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東京電力、ソニーと共同開発した「TEPCOスマートホーム」をスタート

 東京電力は、家族の絆と安心を深める快適な居住空間を提供する新しいサービスとして「TEPCOスマートホーム」を本日よりスタートする。家族の帰宅状況や留守中の自宅の状況を外出先から確認できる「おうちの安心プラン」と、離れて住んでいる家族がいつどのような家電を使ったかを知らせることで、日々の暮らしぶりを確認できる「遠くても安心プラン」の2種類で、いずれも契約事務手数料が最初に3,000円かかる。月額使用料は、おうちの安心プランが月3,280円、遠くても安心プランが月2,980円。サービス対象エリアは、沖縄県、離島を除く日本全国で、東京電力と電気契約をしていない人も加入できる。

東京電力が本日よりスタートする、家族の帰宅状況や留守中の自宅の状況を外出先から確認できる「おうちの安心プラン」と、離れて住んでいる家族がいつどのような家電を使ったかを知らせることで、日々の暮らしぶりを確認できる「遠くても安心プラン」

 スマートフォンの専用アプリを利用して家族の状態を確認できるサービス。「おうちの安心プラン」はソニーモバイルコミュニケーションズと共同で開発したもので、両社は2016年8月23日にスマートホーム分野においてIoTを活用したサービスの開発と提供に向けた業務提供を締結している。なお、「遠くても安心プラン」に関しては、東京電力が単独でサービス開発したものとなる。

ソニーと共同開発した「おうちの安心プラン」

 「おうちの安心プラン」のコンセプトは「家が、家族になる」で、安心、便利、快適、楽しさを提供するサービスだとしている。具体的なサービス内容は、子供の外出・帰宅や留守中のドア開閉を知らせるほか、子供から親への呼び出しも可能。

スマートホームハブや、センサー、ブリッジ、スマートタグなどを使うことで、家族や自宅の状況をスマートフォンのアプリに通知する
子供の外出・帰宅や留守中のドア開閉を知らせるほか、子供から親への呼び出しも可能

 自宅にはソニーが開発した「スマートホームハブ」を設置し、センサーやブリッジ、各自が持ち歩くスマートタグを接続、ここで得た情報をアプリで通知する仕組み。これらのシステムは、全て東京電力が無料で設置、「ワンストップで、すぐに使えるサービスを目指した」(東京電力エナジーパートナー 常務取締役 田村正氏)という。なお、本来、設置作業量として18,000円が発生するが、2年間の連続利用を前提とした契約を結ぶことで、無料となる。

東京電力エナジーパートナー 常務取締役 田村正氏
本来、設置作業量として18,000円が発生するが、2年間の連続利用を前提とした契約を結ぶことで、無料となる

 1つのアプリに対して最大で7人まで登録可能となる。スマートタグは子供の帰宅や外出を通知するために用いるもので、カギやカバンなどに取りつけて使う。必要に応じて別途購入となり、価格は4,320円。本日から11月30日まで、契約事務手数料(3,000円)とスマートタグ2個(8,640円)が無料になるスタートキャンペーンを実施する。

スマートホームタグ。子供の鍵やカバンなどに取りつけることで、帰宅や外出状況を知ることができる
スタートキャンペーンとして、契約事務手数料(3,000円)とスマートタグ2個(8,640円)が11月30日まで無料になる

 東京電力エナジーパートナー 常務取締役 田村正氏は、今回のサービスについて「月額3,280円というのは、高額に感じるかもしれないが、今後更なるサービスの拡充を目指している。基本的にはオープンプラットフォームとし、他社との連携も積極的に進めていく」と話した。

 ソニーモバイルコミュニケーションズ IoTビジネスグループVice Presidentの渡辺潤氏は、「日本ではまだそこまでスマートホームが根付いていない状況。サービスの開発にあたっては、違和感なく操作できるようなデザインを心がけた。スマートホームの領域においては、自社で作るというだけではなく、いい物をもってきて組み会わせるという考え方が必要」と話した。

 また、「スマートホームハブ」については、無線アクセスポイントとしても使用できるなど、宅内でのネットワークを構築しているという。

ソニーが開発したスマートホームハブ。戸建てで360度に対応しており、1階に本体を置いても2階まで電波が届くような設計を採用している
ソニーモバイルコミュニケーションズ IoTビジネスグループVice Presidentの渡辺潤氏

 「自宅において、電波の接続が悪いとか、Wi-Fiが切れてしまうというトラブルはよくあるが、スマートホームに関してはそういうトラブルが、鍵が開かないといった大きなものにつながりかねない(今回は鍵の開閉に関するサービス提供はない)。スマートホームハブでは、電波に関する設計も含めてネットワーク構築している。通常の無線機器とは異なり、戸建てで360度に対応している。例えば本体を1階に置いた場合でも、2階まで電波が届くようにしている。さらにジャイロセンサーや、音圧センサーなど、ハブとセンサー含めて今後の拡張性を見据えて開発を行なっている」(ソニーモバイル 渡辺潤氏)

 また、アプリとハブをつなぐクラウドに関しても「家の中の情報が外部に漏れないように、認証、暗号化するような仕組みを作っている」という。

離れた家族の暮らしぶりを見守る「遠くても安心プラン」

 同時リリースした「遠くても安心プラン」は東京電力が独自で開発したサービス。自宅の分電盤にエネルギーセンサーを設置することで、家電の使用状況をスマートフォンに通知するというもので、離れて住んでいる家族の暮らしぶりを見守れるというもの。いつもと様子が違う時は通知するほか、心配なときには訪問でのサービスを依頼できる。分電盤の波形データを解析することで、どのような家電がどう動いたかを分析して、通知するという。

離れて暮らす家族の家電使用状況などから、暮らしぶりを見守れる「遠くても安心プラン」
分電盤に設置するエネルギーセンサー

 同プランに関しても機器の設置などのセットアップは全て東京電力が行なう。通常は設置作業量が18,000円かかるが、2年間の利用を前提として無料になる。また、本日より2018年1月14日まで契約事務手数料(3,000円)と月額料金(2,980円)が3カ月無料になるスタートキャンペーンを実施する。

家電の使用状況がアプリに通知される
1週間の家電の使用状況をまとめて見ることも可能

 「電気を供給している立場で、これまでは分電盤までが東京電力のサービス領域だった。その先になにができるかというのは、ずっと考えていたところ。空調の快適制御や省エネの観点など、エネルギーだけをみていたが、今後は顧客サービスの提供価値を考えていきたい」(田村氏)

新たなインフラ提供事業者を目指す

 東京電力エナジーパートナー 代表取締役社長 川崎敏寛氏は、今回の取り組みについて以下のように語った。

 「ソニーモバイルコミュニケーションズと組むことで、お客様に新しい価値を提供できるようになったことが非常に大きな価値がある。社会の変化をチャンスと捉え、IoT社会の新たなインフラ提供事業者を目指す。今後もお客様に選ばれ続ける事業者であるためにも、ソニーとさらなる検討を進めていく」

左から、東京電力エナジーパートナー 代表取締役社長 川崎敏寛氏、ソニーモバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長 兼 CEOの十時裕樹氏

 ソニーモバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長 兼 CEOの十時裕樹氏は「東京電力は安心・安全という顧客価値を提供しているが、ソニーではそこに快適や楽しさを加えることで、日本におけるスマートハウスの浸透を加速していきたい」と話した。