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顔認証で自動開閉、会話や情報提供もしてくれるスマート玄関「未来ドア」
2018年4月25日 16:24
YKK APは、AIや顔認証システムを搭載した未来ドア「UPDATE GATE(アップデート ゲート)」を発表した。4月26日から、YKK APショールーム新宿 特設ギャラリーで一般公開される。見学者の意見などを取り入れ、機能を精査後、2020年の発売を予定しているという。
「UPDATE GATE」は、AIや顔認証システムを搭載した未来ドア。同社内で「未来窓プロジェクト」として発足し、2016年に第1弾の住宅用窓ガラス「未来窓」を発表、今回の住宅用玄関ドア「UPDATE GATE」は第3弾となる。
未来窓プロジェクトの背景として、YKK AP 執行役員 副社長 菅間信太郎氏は「新設住宅の着工数が減少しているという市場動向を受け、製品を高付加価値化することで、需要を創造したいと考えています。普段は意識することのない空気のような存在である、窓やドアにセンサーやAIを組み込むことで、新しい価値を創造したいと『未来窓プロジェクト』を開始しました。
今回発表した未来ドア「UPDATE GATE」は、"外へ出る時に必ず通る一等地"である玄関ドアに、顔認識機能や防犯機能、外出時に必要となるだろう情報をお伝えする機能を盛り込んでいます」と語った。
「UPDATE GATE」は、室内外の両側にカメラ、マイク、スピーカー、人感センサーを備える。AIを搭載し、顔認証、音声認証が可能なほか、Wi-Fi機能で室内の機器と通信が可能。
これらのセンサーなどを利用し、顔認証済みの人物が通過する際に、鍵だけでなくドアそのものを自動開閉するほか、遠隔地からの開閉も可能。スマートフォンへ、子どもの帰宅通知や、認証外人物の来訪時は動画を送信できる。
認証済み人物の勤務先情報や予定、気象予報や交通情報と連動でき、対象人物の外出前には「会社周辺は雨ですので、折り畳み傘をお持ちになったほうが良いですよ」「体操着は持ちましたか」といった情報提示やリマインドも行なってくれる。
ドアに触れることでUIが出現し、宅内の家電を操作したり、特定の家族宛に伝言を録音することも可能。録音した伝言は、対象の家族がドアを通過するときに自動で再生される。
玄関ドアのデザインは、一度取り付けると交換しない限り変更できなかったが、液晶に投影することで気軽に好きなデザインに変更できる。クリスマスやハロウィンなどの季節行事とも連動可能だ。
ドア自体は、有機EL液晶を強化ガラスで挟んだ構造になっている。液晶や基盤の故障や劣化にも対応し、専門者によるガラスのオープンが可能なため、メンテナンス性も高いという。
現在のコンセプトモデルには、操作可能なドアノブ、錠は搭載されていないが、停電時などに備え錠を付けることも予定しているという。
同社「未来窓」プロジェクト担当 事業開発部 部長 東克紀氏によれば「ドアの通過時に、わざわざ操作をせずに必要な情報やリマインドをしてくれる、家族一人一人にとって執事のような存在を目指して開発しています。今はまだ必要な機能を精査しきれていませんが、展示見学者の意見などを取り入れて精査していきたいと考えています」とした。
コンセプトモデルの全体サイズは、1,834×2,456×mm(幅×高さ)で、重量は約150kg。モニターは4K IPS液晶で、室内側が55インチ、室外側が49インチ。発売時には、AIなし、画面なし、錠なしといった複数のモデルを検討しており、価格はモデルによって130~200万円を予定しているという。