押すことしかできません。その点e-bikeなら100km程度の航続距離があって、さらにバッテリーが切れても普通に走れちゃうし免許もいらない。ワタクシも最初はスポーツバイク視点で試乗しましたが、じつはキャリア付きのモデルなどで、道具として見てみるとまた違った可能性が感じられました。

 これまでの経験や走るシチュエーションでもベストな選択は変わると思いますし、さらに言うと、e-bikeを持つと走る場所自体も変わってくると思います。なので、たとえばミヤタのクルーズやリッジランナーなら、会場となった道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」でレンタルをしていますし、他のメーカーもいろいろ体験できる機会を設けているので、まずは触れてみてはいかがでしょうか?

体重はどうよ?

 ちなみに地面に落ちた左腕はサイクルジャージのおかげで数日で痛みも減りましたが、おそらくハンドルからの入力で右手の親指も痛めました。骨折はしなかったものの最初は箸を持つこともできない状態。1ヶ月たってだいぶよくなってきましたが、おかげで今月は全然自転車に乗れていません。たぶんあと2週間ぐらいは乗れなさそう。

 ただ、体重に関してはそれでもやや微減している感じです。最近はいよいよ80kg台に突入することも。やっぱり夏が近づいて、なにもしなくても減るのかもしれませんね。

体重は緩やかに減少中。でも70kg台にはなかなか入りませんな
ここ3ヶ月間の体重の遷移。一応ちゃんと減ってますよね

 それと全体的に筋肉質になってきている気がします。太ももなどはもちろんですが、上半身でもいままでただの水風船みたいにパツンパツンでプニプニなだけだった腕に、気がつけばチカラコブの影が……。さらに奥さんに言わせると二の腕も筋肉質で太くなったとのこと。

 以前のフラットバーハンドルの時と比べると、ドロップハンドルは全身でこぐ印象で、逆に言うと上半身も疲れるなーと思っていたんですが、その辺の効果が表れているのかもしれませんね。それに昔は頭痛につながるぐらい肩こりがひどかったですが、最近はそこまでひどくなることもなくなりました。体重以外でも健康的になっている気がします。

瀬戸 学