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LIXIL、複数の宅配物を受け取れ、集荷依頼もできる「IoT宅配ポスト」
2018年9月27日 16:21
LIXILは、複数の宅配物を受け取れ、集荷依頼もできるIoT宅配ポスト「スマート宅配ポスト」を10月1日に発売する。インターホン・ポスト・フレーム、無線LAN搭載ホームユニットなどからなる"代表セット"の価格は266,000円(税抜)。
宅配物増加による課題と、宅配ポストの普及率
複数の宅配物を受け取れ、集荷依頼もできるIoT宅配ポスト。戸建て向けとしては業界初となるIoT対応の宅配ポストだという。
戸建てに設置される郵便ポスト・機能門柱市場で、同社は34%のシェアを持ち、年間48万台を販売するが、同社 理事 LIXIL Housing Technology Japan エクステリア事業部 エクステリア事業部長・庵原 岳史氏は「宅配物の再配達が社会問題にもなっていますが、国土交通省の調査によれば、2017年の宅配便個数は42億個、そのうち約2割が再配達という状況です。さらに再配達時のトラックが排出すCO2は42万トンにもなり、環境問題としても深刻と言えると思います。
同時に、共働き世帯やネット通販利用者の増加に伴い、宅配ボックスの需要は高まっているものの、戸建住宅用の宅配ボックス普及率は1%未満という状態です。しかしながら、宅配ボックス設置意向者の50%が1日に複数回の荷受けを経験し、32%が集荷依頼を希望していることも、調査により分かりました。
現在、集合・戸建て住宅を合わせた宅配ボックス市場は、165億円程度ですが、2023年度には550億円に拡大が予測されています。我々は、ユーザー、EC事業者、宅配業者が抱える問題を解決し、戸建てのポストを宅配ポストに変え、普及率をアップさせるべく、この「スマート宅配ポスト」を発売します」と語った。
「スマート宅配ポスト」の荷物受け取り・集荷の仕組み
すでに同社が展開する、「スマートエクステリア」には、屋内外カメラ、カーゲート用通信ユニットがあり、各機器はホームユニットとDECTで接続されている。ホームユニットが2.4GHz帯でWi-Fiと接続することで、専用アプリ経由でスマートフォンなどから利用できるようになっている。
「スマート宅配ポスト」同様の仕組みで動作し、複数の宅配物を受け取れ、集荷依頼も行なえる。ボックス部分は二重扉になっており、外扉は施錠なしで誰でも開閉が可能。
1個目の荷物の配達時は、外扉を開けた後、操作パネルのタッチと内扉の開閉だけでOK。2個目の荷物の配達の場合は、1個目の荷物の安全を確保するために動作が異なり、配達員はインターホンで家主を呼び、スマートフォン経由で応答した家主が内扉を解錠する、という動作が必要となる。この間外扉が閉まるまでは、家主は配達員の様子をスマートフォン経由で閲覧できる仕組み。
集荷依頼時はまず、家主がボックス解錠用のパスワードを設定して、荷物を入れて施錠する。集荷業者は、ボックスの操作パネルで、家主から伝えられたパスワード入力すると、内扉が開いて、荷物をピックアップできる。このパスワードに利用できる文字は「1~4」だけだが、6桁までをパスワードに設定可能。約4,000通りのパスワードでセキュリティ対策できるとしている。
「スマート宅配ポスト」の仕様や今後
展示されていた「スマート宅配ポスト」は、郵便ポスト、インターホン、カメラ、表札の機能を盛り込み、周囲をフレームで囲ったものだが、「宅配ポスト」単品を地面へ据え置きしても利用できる。
ボックスの素材は、アルミダイカスト。外から見えるパーツ類を極小化したり、蝶番をインナー型にするなど、スッキリとしたデザインに仕上げたという。
また通信の安定性を確保するために、ボックスの背面上部の一部を樹脂製とし、ここにアンテナ類を格納したという。ボックス搭載のカメラは従来品から70%縮小化されたもので、操作パネルも、応答性や視認性に考慮したものを採用したという。
ボックスカラーが3色、フレームが6色、全18通りのカラー展開で、様々な環境にマッチできるデザインだとする。
専用スマートフォンアプリは、アップデートが可能なほか、ボックス本体やホームユニット内のプログラムもアップデート可能だという。
本機発売後は、再配達の減少による、ユーザーの利便性、宅配業者の配送効率に関する実証プロジェクトを、宅配業者、EC事業者、自治体等を協力しながら進め、宅配に関する課題を解決していきたいとしている。