家電製品ミニレビュー

スティックとハンディーの2WAYで掃除するエルゴラピード

エレクトロラックス「エルゴラピード・リチウム ZB3013」

 今回は、エレクトロラックスのコードレススティッククリーナー「エルゴラピード・リチウム ZB3013」を紹介しよう。スティッククリーナー本体に、ハンディークリーナーを備える2in1構造が「エルゴラピード」シリーズ共通の特徴だ。

メーカーエレクトロラックス
製品名エルゴラピード・リチウム ZB3013
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格29,980円

 ZB3013は、床を掃除できるスティッククリーナーと、棚やサッシ(窓枠)などの掃除に使うハンディークリーナーを一体化している。ハンディークリーナーには、付属する隙間ノズルとブラシノズルを付けられる。ブラシノズルは隙間ノズルの先端にはめ込むもので、単体でハンディークリーナーには付けられない。

ハンディークリーナーには、ダストカップが付いている。モーターファンユニットや充電池も内蔵
隙間ノズルとブラシノズル
隙間ノズルとブラシノズルはくっつけて、充電ステーションに収納できるほか、本体の背面にあるくぼみにも差し込める

 自立する構造や2in1構造をはじめ、暗い部分を照らすLEDライト、糸くずや毛髪をカットする「ブラシロールクリーン機能」など、便利な仕様は従来通りZB3013にも備わっている。

 なお、ブラシロールクリーン機能は、30秒間連続で使用すると、その後10分間充電しないと作動しない仕組みになっている。

スティック部分を立てて少し前に倒すと自立する
本体背面には、掃除中に棚やテーブルなどに立てかけられるフックを備える
ヘッド部分にはLEDライトを搭載
本体の電源を入れてからヘッド部分の右手前にあるスイッチを踏むと、ブラシロールクリーン機能が作動する。ガガガーッとかなりうるさい音がするので、夜に使うのは控えた方がいいだろう

 このように製品の主な機能は、従来機種と大きく変わらない。前モデルの「ZB2941」と異なる点を挙げると、連続運転時間が通常モードで最大30分から最大35分と5分延びたことと、それに伴い適用床面積が120平方mから140平方mと20平方m広くなったことだ。ちなみに、パワーモードの連続運転時間は最大13分。

 そのほかの点では、ヘッドやフィルターといった部品の変更をはじめ、モーターファンを改善してゴミの集塵率を高めたり、ヘッド後方部のホイールを大きくしてカーペットの掃除をしやすくするなど、使いやすさを重視した部分が進化しているようだ。

 ZB3013の具体的な進化点については、エレクトロラックスのスモールアプライアンス事業部 最高責任者 上席副社長を務めるHenrik Bergstrom(ヘンリック・バーグストローム)氏が、弊誌のインタビュー記事で答えているので参照して欲しい。

 それでは、実際に掃除機として使いやすいのかをチェックしてみよう。

キッチンマットやカーペットの掃除は両手を使ってスムーズに

少し手首をひねるだけでヘッドを自在に動かせる。フローリングの掃除は快適
キッチンマットは両手で操作した方がスムーズに掃除できる

 個人的に、掃除機選びで気になるのは操作性と吸引力、お手入れ方法だ。操作性はヘッドをスムーズに動かせるか、吸引力はホコリやゴミをしっかり吸い込めるか、お手入れは手間がかからないのかを基準にしている。

 まずは、床を掃除する際の操作性と吸引力を、フローリングとキッチンマットで試してみた。

 フローリングでの取り回しは抜群に良い。ヘッドの向きをスムーズに変えられるし、ヘッド後方の大きくなったホイールのおかげでヘッドの滑りも良く、片手でスイスイ掃除できる。

 キッチンマットも、片手で掃除できる。ただし、ヘッドのすぐ上にモーターファンユニットや充電池を内蔵したハンディークリーナーがあるため重心が下にあり、フローリングのときよりは重く感じる。非力な人は、スティックのグリップ部分を利き手で持ち、もう片方の手を好みの位置に沿えたほうが、より思い通りにヘッドを動かせるだろう。

 欲を言えば、次のモデルではハンディークリーナーをグリップに近いところに配置するか、自走式ヘッドを搭載して欲しいところだ。

 吸引力については、コードレス式のスティッククリーナーの中では強力な方だと思う。フローリングのゴミやホコリは標準モードで十分に除去できる。キッチンマットは、パワーモードでも吸い込みきれないゴミやホコリもあった。

 ちなみに、エルゴラピード・リチウムのダストピックアップ率(実使用に基づいたゴミの集塵率)は、フローリングが98%、カーペットが46%(エルゴラピードのQ&Aより)となっている。

 次は、ハンディークリーナーの使用感だ。

 操作性は、片手でヒョイヒョイ使える物なので特に善し悪しはない。吸引力については、ハンディークリーナーが、充電池やモーターファンユニットを搭載した、いわばZB3013の心臓部にあたるパーツなので、スティッククリーナーと同等だ。

 早速、サッシや網戸、棚を掃除してみたが、隙間ノズルにくっつけるブラシノズルの使い勝手が良い。特に網戸では、網の目にまとわりついているホコリやゴミを、ブラシで払いながら吸引できるのが便利だ。

サッシや網戸では、ブラシノズルが大活躍。サッシや網戸のホコリを払いながら吸引できる
細かい隙間のない棚は隙間ノズルだけで十分だ

ブラシロールやフィルターのお手入れは簡単!

 最後はお手入れについて。

 ブラシロールやダストカップ、各フィルターは取り外せる。ダストカップと各フィルターは水洗いできるので、定期的に洗って細かいホコリなどを落としておくと吸引力を保てる。ただし、各フィルターは、頻繁に水洗いするとフィルター自体が消耗してしまう。以下の手順を踏んで、日頃からこまめにお手入れしておきたい。

ダストカップは、先端の両サイドにある灰色のボタンを押しながら外す
ダストカップからは、プレフィルターとファインフィルターが合体した状態で外れる

 ブラシロールは、掃除が終わった時に、糸くずや毛髪が絡まっているかどうかを必ず確認したい。もし、糸くずや毛髪が絡まっていたらヘッド部分のスイッチを踏んで、ブラシロールクリーン機能を稼働させる。これだけで、絡まっていた糸くずなどが切れて吸引される。何度やっても吸引されない場合は、ブラシロールを外し、絡まった毛髪などを刃物で切りながら取り除く。

 プレフィルターにまとわりついたホコリは、ファインフィルターに付いているオレンジ色のつまみを引っ張って放すと、ダストカップに落とせるので、水洗いする回数を減らせる。ただし、プレフィルターにびっしりホコリが付いた状態だと、容量500mlのダストカップにホコリを落とせなくなる。オレンジ色のつまみは、こまめに操作するようにしたい。

ブラシロール機能で処理できなかった糸くずなどは、ブラシロールをヘッドから外して取り除く
オレンジ色のつまみを引っ張って放すと、プレフィルターのホコリをダストカップに落とせる

交換用のパーツも用意。長く使えるコードレススティッククリーナー

 ZB3013では、交換用のパーツとして、ファインフィルター(1,800円)、プレフィルター(1,800円)、ハンドユニット(8,000円)、ブラシロール(1,500円)、充電ステーション(上部/下部 5,000円/3,500円)、すき間ノズル(900円)、ブラシノズル(900円)が、エレクトロラックスの直販サイトで販売されている。

 ハンドユニット(充電池を内蔵)に加え、ファインフィルターやプレフィルター、ブラシロールは消耗品。だから、普通に長期間使っているだけで、充電池の寿命や、フィルターの消耗により交換する時期が必ずやってくる。Amazonなどで手軽に入手できないのは残念だが、掃除機本体は安い買い物ではないので、交換用パーツが直販サイトで買えるのは、より長く使いたい人にとってはメリットだろう。

 掃除機として肝心な操作性や吸引力は、コードレス式のスティッククリーナーとしては十分な性能を持っている。全室フローリングの我が家では、キッチンマットを掃除するとき以外は、ストレスを感じることはなかった。

 お手入れの面では、プレフィルターにまとわりついたホコリを、ティッシュペーパーでつかみながらゴミ箱に捨てることが多かった点が気になった。掃除機の充電がなくなるまで掃除し続けると、ダストカップがホコリで一杯になり、必ずと言って良いほどホコリに直接触れることになる。掃除中でもこまめに、オレンジ色のつまみを引っ張り、プレフィルターに付いたホコリを落とすといいだろう。

 ZB3013は、家電量販店の掃除機売り場に必ずといっていいほど試用できるものが置いているので、気になっている人は一度触りに行ってみてはいかがだろうか。

中野 信二