ニュース

パナソニックのエアコンは「自動分解」へ、家電リサイクル加速

「エアコン外装自動分解設備」と型番読取端末

パナソニック ホールディングスは27日、不要になったエアコンのリサイクルに活用できる「エアコン室外機外装自動分解システム」を開発したと発表した。パナソニック エコテクノロジー関東および三菱マテリアルとの協力で実現したもので、既に実証評価は完了。今後は対象機種の拡大や生産性向上を進め、パナソニックのリサイクルプラントへ普及させていく予定。

同システムは、エアコンの室外機をロボットで分解する「エアコン外装自動分解設備」と分解に必要な情報を蓄積する「分解データベース」を組み合わせたもの。「エアコン外装自動分解設備」は、AIを活用した認識技術と、正確な位置決め制御および人の手技を再現するロボット制御技術を用いてエアコン室外機外装のビス外しとカバー外しを自動で行なう設備。一方の「分解データベース」は、分解ラインに投入されるエアコン室外機の情報を型番ごとに蓄積することで、設備の稼働率向上など分解工程自動化における基盤となる。

回収されたエアコン室外機

「エアコン外装自動分解設備」では、エアコン室外機をカメラで撮影し、汚れやサビがあるビスをAIを用いて正確に見つけ出し、ドライバーを備えたロボットアームでビスを外す。その後、人が行なう動きを再現する把持ハンドでカバーの嵌め込みを外して分解することで、分解工程の一部の自動化を実現。デザインや状態が異なるエアコン室外機のビスを正確に認識して取り外すことが可能とする。

様々な状態のビス

「分解データベース」では、三菱マテリアルのAI-OCR技術によりラベルから読み取った型番と、自動分解設備から取得したエアコン室外機のビス本数や位置など分解に必要な情報を紐づけて蓄積。「分解データベース」に登録済みとなったエアコン室外機は、ビスの誤認識によるロボットの無駄な動きを削減することで分解効率が向上するという。

これにより、「エアコン外装自動分解設備」を使い続けることで「分解データベース」への登録機種数が増え、分解動作が進化していくシステム「エアコン室外機外装自動分解システム」を構築。人手に頼っていた工程の自動化によって、作業負荷を軽減できる。

パナソニック ホールディングスは今後、対象機種の拡大や生産性向上の取り組みを進め、将来的には同社グループを含めた全国のリサイクルプラントへの普及を進めることで、持続可能社会の実現に向けた企業活動を推進していくという。

自動分解後のエアコン室外機