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パナソニック、コンパクト大風量に進化したナノケアドライヤー
2022年7月22日 11:23
パナソニックは、ヘアードライヤー「ナノケア EH-NA0J」を9月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は39,000円前後。
ナノケアシリーズ史上最大風量を実現したドライヤー。コンパクトな新デザインを採用し、吹出口がより頭部に近くなったことで髪だけでなく頭皮のうるおいも向上させるという。
ヒーター周辺の設計を見直し、部品を小型化。ヒーターの体積を約50%小型化し、従来機「EH-NA0G」(2021年発売)と比べて本体の体積を27%削減。本体の重さは595gから550gへと軽量化した。
部品の配置や風の流れを最適化することで、ナノケアシリーズで最大風量という1.6m3を実現。吹出口には速乾ノズルを内蔵。強弱差のある風を生み出すことで、ぬれた毛束がほぐれやすくスピーディに乾かせるという。
コンパクト化したことで、高浸透ナノイー&ミネラル吹出口が従来よりも頭部に近くなった。これにより、頭皮のうるおいが約20%向上。髪の水分増加量も改善し、しっとりする仕上がりへの満足度が高まるという。
本体内部には環境温度センサーに加え、新たに風温センサーを搭載。2つのセンサーにより温度ムラを軽減し、過度な熱を抑えるという。
搭載モードは温風/冷風のほか、自動で温/冷風を切り替える「温冷リズムモード」、地肌にやさしい約60℃の温風の「スカルプモード」、周囲の温度にあわせて温/冷風を切り替える「毛先集中ケアモード」、顔に当ててうるおいを保つ「スキンモード」。風量設定は3段階(スキンモードは「弱」のみ)。アタッチメントは根元速乾ノズルとセットノズルが付属する。
本体サイズは148×74×221mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約550g。電源はAC100V。消費電力は1,200W。本体カラーはディープネイビー、ラベンダーピンク、ウォームホワイトの3色。
確実なパワーアップを感じた新製品
メディア向けに行なわれた発表会では、パナソニック ビューティ・パーソナルケア事業部 ビューティ商品部 ヘアケア技術開発課 主任技師の菊池勇人さんが、新製品の改良点について解説。菊池さんによると、新製品の進化したポイントは2つあるという。
1つめはヒーター製造技術の進化。ヒーター線をこれまでよりも高密度に巻くことで小型化を実現したわけだが、金属でできているヒーター線を細かく巻くためには、曲げる力や曲げた後に戻ろうとするバネ力を考慮するなど、加工するうえでは高い精度が求められるという。この製造上のハードルについて「日本のものづくりと製造工場の衆知を集め、乗り越えました」と菊池さんは語る。
【訂正】記事初出時、新旧2モデルの内部ヒーターの画像と説明文が逆になっていました。お詫びして訂正いたします(7月22日12時20分)
進化ポイントの2つめは、風をコントローする流体技術。菊池さんによると、小型化に伴って内部製品の密度が増えたことで風が流れにくくなり、熱がこもりやすく部品が発熱してしまうという課題があった。ハンドル部にも回路を搭載しているため、髪を乾かす風、ナノイーを含む風に加え、ハンドル部を冷却する風が必要となり、給気口から吸い込んだ風を3分割して送風することに。
しかし風を3つの送風路に分けることで、髪を乾かす風が弱くなってしまう。そこで流体解析やハイスピードカメラを用いた風の分析と、風による髪への効果を検証し、効果と速乾性のバランスがいい風を生み出すことに成功したとする。
実際にドライヤーを使用してみると、風量1.6m3という数字以上にしっかりとした風圧を感じ、頭皮にもしっかり風が届く感触がある。筆者宅ではナノケアの数年前のモデルを使用しているが、確実にパワーアップしていると感じた。上述した通り、ハンドル部にも部品を搭載しているため本体を折り畳むことができなくなったが、コンパクトな新デザインはそのままでもあまり場所を取らなそうだ。
なお、6月9日にダイソンが同社のドライヤー「ナノケア EH-NA0G」の広告が不正競争防止法に違反するとして提訴した件について、パナソニック ビューティ・パーソナルケア事業部 マーケティング統括 国内マーケティング部 部長の神本暁さんは以下のようにコメントした。
「ナノイー技術に関しては20年以上の研究の歴史があり、そのなかで第三者の知見とともに開発を進めてきた。私達の主張をしっかりと裁判の中で明らかにしていきたい」
また今回の提訴が広告表現に関する内容であったことから、今後の製品の訴求方法への影響について問われると、神本さんは「製品の訴求については、従来からきちんとエビデンスをもってやっていることなので、これまでと特に変えることはないというスタンスです」と語った。本件に関して同社は7月19日にコメントを発表している。