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ウイルス除去や消毒をうたうアルコールなどの商品に、国民生活センターやAmazonが注意喚起

独立行政法人 国民生活センター

独立行政法人 国民生活センターは、除菌や消毒をうたう商品について、正しい知識で利用するよう呼びかけている

同センターによれば、新型コロナウイルスの感染拡大により、除菌・消毒用のアルコール液剤(ジェル状の商品含む)の需要が増え、ドラッグストアなどの店頭で品薄となっている。その一方で、インターネット通信販売サイトで除菌や消毒をうたう商品を検索すると、様々な成分を含む商品が販売されている。

製品の中には、アルコールの中でも人体への毒性が高いメタノールを主成分として含有する商品もみられ、手指の除菌には適していない成分を含む商品が、手指にも使えるかのように表示/販売されていることもあるという。

そうした中、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)には、新型コロナウイルスに関連したうち、除菌や消毒をうたう商品についての相談件数が増加している。今年1月の相談件数が3件だったのが、2月は67件、3月は375件、4月は392件となっている。

こうした状況下で国民生活センターは、改めて「除菌」や「消毒」についての正しい知識を備え、製品を購入するように呼びかけている。

以下にその概要を記したが、詳細については国民生活センターやAmazon.co.jpなどを参照していただきたい。なお、Amazon.co.jpでは、外部の安全情報提供機関・団体と連携した「Amazonあんしんメール(連想型購買後注意喚起)」を特定商品の購入後に配信しており、これを確認するよう案内されている。

国民生活センター
除菌や消毒をうたった商品について正しく知っていますか?-新型コロナウイルスに関連して-

Amazon.co.jp
除菌・消毒用商品の安全な使用について

消費者へのアドバイス

国民生活センターは、前提として、手指からの新型コロナウイルスの除去方法として、流水と石けんを使った手洗いが有効だとしている。その際に、アルコール消毒液を使用する必要はない。アルコールを使った消毒は、流水と石けんでの手洗いができない時に有効。

食器・ドアノブ等の身近なものの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを薄めて拭いた後に、水拭きすることを推奨している。

除菌や消毒をうたうような商品を購入する際や使用する際は、成分は何か、使用してもよい場所はどこか、希釈して使用する商品なのかなど、広告や表示をよく確認してから使用する。

メタノールは人体への毒性が高いものなので、消毒用として絶対に使用しない。

手指からの新型コロナウイルスの除去方法として、流水と石けんを使った手洗いが有効

除菌や消毒をうたう商品に含まれる成分を確認する

【アルコール類】
消毒に用いるアルコールは、通常、70%のエタノールなどが使用される。メタノールは人体への毒性が高いものなので、手指の消毒には絶対に使用してはいけない。

【次亜塩素酸ナトリウム】
次亜塩素酸ナトリウムは、家庭用の塩素系漂白剤の成分。身近なものを消毒するためには、水で0.05%に薄めて拭いたあとに水拭きをしましょう。噴霧については、絶対に行なわない。

なお次亜塩素酸ナトリウムは、換気、家庭用手袋の着用、他の薬品と混ぜないことなどを守って使用する。

次亜塩素酸ナトリウムは、水で0.05%に薄めて使用する
次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする製品例と、各製品を使った場合の0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液の作り方(国民生活センターのニュースリリースより)
「評価中」または「有効性が確認できていない」成分

【次亜塩素酸水】
次亜塩素酸水は、新型コロナウイルス対策として消毒に活用することについては、現時点では評価中。

【第4級アンモニウム塩】
塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムなどの第4級アンモニウム塩は、医薬品や医薬部外品の消毒剤の有効成分。だが、新型コロナウイルス対策として消毒に活用することについては、現時点では評価中。

【二酸化塩素】
二酸化塩素は、新型コロナウイルス対策として消毒に活用することの有効性については、現時点では確認されていない。