家電製品ミニレビュー
曲がるパイプと薄型ヘッドで隙間掃除もラクラク! 話題のシャークのスティッククリーナー
2018年11月21日 06:00
アメリカの家電メーカー・SharkNinja(シャークニンジャ)が、コードレススティッククリーナー「EVOFLEX(エヴォフレックス)」を引っさげて日本上陸を果たしたのは、今年の夏のこと。
昨今ではテレビCMも流れ始め、徐々に知名度を上げているようだ。というのも同機を借りてレビューしていたところ、さほど家電製品に関心が高いわけでもない義叔母が、我が家に置いてあるエヴォフレックスを見て即座に「あ! これ! テレビでやってるアレでしょ!?」と、興味津々だったからだ。
今回は、そんな話題のコードレススティッククリーナー「EVOFLEX(エヴォフレックス) S30」をレビューする。
メーカー名 | SharkNinja(シャークニンジャ) |
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製品名 | EVOFLEX(エヴォフレックス)「S30」 |
価格(編集部調べ) | 60,700円 |
エヴォフレックスの特長として、ボタンをワンプッシュするだけで延長パイプがポキッと曲がる点が有名。パイプが曲がることで、家具の下の掃除がしやすくなるという狙いだ。また未使用時には、スクッと直立させておくよりも、その存在感が減らせるという効果もある。
正直いうと実際に使ってみるまでは、パイプを曲げて掃除するとラクだということに、疑問を感じていた。「それって必要?」という感じだ。だが、実際には、大きく2つのメリットがあることに気付いた。
1つは、CMで言われているように、家具下の掃除がしやすくなったこと。腰を折らずにしっかりと掃除できるので、ちゃぶ台の下はもちろん、収納棚の下の隙間掃除が断然ラクになる。
ただ、見えない場所を掃除することになるので、できれば事前に何があるかを確認しておいた方がいいだろう。1円/5円玉などは簡単に吸い込んでしまう。特に筆者宅では、子どものレゴブロックが散乱しているので、注意が必要だった。
ちょっと感動したのが、クリーナーヘッド部分が、見た目以上に薄かったこと。薄いから、他の掃除機では突っ込みづらいタンスの下の隙間は、パイプを曲げることも相まって、スイスイ掃除できた。
パイプを曲げられる利点の2つめが、持ち方を変えて掃除できること。
駆動やバッテリー部が本体上部、手元に集中しているタイプの掃除機は、持ち手に掃除機の重さをズシリと感じる。2部屋くらいを10〜15分くらいで掃除するくらいならいいが、それ以上だとツラい。
エヴォフレックスも同様で、前方にグイグイと突き出すように動かし続けると疲れるのだ……だけどハンドルの握り方は変えられない……。そこでパイプをポキっと曲げると、手をダラぁ〜んと下げて、悪く言えばだらしない感じで持てるのだ。
戸建てでもメイン掃除機として使える
例えば筆者のようにマンション住まいで、部屋数も少ない=狭い家の掃除であれば、1度の充電でほぼ隅々まで家全体を掃除できる。だが、2LDKや3LDK以上になると、バッテリー内蔵のスティッククリーナーだと、一度でくまなく掃除するのは難しくなるだろう。
バッテリーが着脱できて、スペアバッテリーも用意されているエヴォフレックスの「S30」なら、そうした不満を解消できるはず。
同機の駆動時間は標準時で約38分、強モードで約22分。バッテリーが2個あれば、単純に各約76分、約44分となる。
さらに一軒家だと、2階/3階建てという設計も多いだろう。そんな時に、キャニスタータイプや一般的なスティッククリーナーを持って階段を登るのはキツい。だが折り畳めるエヴォフレックスであれば、階段の上り下りの辛さが、いくらか軽減されるはずだ。
もうひとつ気になるのが吸引力だろう。一般的なホコリなどを吸い込むには何の問題もないと感じたくらいだった。特に吸引力が強いとか弱いとかも感じない程度。
だが、麦茶を畳に撒いてテストしてみたところ、かなりの吸引力を備えていることがわかった。たいていの掃除機では、(感覚値で)99%くらいは麦茶を吸い込むが、(同)1%くらいの麦茶が残る。エヴォフレックスの場合は、クリーナーヘッドを走らせると、それ以上の実力を示してくれた。
テストでは意識的にゆっくりと動かしたこともあるが、標準でも強モードでもしっかりと麦茶を吸い取ってくれた。自宅の掃除用途であれば、十分な吸引力だと言える。
高い吸引力と長いバッテリー駆動時間、それに本体の持ち上げやすさを備えているため、戸建て住宅でも十分にメイン掃除機として使えるだろう。
豊富なアクセサリー
アクセサリーとしては、ミニモーターヘッド、布団ツール、抗アレルゲンホコリ取り用ブラシ、ロングフレキシブルすき間ノズルが付属する。
メインのクリーナーヘッドを除き、一番多く使ったのが、ロングフレキシブル隙間ノズル。先端を引き出すことで最長45cmまで長さを延長できる。壁の隅などはもちろんエアコンのフィルター部なども、手を無理に伸ばさなくても余裕をもって掃除できた。しかもノズル先端が柔らかい素材のため、カツカツッといった音もせず、物を傷つけない。
最も使用頻度の高いメインのクリーナーヘッドについては、吸引力の高さに貢献し、収納棚の下の隙間にも入るサイズという点は実に良いと思った。
……けれど、メンテナンスが非常に面倒だったのが残念。
同クリーナーヘッドは、電源を入れると回転する吸込口の直下にあるブラシロールと、ゴミを掻き出すためのフロントロールとで構成される。フロントロールは着脱可能で、そもそも筆者の環境ではそれほど汚れてもいなかった。だが、ブラシロールについては着脱できない設計。
……むしろブラシロールを着脱可能にしてほしかった。筆者の環境では、掃除後に、こちらのブラシロールに主に髪の毛が巻き付いていた。メンテ方法としては、ハサミでちょきちょきと髪の毛を切り、それを手で抜き取っていく。
どの掃除機でも髪の毛は巻き付くものだが、最近の多くの掃除機ではロールが取り外せるので、ハサミで切った後に手で抜き取るのが比較的に容易だ。一方でエヴォフレックスの場合はロールが外せない。ハサミで長い髪の毛を切った後に、グイ……グイ……と地道にロールを回転させながら取ることになる。
残念なことは重なるもので、我が家には長い髪の毛の住人がいる。必然、掃除するたびに髪の毛が絡みついてしまう。この点は、真っ先に改善してもらいたいところだ。
メインのクリーナーヘッドは、フローリングモードとカーペットモードで動きが変わる。フローリングモードではフロントロールが低速で、カーペットモードでは高速で回転する。筆者宅にカーペットがないため試せなかったが、高速回転させることで、カーペットの根元のゴミまでかき出してくれそうだ。
ハンディクリーナーとしても使いやすい
延長パイプを外し、駆動部にクリーナーヘッドを装着すると、ハンディクリーナーとして使える。延長パイプを外しだだけなのに、ハンディクリーナーにすると、本体が非常に軽く感じる。
家全体をハンディクリーナーで掃除するのは疲れそうだが、階段掃除にはもってこいだろう。さらに、例えば畳の部屋のひと部屋だけで使う(贅沢すぎるけれど……)という場合には、この形にしておくと使いやすい。
まとめ
延長パイプが曲がるというのは、想像以上に便利だった。腰をかがめる必要がないから体力消耗を防げるし、これまで無意識に避けていた収納棚の下の隙間掃除も楽しくなる。
吸引力も十分なうえ、「S30」はバッテリーが2本付属しているので、フル充電しておけば、かなり広範囲を一度に掃除できる。
こうした点から、広いマンションや戸建ての掃除でも、メインの掃除機として十二分に活躍してくれるコードレススティッククリーナーだ。