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髪悩み多めアラサーの救世主。ダイソン新スタイラーが良い感じです
2022年6月17日 07:30
ダイソンが約3年ぶりに新しいヘアスタイラーを発売しました。「Dyson Airwrap(エアラップ) マルチスタイラー」という製品名です。同社のスタイラーは、コアンダ効果で髪が自動的に巻き付く点が特徴で、新モデルではアタッチメントが進化。
これまでは巻く方向(内巻き/外巻き)によって、カーラーアタッチメントを付け替える必要があったのですが、新モデルでは1本のカーラーで内巻き/外巻きを作れるようになりました。
この進化がかなりの感動ポイント。一足先に製品を体験したので、「毛量多め・広がりやすい・伸ばしかけでハネまくり・うねる・パサつく」と髪悩みが多い筆者的にどう使いやすくなったか、ヘアスタイル別のオススメアタッチメントなどを紹介したいと思います。また、エアラップを開発したエンジニアにも特別にインタビュー。開発背景や秘話も伺いました。
エアラップ新モデルは、6種類のアタッチメントが付属し、カールヘアからストレートヘアまで多彩なスタイリングができるほか、ドライヤーとしても使用可能。
アタッチメントの内容は、「Airwrap カーラー(30mm/40mm)」「スムージングドライヤー」「スムージングブラシ(ソフト/ハード)」「ラウンドボリュームブラシ」。
カーラーの長さはショート用とロング用があり、購入時に選べるようになっています。計6つのアタッチメントがついて、価格は63,250円。
「カーラー付け替え問題」を解決
まずはカーラーから使ってみました。髪が肩に掛かるくらいの筆者は、ショート用とロング用どちらを使えばいいのか悩みましたが、スタッフさんから「ロング/30mm」をオススメされたのでそちらを使用。
風量は3段階、温度は2段階と冷風に切り替えられるので、風量・温度ともに最大にしました。電源をオンにして毛束をカーラーに近づけると、クルクルと髪が巻き付いていきます。
このときに、従来モデルだと内巻きにしたいときは内巻き用のカーラーを使わなくてはいけないのですが、鏡を見ながらスタイリングしていると、どっちが内巻きなのか筆者はよくわからなくなっていました。
エアラップはこれまでにない、温風でカールを作る製品。プレートで髪を挟んでカールを作るヘアアイロンとは使い勝手がかなり違います。ヘアアイロンの場合は、巻く方向が違うなと思ったら手首を反対に返すだけなので感覚的に使えるというメリットがあったのです。
一方従来モデルのエアラップは、巻く方向が違うと思ったらその都度カーラーを付け替える必要がありました。
それが新モデルだと、カーラー先端のクールチップを回転させるだけで、巻く方向を切り替えられるように。使っている最中に、巻きたい方向と違うなと思ったらクールチップをひねればいいので、カーラーをわざわざ付け替える必要がありません。
これが本当に大きな進化で、従来モデルのカーラーも風向きを示す矢印がついていましたが、それでも左右がわからなくなることがしばしば。カーラーの付け替えが不要になっただけで、新モデルははるかに使い勝手が良くなりました。
仕上がりも満足で、ざっくり毛束をとってカーラーに巻き付けただけですが内巻きに。髪があまり長くないので40mmのカーラーだとあまりカールが付きませんでしたが、髪が長い人は40mmのカーラーもオススメのようです。
筆者は現在、ショートヘアから伸ばしている状況で、肩に掛かるくらいの長さなのでハネやすいという悩みがあります。また、ショートヘアにしたときにかなり短く切った部分があり、そこがまだ短いため寝癖も付きやすい状態です。
毛量も多いのでヘアアイロンで髪をセットしようとすると、少量ずつ取った毛束に何度もアイロンを通さないとキレイなクセが付きません。それがエアラップならざっくり毛束を取ってもカーラーに巻き付くので、毛量が多くても短時間でスタイリングできます。
ヘアアイロンの温度は180℃や200℃が当たり前ですが、エアラップは風温が最大でも150℃とかなり低いのも特徴。髪へのダメージが少ないほか、暑いこの時期に使っていても汗をかかないというメリットがあります。
エアラップは濡れた髪にも使え、その方がさらに熱ダメージを軽減できるようです。一般的なヘアアイロンは、過度な熱で髪の水素結合を切って再結合することで新しい形にリセットしています。
一方エアラップは、濡れた髪の水素結合が切れている状態を利用でき、熱と風を組み合わせることで低い温度でもスタイリングできるのです。カールを付けるときなどは、完全に濡れた状態ではなく、ミストなどで髪を湿らせてからスタイリングするのが良いとのこと。
髪を乾かしながらスタイリングするため、カールやストレートなどクセを付けやすいほか、過度な熱に頼らず仕上げられるといったメリットがあります。髪の健康にもこだわった製品なので、新モデルで「カーラー使いづらい問題」が解決したのは本当にありがたい進化でした。
ストレートヘアにできるブラシも進化
このほかのアタッチメントも進化しており、1台で多彩なヘアスタイルを可能にします。
ブラシ付きドライヤーのように、ストレートヘアにできるアタッチメント「スムージングブラシ」もコアンダ効果を活用。コアンダ気流が髪を引き寄せて整え、なめらかなストレートヘアを実現します。
従来モデルより改良され、新モデルでは空気が流れるスリットが2つから3つに増加。たくさんの空気を送り込め、髪を引き寄せてよりストレートヘアへ導けるようになりました。
従来のブラシと比較してみましたが、新モデルの方がブラシでとかしたときの風圧をより感じられます。1ストロークでしっかりまっすぐになりました。こちらもヘアアイロンより多くの毛束を一度にキャッチできるので、短時間でストレートヘアに仕上げられます。
ブラシはソフトとハードの2種類付属。ソフトは頭皮に優しいピンがついており、ハードは毛量が多くてもしっかり髪をキャッチできる点が特徴です。どちらも使いましたが、毛量が多い筆者はやはりハードの方が好みでした。髪をしっかり引っ張っている感があります。
浮き毛を抑える「スムージングドライヤー」
ドライヤーとして使えるアタッチメント「スムージングドライヤー」は、浮き毛抑制モードも付いて1台2役に進化。アタッチメント先端のクールチップを回転させることで、ドライヤーと浮き毛抑制モードを使い分けられます。
浮き毛抑制モードは、コアンダ効果で長い髪をアタッチメント表面に引き寄せ、短い髪を内側に隠して浮き毛を目立たなくするもの。髪を乾かすときは、ドライヤーモードで全体を乾かし、仕上げとして浮き毛抑制モードを使うとより効果を感じられるそうです。
浮き気抑制は、アタッチメントの突起部分を毛束に平行になるように撫で付けます。浮き毛は完全にはなくなりませんでしたが、使ってみて気付いたのは髪全体のボリュームがダウンしていること。
毛量が多く広がりやすい髪質なので、普段からどうやってボリュームダウンさせるか試行錯誤しているのですが、浮き毛抑制モードは髪がストンとまっすぐになるのも魅力的でした。
2つのカーラーを1つにしたかった
製品の発売に伴い、エアラップを開発したエンジニアのフレッド ハウ氏が来日。開発背景や秘話を伺いました。
「エアラップを最初にローンチしたのは約3年前ですが、新モデルのカーラーに辿り着くまでには6年掛かりました。最初に発売したとき、カーラーが巻く方向によって2つに分かれているのはどうなのかと思う部分は正直ありました」とフレッド氏は話します。
初代モデルのローンチ時、カーラーは短いもののみでしたが徐々に増え、長めのカーラーや、太さが20mmの細いカーラーも投入。
「さまざまなカーラーを投入しましたが、私たちは新しい商品を出してもそこで満足しません。完成後はすぐに次のモデルのことを考え、どこを改良できるかまた開発に戻ります。そうした行程の中でカーラーを再設計しようと決め、今回のカーラーにたどり着きました。
1つのカーラーで巻く方向を変えられることで、スタイリングの幅を広げられます。カールをミックスしたスタイルも作りやすくなりましたし、色々試してもらいたいですね」
カーラー以外にも、浮き毛を抑える「スムージングドライヤー」が1台2役になりました。サステナビリティという観点もあるそうですが、「1つのアタッチメントでできることが多い方が、付け替えの手間もないですし使いやすさにつながると考えました」とフレッド氏は話します。
「スムージングブラシではストレートヘアも作れ、エアラップはスタイリストを1つの箱に詰めたような製品だと思っています。1台でさまざまなヘアスタイルが作れますが、そのために私たちはたくさんの研究をしました。
さまざまな髪質の人の、ヘアスタイルに関する悩みを解決したいと思っており、世界中の髪質だけでなく、地域で異なる流行のヘアスタイルなども研究しています。アタッチメントは複数あるので、色々試して自分に合った使い方を見つけてもらいたいですね。もちろん、アタッチメントをちゃんと使ってもらえるように、それぞれの効果的な使い方を説明するのも私達の使命だと思います」(フレッド氏)