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電気代値上げの夏、我慢しない「快適な節電法」をパナソニックが伝授
2023年6月26日 15:30
6月からの電気料金値上げにより、冷房の利用を我慢しようとする人は多い。パナソニックの調査では、約44%の人が「今年の夏は節電のため、冷房の利用をガマンしようと思いますか?」との問いに「強く思う」と回答した(n=1,106)。
一方で消防庁の発表によると、直近6月5日~6月11日の期間に900名が熱中症により搬送された。これは2022年の同期間の約1.5倍。パナソニックは2023年は熱中症になる人が増加傾向にあると見ており、「この夏、がまんをしない省エネを」と題し、熱中症対策や節電と快適性を両立するエアコン活用術を紹介している。
熱中症は温度だけでなく湿度にも注意!
医師の清益功浩先生によると、睡眠不足の状態は熱中症リスクを高める可能性があるという。睡眠不足になると眠気や疲労を感じるだけでなく、運動時に体温が上昇しやすく発汗量も増えやすいため、体内の水分が減少し熱中症が引き起こされる可能性があるそうだ。
そのため、暑い時期は睡眠環境を整え、しっかり眠ることが大事だとアドバイス。夜間はエアコンをつけっぱなしにすることも提案している。
また日頃から我慢をせずにエアコンを使用することも重要だと清益先生は語る。ただ「我慢をしない」とは言っても基準は人それぞれ。何か目安になるものはあるか聞いた。
「熱中症には温度だけでなく、湿度も関係します。気温や室温がそれほど高くなくても、湿度が高いと熱中症リスクが高まるため、不快指数と呼ばれる温湿度の指標を参考にするといいでしょう」(清益先生)。室内では温湿度計などを設置してこまめに確認し、エアコンの設定温度を下げるなどして適切な環境に調節するのがよさそうだ。
エアコンだけじゃない、体感温度を下げる方法とは
実際の家庭では、エアコンの設定温度をどれくらいに設定しているのだろうか。パナソニックのIoTエアコンが取得したログデータによると、2022年6~8月の東京では約70%の人が26℃以下に設定していることが明らかになった。最も多かったのは26℃で、全体の26.6%だそうだ。
パナソニックのエアーマイスター・福田風子さんによると、エアコンの設定温度を26℃から27℃へ1℃上げるだけで、ひと夏で最大1,400円の節約になるという(同社製エアコン14畳モデル・CS-J403D2の場合)。
とはいえ、設定温度を上げると快適さが損なわれることもある。そこで同社は、我慢せずに節電するコツを、人の快適性を決定する「PMV(Predicted Mean Vote)」の指標に着目して紹介している。
PMVには「温度/湿度/放射/気流/着衣量/活動量(代謝量)」の6要素が含まれる。人が暑さ/寒さを感じる際にはこれらの要素が大きく関わっているのだという。着衣量を例に挙げると、室温28℃時にクールビズのように軽装でいるのと、26℃時にスーツを着用するのとでは、体感温度が同じになる、つまり着衣量によって体感温度が変わるということ。
家庭で取り入れやすい方法には、エアコンと扇風機の併用などがある。気温27℃の環境で、風速を0.2m/秒から1.2m/秒へ上げると、体感温度は24.4℃から22.7℃へ約1.7℃下がるという。扇風機の風量「中」が風速1m/秒程度と言われているため、設定温度を1℃上げても扇風機で風を浴びると体感温度はあまり変わらず、快適に過ごせるようだ。
またエアコンの設置位置も快適性に影響を与えるという。長方形の部屋では短辺に設置することで、部屋全体に冷たい風を届けられる。大きな部屋で2台設置する場合には、向かい合わせにするのではなく横に並べて設置するとエアコンの気流を効果的に活用できるとしている。
しかし、エアコンの設置位置を後から変更することは難しい。自宅のエアコンが上述したような位置に設置されていない場合は、サーキュレーターを活用するのがおすすめと福田さんは解説する。
長方形の部屋で長辺にエアコンが設置されている場合、冷気はエアコンの正面に滞留してしまう。そこでエアコンの正面にサーキュレーターを置き、冷気が届かない方向に向けて送風することで冷気のムラをなくし、部屋全体を快適にすることができるという。
このほか、湿度を調節することでも体感温度を下げられる。これまで「冷房をつけているのになぜか蒸し暑い」といった経験はないだろうか。福田さんによると、エアコンは設定温度になると冷房運転を止めるため、同時に除湿も止まり、湿度が徐々に上がってしまうのだという。
パナソニックの「エネチャージ 極上冷房」は設定温度到達後もごく弱い冷房運転を継続するため、湿度上昇を抑え、快適な環境をキープできるとする。
以上のように気流などPMVの要素を調節することで、設定温度を上げても快適に過ごせるようになるという。この夏はエアコンの温度設定だけでなく、身に着ける衣類や扇風機/サーキュレーターの風、部屋の湿度などを意識しながら、我慢しない「快適な節電」を実践してみるのもいいだろう。