家電製品ミニレビュー
必要最小限の機能を備えたマキタのスティッククリーナーが大活躍!
2017年10月26日 07:00
去年の暮れに、妻がスティッククリーナーを欲しいと言い出した。うちにはロボット掃除機 ルンバがあるからスティッククリーナーは必要ないと思っていたら、妻が「アレじゃ部屋の隅まで掃除できてない!」と言い張る。たいていのご家庭と同じく、うちも奥様の意見には逆らえない。
そこで家電量販店の掃除機売り場へスティッククリーナーを見に行った。その時に「マキタのは、新幹線の車内清掃にも使われているんだよ」と、マキタのスティッククリーナーの前でカップルが話しているのが聞こえてきた。
筆者としてはダイソンが欲しかったのだが、残念ながら予算がオーバー。マキタは、まったくノーマークのメーカーだったので、家に戻ってからいろいろ調べたら評判が良いし、値段も安い。妻に「マキタにしようかと思うんだけど」と伝えたところ、「あぁ~掃除の人が使ってるやつでしょ。評判良いらしいよね」とまんざらでもなさそう。
そこで、多くのモデルがある中で、値段の手頃な10.8Vの紙パック式の「充電式クリーナ CL107FDSHW」に決めた。そんなマキタのスティッククリーナーを、半年くらい使ってきた感想を書いていく。
メーカー名 | マキタ |
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製品名 | 充電式クリーナ バッテリー・充電器付き |
型番 | CL107FDSHW」 |
価格(編集部調べ) | 14,098円 |
充電式クリーナ「CL107FDSHW」の本体から延長パイプ、クリーナーヘッドまでの長さは96cm。身長152cmの妻には、これくらいがちょうど良い。重さも1.1Kgと国内有名メーカーのスティッククリーナーの半分くらいと非常に軽い。
軽い理由の一つはノズル部がシンプルだという点。ノズル部が回転してゴミをたたき出す、みたいなことはしない。それでも、とりあえずは床に落ちているゴミやホコリは吸い込んでくれるので十分だ。
ハンドル部は手の小さな女性にはちょうど良い大きさ。スイッチはオンがトグル式で、「標準<強<パワフル」の順番で押すごとに3段階で変えられる。シンプルなノズル部を補完するために吸引力で補うというやり方だろう。ハンドル部の先端にはLEDライトが付いていて、電源を入れると自動的に点灯する。
バッテリーはグリップの下側に付いていて、ボタンを押してスライドさせる。充電器がいかにも電動工具のそれっぽいが、これはこれで男性にはウケる仕様だろう。そもそも他人に見せるものではないし、形にはそれほどこだわらない。
電池のもちは標準モードで使うと、20分程度は使えるので十分な長さだ。なぜなら、うちでのスティッククリーナーの役割は、これ一台で家中を掃除するというものではない。例えばロボット掃除機が苦手な部屋の隅や、入り込めない家具のすき間を掃除するとか、階段や玄関など、段差の有る部分を綺麗にしてもらえればいい。
以前持っていたアメリカの工具メーカーのハンディクリーナーは、電池が保たず、自動車の車内清掃で半分も掃除できなかった。だが、このマキタのハンディクリーナーだと乗用車の車内清掃くらいは十分出来る。なお、バッテリーの充電時間は急速充電で約22分。
これは一般的なコードレススティッククリーナーから考えるとかなり短い。万が一使っているときに充電が切れてしまっても、30分待てばまた使えるという訳だ。
紙パック式は手も汚れづらくて便利
ゴミが溜まったら、紙パックを交換するだけ。本機の兄弟モデルには、ダストボックスに直接ゴミが溜まっていくカプセル式も用意されているが、あえて紙パック式を選んだ。なぜならカプセル式は、カプセル自体を掃除するのが面倒だからだ。
さて、本機ではダストボックスのフタを開き、オレンジ色の紙パックと本体とのジョイント部分を引っ張り出す。ジョイント部分から使用済みの紙パックを外し、新しい紙パックに付け替える。ちなみに紙パックの代わりになる、ダストバッグも付属。こちらは、洗えば何度でも使えるものだ。
妻は最初、紙パックを使い捨てにするのがもったいないと言って、再利用できるダストバッグを使っていた。だが、ダストバッグは、洗うのが面倒だし、ホコリも舞う。そのため、今では紙パックを交換している。家庭で使う分には紙パックはそれほど消費しないのでコスト的にも、大きな負担にはならないはずだ。
紙パックは10枚入りで、本体購入時に1パックが付属している。うちが購入したときは発送が遅れたので、お詫びの品としてもう1パックを付けてくれた。スティッククリーナーはメインの掃除機ではないので、大きなゴミが溜まると言うこともない。1パックあれば、相当もちそうだ。
ハンドルの先端にはライトが搭載され、ノズル方面を明るく照らしてくれる。これが意外と便利。コードレスのスティッククリーナーの場合、気の向くままに持ち運んで掃除出来るのが利点だ。その時、部屋の押し入れや納戸など、普段暗い場所に思いつきで入っていっても、部屋の照明を点けることなく掃除を持続でき、思いのままに掃除出来るのが爽快だ。
気になる点が1つある。10分くらい使っていると、妻の場合は、手にモーターの微振動が伝わってきて、軽くしびれたような感覚になるそうだ。確かに、気にするとそういう感覚がある。そもそも業務用だから軍手などの手袋をして掃除するケースが多いからだろうか。
使い終わったら、納戸のようなところに立てかけている。小型なので、こういう隅に置いてあっても邪魔にならないところも気に入っている。
ダイソンのようにカッコイイ掃除機だと、わざと部屋で目に付くところに置いておく、と言うのもあり得るだろう。だが、冷静に考えて、掃除機を他人に見せたいか? と考えてほしい。うちでは、やはり見えないところにしまっておきたい。
マキタは電動工具メーカーとして日本国内シェアナンバー1、世界シェアでも第2位のメーカーだ。一般人には知られているメーカーとは言いがたいが、その道のプロには昔から知られていた。今時、人様の家に行ってヨーロッパの有名ブランドの掃除機があっても誰も感動しないが、プロが使っているマキタの掃除機があった方がよほどインパクトも強いのではないだろうか?
(番外編)豊富なラインナップからどう一台を選びだしたか
なお、話を購入前に遡って、どうして充電式クリーナ「CL107FDSHW」を選んだのかを説明しておきたい。わざわざ話すのは、初めてマキタのスティッククリーナーのラインナップを調べた時に、その種類の多さに驚いたからだ。きっと筆者のように、どれにしようかな、と迷われる方もいるだろう。
なんでこんなに多くの種類があるのだろう? と見てみると、バッテリーの違いでモデル名が違うというのが、多品種となっている大きな理由。7.2Vから18Vまで5種類のバッテリーがあるのだ。更にそれぞれに紙パック式のものとカプセル式のものとの2種類がある。
まず、バッテリーの違いはパワーと駆動時間の差となるが、バッテリーが大きいものを選ぶと、全体の重さも重くなる。
次に紙パック式か? カプセル式か? だが、ランニングコストはカプセル式の方が安い。だが、自分でカプセルを清掃する手間が掛かる。紙パック式はたまったら取り替えるだけなので、その点が楽だ。紙パックも10枚入りで600円と、それほど高いものではない。家庭用なので、それほど頻繁に紙パックを換えることはないだろう。カプセル式はゴミを捨てる頻度の高い、業務用と考えた方が良いと思った。
以上のセレクトポイントから選ぶと、コストパフォーマンス的に10.8Vの紙パック式がかなりイイ選択だと判断した。バッテリーの容量としては真ん中で、駆動時間と大きさ重さのバランスが良いのだ。
参考までに、うちのマンションで使っていたのは7.2Vのカプセル式だった。掃除の人に使い心地を聞いたら、7、8分しかもたなくて、しょっちゅうバッテリーを交換していると言っていた。そのため、主に壁沿いとかのモップが届かない部分で使っているそうだ。バッテリー容量が少ない分、本体重量は軽いから、バッテリーのもち以外は便利とのこと。