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スマホで操作可能な“未来の鍵”TiNK、アパマンショップと連携で100万台の設置を計画

 tsumugは、コネクティッド・ロック「TiNK」シリーズの第一弾となる「TiNK C」と、「TiNK E」を11月9日より発売する。TiNKは、スマートフォンをかざすだけで開錠可能なほか、キーのシェアや管理など様々なことが可能なコネクティッド・ロック。tsumugは、2015年にスタートしたベンチャー企業で、シャープほか様々な会社が支援を行なっている。

住宅各戸の玄関ドアに設置するシリンダータイプのコネクティッド・ロック「TiNK C」の室外機
室内機。バッテリー残量を示すインジケーターがついている

 住宅や周囲のインターネット環境に依存せずに使えるLTE搭載のコネクティッド・ロック。キーの解除方法は、テンキーやNFC、アプリなど、ユーザーが選べる。鍵は自動で施錠されるほか、キーのシェアや解除もアプリの操作で簡単にできる。また、一時的なキーの発行も可能。自身が外出しているときでも家の中に案内することができる。そのほか、アプリではキーの利用ログを確認したり、デバイスのバッテリー残量の通知、扉の振動などを確認できる。

アプリのキーの管理画面。キーのシェアや、解除も簡単な操作で可能
バッテリーの低下なども通知される

 本体価格は49,900円で、初期設定料金は9,800円、月額使用料金500円。tsumugでは、現在様々な会社との連携を進めており、それらパートナー企業経由での契約であれば、本体価格を無料にするキャンペーンなども実施予定だという。今回発売した「TiNK C」は、住宅各戸の玄関ドアに設置するシリンダータイプのコネクティッド・ロック、「TiNK E」は集合機に設置するタイプのコネクティッド・ロック。

本体価格は49,900円で、初期設定料金は9,800円、月額使用料金500円。現在様々な会社との連携を進めており、それらパートナー企業経由での契約であれば、本体価格を無料にするキャンペーンなども実施予定

 tsumug 代表取締役社長 牧田 恵理氏は、同デバイスの開発のきっかけについて自身の体験が基だったと話す。

 「数年前、帰宅後部屋に戻ったときにこれまでにない違和感があり、とても怖い思いをしました。不安な気持ちを抱えて、数日間を過ごしたのですが、結果、モトカレが私の鍵を勝手に複製し、家の中に複数回入っていたことが分かりました。今の鍵というのは、本人確認なしで、複製できてしまう。その仕組み自体に違和感を覚えて、安全で安心な鍵を作りました」

tsumug 代表取締役社長 牧田 恵理氏

 そのほか、TiNKの便利なポイントとして、周囲のインターネット環境に依存することなく使える点、開錠方法を複数用意しているため、例えばスマートフォンを使えない高齢者や子供でも鍵を開けられる点、本体に加速度センサーが搭載されており、異常な振動などを検知した場合、リアルタイムにユーザーに告知できる点などを挙げた。

 また有料サービスとして、子供など指定したキーの開錠施錠を検知し、帰宅を通知で知らせる「帰宅お知らせ機能」(月額300円)、離れて暮らす両親など指定したキーの開錠施錠を検知し、一定時間以上操作がないと通知してくれる「シニア見守り機能」(月額300円)も用意する。

 本体には8,000mAhのバッテリーを備える。2つのバッテリーで構成されており、使用状況にもよるが2~3カ月の連続使用が可能。バッテリーが切れた場合でも約10回は施錠できる予備用電源も備える。なお、バッテリーはスマートフォンの充電もできるモバイルバッテリーとしても使うことができ、専用の充電器が付属する。

 牧田社長は、今後の可能性として家電との連携や、不在時の宅配や家事支援など、様々なことが可能だと話す。

 「これらはとんでもない未来の話ではなく、近い未来の話」として、既に決まっている取り組みについても説明した。

 「まずは、アパマンショップとの連携を進めることで、2021年度末までに100万台の設置を目指します。鍵の交換などの手間が減らせ、コストカットにも繋がります。また、メルカリのグループ会社であるソウゾウが2018年初頭にサービス開始を予定しているオンデマンドシェアサイクル事業『メルチャリ』において、シェアサイクル用コネクティッド・ロックの共同開発を進めています。また、製品の量産化においては、『シャープ量産アクセラレーションプログラム』の第一号企業として、同社のサポートを受けます」

 製品の販売ルートについては、来年の8月くらいを目途に家電量販店などでも取扱スタートできるように交渉中だという。

シャープ量産アクセラレーションプログラムの第一号企業として、同社のサポートを受ける
2018年初頭にサービス開始を予定しているオンデマンドシェアサイクル事業『メルチャリ』において、シェアサイクル用コネクティッド・ロックの共同開発を進める