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廃家電の「自動解体システム」パナソニックが開発

使用済み家電製品の解体作業の効率化を目指し「廃家電自動解体システム」を開発した

パナソニック くらしアプライアンス社は、パナソニック プロダクションエンジニアリングと平林金属の協力の下、「廃家電自動解体システム」を開発した。

家電リサイクル業界では、リサイクル量が増加する一方で、工場での労働人口の減少や、繁忙期に集中する作業不可などの課題を抱えているという。パナソニックは手作業が多い解体作業を機械化し効率化することで、より安定的で継続的な家電リサイクルを実現するとしている。

「廃家電自動解体システム」は、家電製品のリサイクルにおいて、投入から部品ごとの解体まで一貫処理可能なシステムとして業界初だという。今後、回収量の増加が見込まれるエアコン室外機に焦点を当て開発した。

最も時間がかかる室外機カバーからコンプレッサー外しまでの工程を、高速で連続解体。さらに、室外機の底板と背面を高強度に保持して固定する独自機構により、ロボットアームで部品を挟んで解体することが可能になった。

メーカー、生産年などにより状態が異なる室外機に対し、部品ごとに分けて取る高品位な解体を実現するとしている。

固定機構のCAD画像

解体にはロボットアームを使用。操作が難しいロボットアームの斜め方向の動きも、簡単にマニュアル操作できる独自のユーザーインターフェース(UI)を開発。引き剥がし解体の複雑な動作のパターン化により、解体工程の自動化を実現した。

同社では本システムの実証評価を進めるとともに、解体対象の使用済み家電製品の拡大も視野に入れながら開発を推進し、さらなる資源循環に向けて貢献するとしている。