家電レビュー

パナ「暖房敷きパッド」で快眠生活を送る。温度調整が秀逸

パナソニックの暖房敷きパッド「DB-BM1L」

2023年の年明けをどのように過ごしましたか。私はパナソニックの暖房敷きパッド「DB-BM1L」を体験しながら心地よい眠りにおぼれていました。ベッドのマットレス、または敷き布団に簡単に足せる寝室用暖房家電のスマートな使い方をレポートします。

柔らかな寝心地。洗濯もできる

同社の寝室用暖房家電のラインナップには掛けタイプの電気毛布もありますが、今回筆者が試したDB-BM1Lは敷きタイプです。実売価格は21,980円。

寝具と組み合わせて使うもので、私は和室に布団を敷いて寝る派なので、敷布団の上に重ねて使いました。4つのコーナーにバンドが付いていて、敷き布団でもマットレスでも固定できます。

サイズは約100×200cmなので、シングル布団に適しています。わが家の敷き布団は本機よりも少しサイズが大きいため、四隅の固定ができず、枕側の2点だけを固定して使いました。筆者はあまり寝相は良くないほうですが、目覚めた時に敷きパッドが大きくずれていることはなく、温かく眠ることができました。

表面の素材には、ふわっと柔らかなマイクロファイバーを採用しているので肌触りが心地よいです。厚みは約2cmなので、体の沈み込み方などが大きく変わることはありません。ケーブルを外して洗濯もできます。

バンドで枕側の2点だけ固定。寝返りをうっても敷きパッドが大きくずれることはありません
肌触りの良いマイクロファイバー素材を採用。薄手の敷きパッドなので、体の沈み込み方などが大きく変わる心配もありません

睡眠中は温度を下げる「快温モード」

DB-BM1Lには3つの運転コースがあります。ひとつが9段階の設定温度でずっと温め続ける「連続」コース、もうひとつは「切タイマー」を活用し設定時間だけ温めるコースです。

切タイマーは1時間単位で最大12時間後まで設定できるので、寝る前に布団を温めておき、深い眠りに入るまでの一定時間だけ本機を頼りたい場合は、こちらが便利でした。

そして3番目のコースが、本機の最大の特徴である「快温モード」。ユーザーが心地よく眠れる温度設定に、自動で最適化してくれるスマートな機能です。

運転コースは3つ。「連続/切タイマー/快温モード」

快温モードの操作はとても簡単。コース選択で「快温モード」を選ぶと、まず設定した温度まですばやく上昇し、布団の中を温めてくれます。「おやすみスタート」ボタンを押すと徐々に温度が下がり、睡眠中は温めすぎないようにコントロールされます。おやすみスタートを押さなかった場合は、通電開始1時間後に自動で温度が下がります。

快温モードでは、あらかじめ起床時刻も設定しておきます。これにより、起床時刻よりも前に徐々に敷きパッドの温度を上げてくれ、時間になるとアラームが鳴り心地良い目覚めをサポートしてくれるのです。アラームが鳴ってから30分経過すると、通電は自動でオフになります。アラームOFF設定も可能です。

快温モードではまず布団を温め、「おやすみスタート」を押すと温度が下がり、設定した起床時間が近づくと再び温度が上がります

快温モードの設定温度も9段階に調整可能。操作部には弱~中~強の表示があり、弱が「1」、中が「5」、強が「9」に該当します。最初に設定した温度によって睡眠中の温度の下がり方も変わります。

説明書によると、温度推移は設定レベルによって以下のようになるようです。途中で設定温度は変えられるので、睡眠中に暑い/寒いと感じても調整できます。

なお、本機は室温センサーを搭載しており、室温が約5℃下がると温度設定を自動で約1℃上げて運転します。急に冷え込んだときでも快適に過ごせそうです。

快温モードの温度推移(室温20℃の場合)
設定「9」(強)
おやすみ前 約50℃
睡眠中 約37℃
お目覚め 約50℃
設定「5」(中)
おやすみ前 約46℃
睡眠中 約31℃
お目覚め 約38℃
設定「1」(弱)
おやすみ前 約43℃
睡眠中 約23℃
お目覚め 約29℃

筆者は温度設定「3~4」で、真夜中の外気温が1~3℃前後の夜も心地よく眠れました。もっと寒がりな家族は「5~6」の設定が良好だったようです。

連続コースだとやはり布団の中が温まり過ぎてしまい、掛け布団がはだけてしまうことがありました。ですが快温モードは心地よく朝まで眠ることができ、自分の睡眠スタイルに合っていると思いました。

温度設定は全9段階。目安として弱~中~強の表示もあります

安全・安心な使い勝手を追求。省電力も

眠りながら使う暖房家電としての「安心設計」には、徹底的にこだわり抜いているようです。睡眠中の万一に備えて、ヒーター線・制御IC・コントローラーに異常が発生した場合には、即座に運転を自動ストップします。

操作は有線コントローラーで、電源も壁コンセントにつないで給電する方式です。「今どきワイヤレスじゃないの」と、筆者も最初は思いました。

実際に使ってみると、寝ぼけながらでもケーブルを頼りにコントローラーをたぐり寄せてマニュアルで温度を調整したり、電源をオフにできるので安心です。

コントローラーは有線なので、寝ぼけながらでも探しやすい

便利だからと言って、電気式寝具の消費電力を気にしないわけにはいきません。DB-BM1Lの消費電力について、パナソニックはわかりやすい指標を公開しています。

「連続」コースを使った場合、1時間の電気代は約1.6円。快温モードはさらに約30%カットできるようで、1時間約1円です。例えば毎晩7時間の睡眠を取れば1週間の電気代は約49円。冬季の4カ月だけ使うなら、1,000円前後という計算になります。十分に経済的と言えるのではないでしょうか。

1時間の電気代(電力料金目安単価31円/kWhで計算)

こんな使い方はアリ? 注意点・疑問点

筆者はスマートウォッチやフィットネスバンドによる睡眠トラッキングを、常日頃から自分の健康チェックの手段として活用しています。DB-BM1Lで温まりながら、眠っている時間内にもスマートウォッチを着けっぱなしにしても、デバイスに負担はかからないのでしょうか。

パナソニックに問い合わせてみたところ、今のところまだ正確な検証データはないという回答でした。筆者が試した限りでは、特にApple Watchなどスマートウォッチの動作が不安定になることはないようです。身に着けるデバイスの耐熱スペックなど確認して、DB-BM1Lの標準表面温度にも耐えられるデバイスを使用する方が無難だと思います。

睡眠トラッキングに対応するスマートウォッチを装着したまま眠っても各機器にトラブルが発生することはありませんでした。が、ウェアラブルデバイスの耐久性能は事前に確認してから使う方が良さそうです

ほかにもパナソニックの暖房敷きパッドにはいくつかの使用に関する注意事項があります。詳しくは製品のガイドページをご覧いただくとして、ここでは「強い無線電波を発する機器に近づけないこと」や「電気あんかなどほかの寝室用暖房家電との併用は不可」であることは、購入検討のための事前情報として紹介しておきたいと思います。

また、本体は折りたたんで片付けることができますが、折りたたんだまま通電させて座布団のように使うことはできません。

説明書記載の注意事項

寝具なのでお手入れ方法も気になるところ。本機は、コントローラーが付いているケーブルが着脱できるので、ケーブルを外せば洗濯ができるのです。洗濯するときは、ケーブルのコネクター受けを本体の内側に包み込んで折りたたみ、丸めて洗濯ネットに入れる必要があります。

ただしドラム式洗濯機は使えないので注意が必要。ドラム式はたたき洗いのため、内部のヒーターを傷めるおそれがあるからだそうです。

パッドの熱でダニを駆除する「ダニ対策」の機能も搭載。時間はかかるものの、放置しておけば簡単にできるので、シーズンの終わりごとに処理をしてから収納するとよいでしょう。

ケーブルは毎度使用する時にパッドに装着する方式。パッドは丸洗いができます

睡眠の質を高める暖房敷きパッド。寝具の数も省ける

商品紹介ページではベッドで使っているイメージが主に紹介されていますが、電源ケーブルを挿すコンセントとの距離が調整しやすいので、むしろ和室で布団と組み合わせて使う方がアレンジが効いて良いのではないかと筆者は感じました。寝具の数を減らせるので、押し入れなど収納スペースの有効活用にもつながります。

寒い冬に布団や毛布など沢山の寝具を使ってしまうと、その重さは体の負担にもなります。暖房敷きパッドなら1枚でとても温かいので、体の負担軽減という面でも睡眠の質を高められそうです。

冬場は寒いと眠りが浅くなり、代わりに日中の眠気やだるさが続くこともあります。日中のパフォーマンスを上げるためにも、睡眠の質向上を期待できる暖房敷きパッドはおすすめの1台です。

山本 敦