家電製品ミニレビュー

とにかくパワフルな吸引力が魅力のスティッククリーナー「パワーブーストサイクロン」

 日立から、クリーナーヘッドやブラシ、ホースなど、多彩なアクセサリーを付属したコードレス・スティッククリーナー「パワーブーストサイクロン PV-BEH900」が発売された。

 使わせてもらえる機会がやってきたので、さっそく持ち帰って使ってみた。

 使ってみた印象を先に書くと、とにかくパワフル。感覚値では畳の目や、その奥に詰まった小さなゴミまでも吸い取ってくれそうな勢いだった。

コードレス・スティッククリーナー「パワーブーストサイクロン PV-BEH900」
メーカー名日立アプライアンス
製品名パワーブーストサイクロン「PV-BEH900」
価格(編集部調べ)43,000円

 箱を空けて中から本体ほかを出していく……だが、出しても出しても終わらない。そう、同機には物凄い量のアクセサリーが付属しているのだ。スマートホース、パワーヘッド、ミニパワーヘッド、ほうきブラシ、ハードブラシ、ハンディノズル、マルチすき間ブラシと、とにかく豊富。

アクセサリーの数々

 中でも珍しいのが、一般的なスティッククリーナーには付属しないホース(スマートホース)が同梱されている点。このホースを本体に直結して、その先に例えばパワーヘッドを取り付ければ、階段の掃除などに便利そうだ。もちろん、ホースの先に、ほうきブラシやマルチすき間ブラシを取り付けても良い。

 ただ、なにせ我が家は、賃貸マンションの狭い一室。2階に上がる階段はなく、複雑な棚などもない。ということで、当レビューでは、純粋なスティッククリーナーとして使いやすいのかどうかを検証した。

気持ち良いくらいに吸い取る「強」モードの吸引力

 吸引力に関しては、文句なしのパワフルさを発揮してくれた。吸い込む力で床面にピタッと貼り付く。同時にパワーヘッドが生み出す推進力で、前方へとスムーズに進んでいく。

 畳の床でも同様。一般的な掃除機だとフローリングよりも吸い付きが悪くなるものだが、同機ではほとんど変わらない吸引力が手に伝わってくる。畳の編み目の奥からも細かいホコリやゴミなどを吸い取ってくれていそうだ。

標準モード
強モード

 標準モードでは吸引力が弱まるが、音もかなり小さくなる。深夜や朝方に掃除がしたくなっても、標準モードであれば近所にも迷惑をかけないだろう。

パワーヘッド
ヘッドの裏側にあるつまみを取り外すと
ブラシやローラーを取り外して掃除するのも簡単

 ヘッド部分の柔軟性に関しては、やや硬めの印象。好みによるだろうが、せっかちでヘッドの向きを左右に素早く変えたい人には向かない。

パワーヘッドの左右方向への柔軟性は硬め
ヘッドの向きを変えるには、少し力が必要

 パワーヘッドには前方を照らすLEDが内蔵されている。棚の下や納戸の中など、少し暗いエリアを掃除する際には、ゴミやホコリが視認できて掃除しやすい。

前方にあるゴミやホコリを照らしてくれる

ゴミ捨ては最高にラク!

 サイクロン式のスティッククリーナーの弱点は、ダストボックス(=ダストケース)に溜まったゴミの処理の面倒臭さ。ゴミ捨て時には、ゴミやホコリが舞ったり、撒き散らしかねない構造のモデルも多い。

 だが、PV-BEH900は、ダストボックスの脇にあるボタンを押すだけで、フタがパカッと開いて、ザバッとゴミが落ちてくれる。フタが開くと同時に、内筒フィルターが少し飛び出すので、所要時間数秒で、95%以上のゴミがポンッと出てくるのだ。

ゴミ捨て時にはダストボックス上部にある青いボタンを押す
青いボタンを押すとフタがパカっと開いて内筒フィルターが少し飛び出す

 ダストボックス内を隅々までキレイにするのは面倒だが、前述の方法であれば、100%のゴミは処理できなくても、吸引力を最高に保つ程度にはメンテナンスできている。他社メーカーでも、同様の構造のものはいくつかあるが、同機の構造はスムーズに捨てられる点で優れている。

 上記の方法であれば頻繁にゴミを捨てられる。だが、もっと徹底的にダストボックス内部を掃除したい場合には、パーツを分解する。分解すればプラスチックのパーツに関しては水洗いも可能だ。

ダストボックスを分解したところ

豊富なアクセサリーを付け替えれば部屋の隅々を掃除しやすい

 使用期間中のほとんどを、本体+延長パイプ+パワーヘッドの組み合わせで使っていた。その他で、たまに使ったのはマルチすき間ブラシ。何がマルチかと言えば、先端のブラシの中から、すき間掃除用のノズルが引っ張り出せる。ブラシでゴミを掻き出したり、ノズルを引っ張りだして、そのまま吸い取ることもできる。

マルチすき間ブラシ
ノズルを引っ張り出したところ
雑誌が凸凹に並んだ棚を掃除するのに重宝

 マルチすき間ブラシと、ほうきブラシとで、どちらを使うか迷うところだが、筆者の場合は、前者の方が用途の汎用性が高いように感じ、自然と使うことも多かった。

中央に固めのゴムチューブを、周りに柔らかいブラシを配置した、ほうきブラシ
先端をひねるように回すことで、角度が変えられる

 本体にミニパワーヘッドを直結すれば、ふとん掃除機としても使える。元来の吸引力の強さからか、少し掃除しただけで、こんなにほこりが付着していたのか! と驚くほどのワタゴミが集まった。

パワーヘッドよりも一回り小さいミニパワーヘッド
ふとんに貼り付いて、しっかりとゴミを吸い取ってくれた

充電=収納時がやや面倒

 アクセサリーが豊富な点もだが、筆者のように極度のめんどくさがり屋だったりすると、できるだけアクセサリー類は着脱したくない。その点で同機は、もっとキチンとした性格の人、もしくは隅々まで掃除したい人に向いている。

 たとえば、スティッククリーナーとして使った後に、充電しようとすると、延長パイプを外して充電台に差し込まないといけない。逆に使う時には、本体を持ってから延長パイプ+パワーヘッドを取り付ける必要がある。

 もちろん、たいした手間ではないのだが、充電台からサッと取り出してサッと掃除できる常用しているスティッククリーナーと比べると、どうしても手間に感じてしまう。

説明書通りに正確にパーツを取り付けた充電台

 結局、スマートホースについては狭小な我が家では使う機会がなかったが、2階建て住宅などであれば、階段などを掃除する際に重宝しそうだなと想像できる。

本体+スマートホース+ほうきブラシで取り付けたところ

河原塚 英信