家電製品ミニレビュー
“紙パック式”コードレススティック掃除機「iT」でゴミ捨てラクラク!
2017年7月19日 07:00
隙間や壁際が得意なパナソニックのコードレススティック掃除機「iT(イット)」シリーズから、ついに“紙パック式”が発売された。
サイクロン方式の掃除機は、ゴミ捨て時に飛び散りやすいため、最近は紙パック式も注目を集めている。キャニスター掃除機は今でも紙パック式が多数発売されているが、スティッククリーナーはサイクロン式がほとんどで、紙パック式は珍しい。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | コードレススティック掃除機 iT |
型番 | MC-PBU510J |
実売価格 | 57,960円 |
隙間もスイスイ入り込む人気のコードレススティック掃除機
iTシリーズの魅力は、小回りが効くこと。日本の家庭は家具が多く、隙間が多いが、iTは手元をクイッとひねるとヘッドが「T字」から「I字」になり、隙間ノズルのようにして隙間を掃除できることが特徴だ。
iTの初代モデルは、2016年に発売されたサイクロン式の「MC-BU500J」。使い勝手は良いものの、他のコードレススティック掃除機と同じように、ダストボックスを外すときにホコリが飛び散りやすかった。ダストボックスを本体から外し、さらに2つに分解してゴミを取り出す方式だ。iTに限らず、「サイクロン式は、ゴミ捨てのときにゴミが飛び散るから苦手」という方は多い。
MC-PBU510Jは、そんな声を反映して新たに追加された、紙パック式コードレススティック掃除機だ。紙パック式にしたため、正面から見るとゴミ捨て部分が少し大きくなっていて、中は紙パックが膨らむスペースとなっており、広くなっている。
純正紙パックが1枚付属しており、装着する際は紙パックを伸ばした状態で、横から差し込むようにセットする。装着は1分かからずにできた。なお交換用の純正紙パック「AMC-U2」の価格は、860円(10枚入り)。
「ハウスダスト発見センサー」でゴミを見つけてパワーを制御
サイズは252×153×1,160mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは延長管と床用ノズルを装着した状態で2.3kg。スティッククリーナーの中では持ち手の部分が高めなので、背の高い方でも腰をかがめずに掃除をすることができる。
目では見えない約20μmのハウスダストまで検知できる「ハウスダスト発見センサー」が便利だ。検知するとランプが赤く光り、キレイになると消灯するので、取り残しなくしっかりお掃除ができる。ゴミを検知すると、自動で吸引パワーを上げるので、細かなゴミもしっかり吸い取ってくれる。
ゴミの量に応じてパワーを制御し、電力のムダを省く。充電時間は3時間で、連続使用時間は自動モードが約15分~30分、強モードが約10分だ。
吸引力は問題なし! 大きめなゴミも小さな砂もしっかり吸い取る
ヘッドの前が開いて、壁際のゴミまでとれる「ガバとり」構造も便利だ。壁際に落ちていた砂も、キレイに吸い込んでいた。
吸引力をテストするため、ペット用の大きめなトイレ砂、細かい砂をフローリングや畳みに撒いてみた。
細かい砂は、押すだけではフローリングの溝に少しゴミが残った。しかし、引いて往復することで、畳の目につまったゴミや、フローリングの溝に詰まったゴミまで取りきることができた。
大きめのゴミも同様で、押すだけでは少し残ることもあるが、引いて一往復することで、キレイに取れている。壁側まで一往復でこれだけキレイに取り切れるのであれば、ふだん使いでも十分な吸引力と言えるだろう。
すき間掃除が楽にできる!
また、手首をひねるだけでヘッドがI字になるiT独自の「くるっとパワーノズル」により、家具と家具の間も掃除しやすい。ノズルを交換することなく、隙間などにそのまま入れて掃除可能だ。
もちろん床用ノズルが入らないような狭い場所では、すき間用ノズルに交換する必要があるが、交換しなくてもいいすき間も我が家には多かったので重宝している。
紙パック式なので、ゴミがたくさん詰まってくると、吸引力が落ちてくる感じはある。しかし、サイクロン式でもゴミが溜まって詰まってくるとうまく吸わないことがあるので、それほどストレスは感じなかった。スッと横にスライドするだけで紙パックが外れるので、ゴミは飛び散らない。紙パックの交換は月1回で、使用済みのものはそのままゴミ箱に捨てればいいので簡単だ。
なお、iTは高いところの掃除は少し苦手。本体が長いので、両手で支えないと重くてフラフラするのだ。もう少し軽い本体であれば立体的に掃除ができるのだが、現状では長い本体の重量バランスもあって、実際の重量以上に重く感じる。
高いところや棚などの掃除というよりは、しっかり床面を掃除できるコードレススティック掃除機と考えたほうがよいだろう。壁際や隙間などの掃除は任せられるので、床の隅々まで掃除をしたいという方に向いている。
ピタッと壁にくっついて倒れない!
気に入った点は、滑り止めゴムが後ろ側にあり、スッと立てかけられること。自立しないタイプは、掃除を中断するたび扱いに困る。立てかけても滑ってバターンと倒れ、ダストボックスの蓋が開いてせっかく吸い込んだゴミをまき散らす……といった惨事を何度も経験しているが、滑らず壁紙にピタッとついてしっかり立てかけられるので、本体が倒れてしまうことがない。
滑り止めゴムがついているだけの地味な改善ではあるが、こういった細かい工夫が、掃除の負担を軽減してくれる。個人的にはとても気に入っている機能だ。
床面をメインに掃除するなら最強のコードレススティック掃除機
気になったのは、充電台が壁掛け式になっていることだ。ネジを使って取り付けるため、賃貸では取り付けられないという方がほとんどではないだろうか。立てかけたまま充電もできるが、使い勝手は良くない。コネクターが本体裏側の奥まった狭い場所にあり、暗いブラウンなので見にくい。毎回、電源コードを刺すときに面倒くささを感じている。
7月31日までに購入して愛用者登録をすると非売品の「壁寄せ充電台」が抽選で当たるキャンペーンを行なっている。こういったパーツがあれば壁掛けのようにしてスッキリ使えるので、ぜひ販売してほしい。
紙パック代のランニングコストはかかるが、ゴミ捨て時にゴミが飛び散ることもなく、衛生的に使えるコードレススティック掃除機だ。床掃除のしやすさについては、自信をもっておすすめできる。紙パック派の方は、注目していただきたい。