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「発電するガラス」パナソニックが窓と一体の太陽電池を実用化へ

ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池

パナソニック ホールディングスは、「ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池」のプロトタイプを開発し、技術検証を含めた1年以上にわたる長期実証実験を開始したことを発表した。

ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池は、ガラス基板上に発電層を直接形成する「発電するガラス」。窓やバルコニーの建材として様々な建築物への利用を目指して開発された。同社独自のインクジェット塗布製法とレーザー加工技術を組み合わせることで、サイズや透過度、デザインなどの自由度を高めカスタマイズにも対応可能とする。

従来の結晶シリコン系の太陽電池と同等の発電効率を有し、実用サイズ(>800cm2)のモジュールとして世界最高レベルの発電効率(17.9%、第三者測定機関による認証効率)を達成。

バルコニーへの設置の様子

開発背景として、同社は「カーボンニュートラルの実現に向け、さらなる再生可能エネルギーの創出手段として太陽電池の普及が求められている。しかし日本のような平地面積が少なく建物の屋上も設置面積が限られるところでは、建物の窓や壁面等を利用した発電が不可欠」と説明。しかし従来の結晶シリコン系の太陽電池では、透光性やデザイン面の観点から窓などのガラス部へ設置が課題だったという。

パナソニック ホールディングスのガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池はこれらの課題を解決し、都市部を含めた太陽電池の設置場所の大幅な増大に貢献できるものとしている。

「発電するガラス」の利用イメージ(CG)