家電トレンドチェッカー

大人気のスティッククリーナー 選ぶ時のポイントはココ!

 家電量販店の掃除機売り場では今、コードレスのスティッククリーナーが大人気。売り場面積も広く取られて、実演スペースが設けられているところもある。単身世帯の増加や、少子化などから世帯人数が減少、これまで当たり前だったコード付のキャニスター型掃除機は必要ないと感じている人が多いのかもしれない。また、ロボット掃除機やフローリングワイパーなど掃除の多様化も一因だろう。

 充電式でコードレスで使えるスティッククリーナーの一番の長所は手軽に使えること。コードを繋がなくてもさっと使えるので、掃除機をかける頻度が増す。それゆえに本体を出しっぱなしで置いておけるデザインかどうかなど、コード付の掃除機とは違う選び方が必要になる。今回は、生活スタイルに合わせた製品の選び方を見ていこう。

サブで使うか、メインで使うか

 コードレススティッククリーナーは、もともと2台目の掃除機として選ぶ人が多かった。吸引力がそれほど強くなく、長時間使い続けることができないものが多く、とてもではないが、それ1台で家中の掃除をまかなうことはできなかったからだ。しかし、今のコードレス掃除機は違う。メインとしての使用に耐えられる吸引力をもった製品や、独自のアタッチメントが付属したものなど、様々な製品がラインナップされている。

ダイソンの「DC62 モーターヘッド」
ダイソンのコードレスクリーナーの最上位機種「DC62 モーターヘッド コンプリート」には、7種類のツールが付属し、すき間や高いところ、布団掃除、階段掃除まで全てこれ1台でできる

 メインで使いたい、吸引力もとにかく強いモノを! という人におすすめしたいのは、ダイソンの「DC62 モーターヘッド」。言わずと知れた吸引力の強さとその持続力でお馴染みのメーカーだが、スティッククリーナーも例外ではない。静電気の発生を抑える独自の回転ブラシを備え、そこらへんのコード付掃除機に負けない掃除力を発揮してくれる。豊富なアタッチメントも備え、すき間や家具下、エアコンのフィルター掃除までこれ一台で全てまかなえる。5万円を超す高額な製品ではあるが、家中の掃除をこれ一台で……と考えれば、手の届かない製品ではない。

 ただし、吸引力が強いため、運転音はそれなりにする。掃除をするのが毎日深夜になってしまう人、夜に本格的に掃除をしたいという人には、静音性と吸引力の優先順位を検討してモデルを選択することをお勧めする。

 付属ツールの豊富さでいうと、東芝の「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CL100」も負けていない。パイプ部分にあらかじめついているブラシや、伸縮性があるホースを採用するなどほかのスティッククリーナーにはない豊富なギミックを備える。床面からヘッドを浮かすと、自動で運転停止するなど、日本メーカーらしい細やかな機能を備える。

 メインの掃除機は既にあるので、あくまでサブの掃除機として使いたいならエレクトロラックスの「エルゴラピード・リチウム ZB3013」がおすすめ。エルゴラピードの長所は何より取り出しやすさ。スタンド型の充電台に設置された本体は、さっと取り出せて、すぐに戻せる。すき間掃除や高い場所の掃除には向かないが、日常的な軽い掃除を毎日したいという人に向くだろう。

東芝の「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CL100」。パイプ部分にあらかじめ付いているブラシや長く伸ばして使えるホースなど、ほかの製品にはないギミックが魅力
エレクトロラックスの「エルゴラピード・リチウム ZB3013」

収納方法は大事なポイント

 スティックリーナーは、基本的には電源コードの近くで収納することが前提となるため、これまでの掃除機のように、戸棚や押し入れの中にしまうことはしない。つまり、本体が“出しっ放し”の状態になる。それだけに本体デザインや収納方法に関しては事前にしっかり確認したい。

ダイソンは壁掛け式のブラケットが付属し、壁にかけた状態で収納できる

 日常的に、できれば毎日使いたいという人には前述のエルゴラピードやダイソンがおすすめ。ダイソンは壁掛け式のブラケットが付属し、壁にぶら下げた状態で収納できる。収納場所が固定されているので、使用後はすぐに充電開始、次使うときはフル充電状態で使い始められる。

 東芝の「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CL100」や日立の「コードレススティッククリーナー PV-BA100」も、同様に専用の充電スタンドがあり、出しっ放しで使うスタイル。出しっ放しでも違和感のないデザインか、自宅のリビングや廊下に製品を置いた時にどういうイメージになるか、自宅に設置した時のイメージをよく考えてから購入するのがお勧めだ。

東芝の「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CL100」は、収納ケースが付属する
日立の「コードレススティッククリーナー PV-BA100」も専用の充電スタンドが付属

 掃除機はやっぱり見えないところに収納したい、出しっ放しは嫌だ。という人には、バッテリーを取り外して別に充電するシャープの「コードレスサイクロン FREED EC-SX200」やマキタの「充電式クリーナ CL142FDRFW」がオススメ。

 バッテリーをその都度取り外して充電するという手間はあるものの、コードがない場所にも本体を収納できる。

シャープの「コードレスサイクロン FREED EC-SX200」
バッテリーを本体から取り外して、充電する

 いずれの製品の場合も、取り出しやすさが重要。使い始めるのに時間や手間がかかってしまっては、コードレススティッククリーナーの長所である手軽さが半減してしまう。その意味でいうと、ダイソンやエルゴラピード、日立の製品がオススメ。片手でさっと取り出して、すぐに使い始めることができる。

メンテナンスや使い勝手も要チェック

ダイソンのフィルターは月に1回の水洗いだけでOK。日常的なメンテナンスは必要ない

 使い勝手に関しては、ヘッドの種類(モーターが搭載されているか否か、ブラシの種類など)、ヘッドを左右に動かしやすいか、高いところやすき間は掃除できるか、ゴミ捨てはしやすいかといったところがポイントになる。あとは、大事なポイントとして、メンテナンスの有無も必ず確認しよう。最近のコード付高機能掃除機は、メンテナンスフリーを謳う製品も多いが、スティッククリーナーは製品によってまちまち。

 ゴミ捨ての度にフィルター掃除をした方が良いものや、定期的なフィルター掃除が必要な製品も多い。メンテナンスの楽さでいったら、おすすめは断然ダイソン。独自のサイクロン式集じんにより、フィルターの目詰まりなどはほぼない。フィルター掃除は月に1回程度だ。

掃除が苦手な人にこそおすすめ

 戸棚から掃除機を出して、コードを出して、コンセントに挿す、掃除する部屋を変える度にコンセントを挿し直す。

 コード付掃除機につきもののこれらの作業がスティッククリーナーにするだけで一気に解消できる。私自身、4年以上前からスティッククリーナーの愛用者だが、掃除機をかける頻度が前に比べると格段にアップした。例えば、夜寝る前にちょっとしたゴミが気になったらさっと掃除機をかける。コード付掃除機だったら絶対しないこともスティッククリーナーなら、違和感なくできる。

 世帯数や、その内訳を考えてみても、今後は、コード付ではなくスティッククリーナーが掃除機市場のメインになってくることも十分考えられる。掃除が嫌いな人にこそ、ぜひ試してみて欲しい。

 とはいえ、店頭ではなかなか製品の性能を比較することはできない。というわけで、編集部では主要5メーカーのスティッククリーナーの性能を“ガチ”で比較してみた! 実際、どこのスティッククリーナーが一番使いやすく、一番吸引力があるのか? 気になるテスト結果は次週から掲載予定だ。そちらもお楽しみに。

メーカー名製品名本体サイズ
(幅×奥行き×高さ)
重量充電時間運転時間希望小売価格実売価格
ダイソンDC62 モーターヘッド270×170×1,100mm2.8kg4時間30分オープン56,500円(Amazon)
エレクトロラックスエルゴラピード・リチウム ZB3013263×150×1,070mm2.6kg4時間35分オープン27,480円(Amazon)
ティファールエアフォース エクストリーム TY886250×250×1,080mm3.4kg6時間55分38,800円17,553円(Amazon)
東芝ライフスタイルTORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CL100210×207×1,060mm2.3kg5時間20分オープン35,640円(Amazon)
シャープコードレスサイクロン FREED EC-SX200218×199×1,003mm2.2kg1時間20分20分オープン43,200円(Amazon)
日立アプライアンスコードレススティッククリーナー PV-BA100270×170×1,100mm2.8kg4時間30分オープン24,800円(Amazon)
マキタ充電式クリーナ CL142FDRFW115×151×986mm1.4kg22分40分38,880円25,700円(Amazon)

編集部