家電製品ミニレビュー

好きなデザインが瞬時にネイルにプリントできる「プリネイル」の凄さに、テンションMAX!

 家電も沢山の新商品が毎年発売されて、「おぉ、こんな機能が!」と、いつも心踊っているのだけれど、多くは今まである家電の機能の向上や、細分化などだ。

 そんな中、時々まれに「おー! こんなものが!」と、今まで無かったというか、新機能の家電が発売される。そんな商品に出会えた時の感動ったら、目からボロッボロと鱗が落ちて目がキラッキラに輝いてしまうような感じだ。

 今回はそんなめっちゃ感動した新製品のお話。

 今までネイルと言えば、ネイルサロンへ行って、時間とお金を使ってステキなデザインを施して貰うことがほとんどだった。それが、まるで洋服を着替えるような感覚で、好きなタイミングで好きなデザインがプリント出来ると言う、家庭用ネイル専用プリンターの「PriNail(プリネイル)」と言うものが小泉成器から発売された。

小泉成器の「PriNail(プリネイル)」。色も形も非常に好み。小さな15cm弱の立方体の本体
メーカー名小泉成器
製品名PriNail(プリネイル)
価格(編集部調べ)53,784円

 こちらのネイルプリンター、一辺が15cmの小さな立方体のような形。操作はスマホとWi-Fi接続で行なうため、電源以外の操作ボタンは何も付いていない。ぱっと見、めちゃくちゃシンプルな形だ。

 正面のカバーを外すと、カバーにホルダーが付いているので、それを本体にセットすると準備完了。使い終わったらまたホルダーを外してカバーをすると、埃も入らない立方体に戻り、見た目も非常に美しい。

 プリンターの専用カートリッジは、上面のカバーを外してカチッと入れる。カートリッジを見ると、「なるほど、インクジェットプリンターだ!」と不思議な気分になる。

 カートリッジを入れた後は、プリントの位置調整のため、テストプリントがされる。専用のシールを貼って調整すると、白いシールにテストプリントされる。メンテナンス用ホルダーは、本体の底の部分に格納されていて、パーツが無くならない工夫も優秀。

別保存だったらつい無くしがちな小さなパーツも見事に収納される
流石プリンター。調整&テストプリント有り。操作は全てスマホアプリから
使うときは正面カバーを外してホルダーを挿すだけ

 スマホアプリがリモコン兼デザイン作成機能を持っているので、事前にスマホにダウンロードしておく。アプリには15カテゴリ300種類以上のデザインが収録されているので、選ぶだけですぐに可愛いネイルをプリントできる。

 選んだデザインを1本単位で変更できるし、自分でスマホに入っている写真を選んで1からオリジナルデザインを作ることもできる。

かわいいデザインが300種類以上の収録されてる! 私の持ってる洋服の数より俄然多い(笑)
なるほど、こんな感じで1枚の画像を上手く使って作ればいいのか! と参考になる

 収録されているデザインを編集していると、1枚の画像を元に回転や拡大縮小などを駆使して5本の爪のデザインを作っているのが分かり、こういう風に作っているのか! と自分がオリジナルで画像を作成する時に非常に参考になった。

 アプリの動きはちょっと遅く感じるのと、慣れるまで感覚的に扱えないかなと思う不便さは少しあるものの、それは大きな問題ではない。

 1番ストレスを感じるのは、オリジナルでデザインをする時だ。画像の選択時は、フォルダ一覧画面が出てきて、画像を選択していくのだけれど、5本の爪ごとに毎回フォルダ一覧からフォルダを選んで、画像一覧をスクロールして選ばなきゃいけないのだ。

画像選択は非常にストレス。5本の指全部に同じ画像を使う場合でも同じ手間がかかる

 新規デザインを開始して終了するまで、カレントフォルダ表示くらいしてくれー!!! と、色んなアプリ使ってフォルダや画像が多い私は地味に嫌気がさしてしまった。

 そして、そういう苦労の末に、時間をかけて作ったデザインは、10種類までしか保存できず、「ぬおー! 勿体ない。どれ捨てる?」と悲しくなった。まぁ、あくまでもアプリのソフト的な問題なので、アップデートという形で対応可能かなと思うから、今後に超期待してる。

 さて、色々準備も整ったので、いざ実践! ワクワクするー! これはあくまでもインクジェットプリンターなので、白地に色を印刷していくことになる。なので、自分の爪は白く塗っておかないと綺麗な色が出ない。と、言うことで、白のマニキュアを塗って置こうと思ったのだが、この頃全然ネイルもしていなかったので、ハンドケアも兼ねて、私は白1色のジェルネイルを施して貰った。

 これがナイス選択で、後々「デザイン変えよう」と思った時にマニキュアを毎回塗らなくて良いのでさらに手軽なのだ。月に1回くらいジェルをして、毎週でも毎日でもデザインを変える。夢みたいな生活じゃないか!

普通のプリンタと同様、白地にインクを乗せていくので、白いネイルしたよ
試しに白以外の爪にプリントすると、上手く爪を認識できなかったり、プリントしても見えない

 白くマニキュアもしくはジェルなどを塗った爪に、プリネイル専用の透明の下地「プリコート」を塗る。これがこのプリンターの裏兵器というか非常に重要な役割を果たしている。

 下地を塗って乾くと、ちょっとマットな感じになる。その上にインクを乗せることで水性のインクが滲まずに綺麗にプリントされるのだ。

 試しに塗らずにプリントしてみるとインクが滲んで綺麗にプリントされないので、この下地が吸着体のような役割をしているのだろう。除光液で剥がしてみると、薄いフィルムのような感じでペロンと剥がれる不思議なおまじない下地だ。

下地が重要な役割を果たしてる。プリコート凄い

 下地が乾いたら、スマホに保存しておいた、もしくは収録されているデザインを選び、印刷する指のデザインをタップする。指を入れてくださいと出るので、指を入れてホルダーを上げると、スマホ画面に上と横から写した自分の爪が表示される。なんとこの小さな本体にはカメラが内蔵されているんだ。

 スマホを見ながら指を動かして線に合わせて指をセットして「爪を撮影する」をタップすると、自動検出された爪にプレビュー画面が表示され、そこで大きさや回転などの編集も行なうことができる。

 「デザイン編集完了」をタップすると、自分の爪の形が綺麗に縁取られて選択されている。驚く精度だ。

 「プリント開始」をタップすると、なんとわずか10秒程度で印刷が完了する。ジェルなんかと違って、熱くなければ痛くも痒くもなく、ただ指を置いているだけなんだけれど、ホルダーを下ろして指を抜いてみるとあらびっくり! 白い爪が何とまるで別物の美しいデザインに! 驚いて何度も何度も見てしまう。

プリントするデザインを選んだらホルダーに指を乗せてセットする
内蔵カメラ凄い。スマホを見ながら微調整していざプリント!

 インクは水性なので、トップコートを塗って閉じ込めないと手を洗うだけですぐに落ちる。なのでプリントした後に「やっぱり違うのにしよう」と思ったら簡単にやり直し出来るし、ちょっとはみ出てしまった場合も、綿棒でふき取ったり、爪に綺麗にトップコートを塗って乾いてから手を洗うと周りのインクは簡単に洗い流せる。

 私がこのプリネイルに心つかまれて、まずやってみたかったのは、我が家の愛猫の写真でのネイルだ。もううちの猫は可愛すぎるのだ(親バカ)。こんな可愛い子のネイルが出来たら毎日どんだけ気分が上がるだろうかと思っていたのだ。

 写真をフォルダから選択して1本ずつ拡大縮小して作っていく。撮りっぱなし写真は全体的にちょっと暗い感じになったけれど、プリントしてみると、ちょっとカメオっぽいというかいい感じの色合いでそれなりにまとまる。デザインする前に、別の画像編集アプリなどを使って明るさなど調整して保存してから使うともっと自分好みの仕上がりになりそうだ。

スマホの可愛い猫フォルダが火を噴くぜ! とニヤニヤしながら好きな写真をネイルにできる
ネイル用に画像編集できるなら、より好きなデザインでネイルが無限大に作れる

 自分でデザインが出来るならば、もっともっと世界は広がる。収録されている画像を参考に1枚の画像で爪5つ分のデザインを作って保存しておくととても便利だ。

 背景色やデザインに悩んだので、収録されているデザインの画像のスクリーンショットを使って背景に使ってみた。素敵なデザインが多いので助かる。そこに愛猫の切り抜いた画像なんて配置して、プリントしてみたら、可愛すぎて悶絶! 思わず仰け反ってしまった(笑)。

可愛い! ずっと自分の指を見ていたいくらいかわいい。そしてネイル写真は難しい(笑)
せっかくだから家電 Watchロゴもネイルに!

 アプリの機能に、背景の上に透過pngなどを乗せられる機能があればめっちゃ便利なのになぁと、「デザイン画像作る→スマホ転送→デザインが切れたりする→画像修正」を何度も繰り返しながら思った。背景を調整した後にワンポイントのロゴやデザインを乗せられたら絶対に便利だなと思うけれど、この要望自体がちょっとマニアックなのかしら!?(笑)。

 それにしても、自分で実際に好きなネイルをしてみて、自分が想像していたよりも俄然心が踊ってビックリしている。私は非常にずぼらで、以前は定期的にやっていたネイルもいつしか「まぁ、いっかー」と何もしなくなってたんだけれど、「私ってこんなにネイル好きだったのか!」と気付くほどにうっとりとしてしまう。

 白魚の様な美しい手とは全く違う、ボテッとした自分の手がもう可愛くて仕方がない(笑)。ネイルって究極の自己満足オシャレだよなぁ! それがもう最高すぎる!

 プリントしたあとは、しっかりとトップコートを塗っておかないと剥がれちゃうので注意。2度塗り必須で、爪先のキワの塗り忘れ注意! まぁ、失敗して取れちゃってもすぐにやり直しできるんだけど。きちんとトップコート塗っておいたら2〜3週間は持つ。まぁ、そんなに着替えずにいることが、ないかもしれないから、持ちについてはそんなに気にする必要ないかも。

2週間くらい経つと、剥げてきてほころびが目立ってきた

 このプリネイル、商品紹介のキャッチフレーズでも「さあ、着替えるように自由にネイルを楽しもう」と書いてあるけれど、本当にその通りで、気分や洋服などに合わせて、いつでも自由に変更できるのがめちゃくちゃいい!

 例えば、普段は仕事や学校で派手なネイルができない人も、平日はベージュ1色、休みの日はド派手にばーん! と爪を着飾るなぁんてことも出来るし、「あ、剥げちゃった」って時も、1本だけプリントし直せばよく、リペアが簡単だ。

 お気に入りのデザインは何度だってプリント出来るし、友達とお揃いネイルだって完璧に再現してくれる。いわゆる痛ネイルという、好きなアニメデザインなど、高度な技術が必要とされている細かいデザインだって1本たったの10秒で鮮やかに思い通りに仕上げられると思ったら、歓喜以外の何でもない!

 私はプロ野球観戦大好きで、年に何度か行くんだけれど、その時に球団のロゴとかキャラクターとか推し選手のネイルとかして行きたい! アーティスト好きなら、ライブの時には爪の先まで好きな人でキメることも出来るし、特別な1日だけのネイルがこのプリネイルなら叶えられる! プロ野球好きだけど、毎日球団ロゴ付けていたいわけでもないのだ(笑)。

大好きな野球観戦行くときは、球団ネイルして行くんだー!
色んなシーンで活躍すること間違いなし。想像するだけで上がる!

 今までネイルは「季節」単位などで変更していたものが、「日」「気分」「シチュエーション」なんて曖昧な、むしろ「いつでも」単位で変更できるのはネイル革命と言って良いのでは!? 色んな使用シーンが思い浮かびすぎて、考えるだけでテンションがダダ上がりする!

 コンピュータやゲームなど、新しいものって、不具合などもそこそこ出たりするので、「次まで待とうかな」ってなることも結構多いけれど、このプリネイルはカメラの精度やプリント性能などかなり完成度が高く、プリンターのデザインも大きさも100点満点じゃないだろうかと思った。アプリ側はまだまだ改善の余地ありだなと思うけれど……。

 パッと衝動で買うには躊躇しちゃう5万円超えのこのネイルプリンター、でも定期的にネイル行っている人は、早々に元が取れちゃうと思うし、何より着替えるようにデザインを変えられる魅力が凄い!

 ネイルサロンにしたらもの凄く脅威とも言えそうなこの商品。私も「なんてものを作ってくれちゃったんだよー!」と言いながら、レビュー体験が終わった後に、速攻で電機屋さんへ買いに走ってしまった(笑)。

 まだ今年始まったばかりだけれど、このまま私の中の「2019年ワクワクした家電大賞」を突き進みそうな逸品でございます。

もう心踊りすぎて、一度使うと離れられなくなった。夫の意見なぞ聞かぬ

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。