家電レビュー

鍋に無水調理も! 象印のおしゃれホットプレートが毎日使える

象印からおしゃれかつ実用的なコンパクトホットプレートが発売された。その名も「デイリーコンパクトプレート」。名前の通りコンパクトでテーブルに置いても食材やお皿を置く余裕がしっかりあってとてもいい感じ。

1カ月みっちり使った結果、ただのファンとなってしまったので、その素晴らしさをレポートしたい。

プレートは、平面、深なべ、たこ焼きプレートの計3枚が付属。これ1台で、日々の焼く、炒める、煮る、蒸す、炊くなどなど、ほぼ全ての調理をカバーしてくれるコンパクトながら万能なヤツだ。

デイリーコンパクトプレート一式

火力にびっくり! コンパクトさがちょうど良い

まずは平面プレート。遠赤トリプルチタンセラミックコートになっていて、金属ヘラまで使えるしっかりとした作りのプレートだ。ただのフッ素加工のプレートではないので、シックな高級感がある。

プレートの表面には細かい凹凸があって、食材の接地面が少ないためか焦げ付きにくいし、キッチンペーパーでサッと拭き取るだけで、汚れも油も軽い焦げもサラッと取れる。

鉄鍋のような熱伝導にフッ素加工の扱いやすさを兼ね備えたような、とても良いところ取りの優秀なプレートな印象。年単位で使った時の剥がれなどは分からないけれど、剥がれたりする感じは全くしない。

ダイヤカットディンプル仕上げの平面プレート

そして、プレート自体の優秀さはもちろんなのだけれど、やっぱりこの本体のコンパクトさがちょうど良い。ホットプレートで焼肉をしようとする時、通常の大きなホットプレートの難点は、「テーブルをホットプレートが占領して、食材のお皿を置く場所がない」だと思う。

お肉や野菜の食材に薬味やタレ、結構盛り沢山なのに、ホットプレートに占領されて、置き場所がない! となりがちだ。その点このホットプレートならテーブルの上も余裕。1度に焼ける量が少ないという心配も、火力の強さがカバーしてくれると思う。

このホットプレート、本当に火力が強いのだ。2人で焼肉をした際に、最初HIモードで焼いていたけれど、食べるのが焼きあがるスピードに追いつけず、すぐにMEDモードに、そして空腹が落ち着いてからは、LOWモードで焼いていた。

色々並べてもテーブルの上は余裕のスペース

4人くらいならこの大きさで全く問題ない気がする。油が多いホルモンなどを焼いたあとは、サッと油をキッチンペーパーで拭き取るだけで、いつでも綺麗なプレートで焼けるし、片付けも楽。プレートだけじゃなくて、本体ガードもヒーターから取り外せるので、まとめてじゃぶじゃぶと洗うことができる。

一体型の場合、油跳ねした本体を地道に濡れたペーパータオルなどで拭き取るのは地味にストレスだ。汚れるのが嫌で料理を選ぶようになるので、徐々に出番が減って使わなくなるという末路を辿るのが目に見えている。

お手入れが簡単というのも毎日使うものの大切な要素だ。プレート3つを重ねて蓋をして収納できるので全然嵩張らない。

焦げ付かない。さっと油も拭き取れる
本体ガードとヒーターも取り外せる
プレートは重ねて収納できる

朝ごはんにも便利

デイリーコンパクトプレートという名の通り、「焼肉するぞ!」なんて特別気合いを入れた時じゃなくても、毎日朝からでもこれがあるととても便利。

朝はハムやベーコンと共に卵を割るだけで、ささっと簡単美味しいハムエッグとか作れる。ハムと卵が余裕を持って2人分のせられるサイズのプレート。後述するちぎりパンを前の晩に焼いておくと、最高な朝が迎えられる。

パンをちぎりながらそのまま食べるも良し、ちぎったパンをホットプレートの上に乗せて、ハムの脂を吸わせながら炙って食べると最高! デイリープレート1つで豪華で楽ちんな朝食。

朝ご飯に簡単ハムエッグ
深なべで作ったパンも一緒に

夕飯に昼食に、もちろんおやつにも! ホットケーキはおやつだけじゃなくて朝食やランチにも使える。焼きたてのどら焼きも。火力が強いので、薄いどら焼きの皮は瞬間で焼きあがっていく。

1度に4枚焼けるかなと思ったけれど、くっつきそうなので、2枚ずつ焼く方が無難だなという感じ。どんどん焼けちゃうので、まとめて焼いてから餡などを挟んでゆっくりお茶をする方が良さそうだ。

餡子だけじゃなくてホイップや果物なんかも用意して、好きな具材で手巻き寿司パーティーのようなどら焼きパーティーをすると、友達や子供たちとも盛り上がれそうな気がする。

おやつにも大活躍
焼き立てのどら焼きが美味しい

深なべが優秀すぎて毎日使える

このデイリーコンパクトプレートは、ホットプレートとしても優秀なのはもちろんだけれど、やっぱりとにかく鍋が優秀すぎる!

広さも深さも格好よさもピカイチで、電気鍋単品としてもかなり魅力的な1台である。これから寒い冬の季節、毎日フル活用できるのではないだろうか。

まずは容量。コンパクトに見えて3.1Lという結構な大容量。5.5cmという深すぎないサイズも深型のフライパンのように非常に使いやすい。

コンパクトに見えて3.1Lの大容量

容量がわかりやすいかなと思って作ってみたのはおでん。スタンダードな大根に卵にこんにゃく、白滝に練り物も。大好きな牛すじは、よくおでん用に売っている白いアキレスよりも、カレーなどに使う赤筋の方が好きな上に、串にちょろっと刺さってるだけだと物足りないので、300gも入れてしまったという完全個人的な趣向。

これだけ入れて丁度ピッタリくらいの容量。おかずに食べるんだったら、4人でも十分な量だろう。

熱々のおでんを食べる幸せ

寒くなってきたら毎日鍋でもいいと思う私、とにかくたくさんのお野菜が食べられて嬉しい。もつ鍋をした時、かなり大きなキャベツが2分の1玉、小ぶりなものだったら1玉くらい簡単に入った。もつは300g程度、そこにもやしもたっぷり。ニラやニンニクや唐辛子を散らして完成。お野菜はクタッと小さくなるので、結構ペロリと食べられる。深すぎない鍋が作りやすいし食べやすい。

作りながら気になったのは火加減。お湯が湧いて、蓋からフツフツと吹きこぼれそうになったので、HIモードからLOWモードに火力を落としたけれど、気密性が非常に高いので、一度蓋を開けない限り、温度が中々下がらない。

慣れるまでは、吹きこぼれそうで慌てて火力落として吹きこぼれて慌てるということを繰り返した(笑)。1カ月ほど使ってみたけれど、火加減は慣れるのに時間がかかるし、未だにイマイチ分からない。全体的に火力は電気鍋にしては強めな気がする。

「WARM/LOW/MED/HI」と4モードあるけれど、LOWでもグツグツ煮立つ感じがする。出来上がって食べるときはWARMモードで十分。電気鍋は火が弱いという私の先入観のせいもあるかもしれないけれど、火力が全体的に強いのは、嬉しい誤算な感じでもある。

大好きなもつ鍋も深なべで簡単に
ギュウギュウに詰めたので吹きこぼしてしまった
2人では食べきれない程のもつ鍋

どの鍋にも言えることだけれど、開けた後の蓋はみんなどうしているだろうか。そのまま置くとテーブルも蒸気で水浸しになるし、返して置くときは火傷しないように気をつける必要がある。

もう閉めないという時は一度席を立って洗い場に持っていくのだけれど、サッと開けてサッと置けてサッと閉じられるように、このスマートなホットプレートにおかれましてはスマートな蓋の扱いができるように工夫して欲しいなぁと思う。

蓋置きを付属するか立てられるように取手の形状を変えるのか、どんな形になるか分からないけれど、カッコイイと使い勝手が良いはきっと両立できると思うのだ。象印だったらこの蓋問題をどう解決できるのか、ちょっと進化を見てみたい期待を持ってしまう。

期待していた「無水調理」が最高だった

そして、普通のお鍋もかなり満喫しているけれど、このデイリーコンパクトプレートで、私が1番期待していたのは「無水調理」ができること。無水調理とは名前の通り水を加えず、野菜などの素材の水分だけで作る調理法だ。

通常の構造なら、水分が蒸発してしまうので水を加えないと先に焦げてしまって上手く調理できない。この鍋ならウォーターシールという水の膜が蓋と本体の間にできることで、密閉状態を作り出し、鍋の中を定温定圧力状態に保ってくれる。

さらに蓋が波々のリブ構造になっていることで、食材から出た水分がうまく食材に還元されて、食材の水分だけで調理することができるのだ。程よい重さにリブ構造と、無水調理を可能にするこの蓋に込められた工夫にとにかく感動と感激!

無水調理を可能にする工夫された蓋

食材が持つ水分だけで作る無水料理は、栄養素や旨味が茹で汁に流れでてしまうことも無いので、味がぎゅっと濃縮されてとても美味しい。舌にも体にもとっても優秀な調理法なのだ。無水料理のレシピは公式サイトにもいくつか公開されているので、参考にすると良いだろう。

無水カレーなんて、トマトと玉ねぎの甘さがギューっと詰まって最高に美味しい! ポン酢で食べる白菜のミルフィーユ鍋を作ってみると、仕上がりは中までしっかり火が通り、白菜はトロトロ、そして焦げるどころかじっくり火を通した鍋にはクツクツと沸騰する水分が十分に残っていた。

白菜と豚バラ肉、たったそれだけの材料なのに、とにかく甘くて美味しかった。無水調理ができるコンパクトプレートってどんだけ優秀なんだ。

白菜と豚バラだけ。水も加えない。
素材から染み出す水分
素材の水分だけでトロトロの白菜に仕上がる

無水調理でちぎりパン

無水調理ができるなら、パンだってしっとり柔らかに仕上がるはずだ。ちぎりパンも作ってみた。ちぎりパンのレシピはちょっと調べると無数に出てくるので省略するが、レシピの多くは小麦粉250g程度で作るけれど、大容量な鍋なので、小麦粉400g分で鍋いっぱいのパンを作ることができる。もちろんぎゅうぎゅうに作る必要もないので、食べる量だけを作れば良い。

生地を捏ねている間にLOWモードで軽く温めてから、スイッチを切ってパン生地を入れて蓋を閉めると、温かい鍋の中で発酵も簡単にできる。2次発酵まで終わったらLOWモードにして20分程度焼くと完成。

表面が白いままなので、ひっくり返して表面も焼いた方がよかったかもしれないなと思うけれど、予想通り水分多めのフワッともちっとしたパンが仕上がった。オーブンで作るパンとはまたちょっと違う食感だけれど、ボウルと鍋だけで簡単にできるまさにデイリーなパン。

余熱でパンの発酵もお手の物
もっちりしっとりのパンが焼き上がった

通常の鍋として、無水調理の鍋として、そして深型のフライパンとしても使えるのがこの深鍋。具沢山のパエリアは平面プレートよりもこの鍋の方がサイズ的に良い。

鍋で具材を炒めて、水を足して煮て、そして重たい蓋でしっかり蒸らして、最後は強火でおこげ作って、完璧なパエリアが作れる。普段のご飯にももちろん美味しいけれど、クリスマスパーティーやホームパーティーでも大活躍できる一品である。

炒めたり煮たり蒸らしたり、1台で何でもできる
最後の強火でお焦げもバッチリ!

たこ焼きプレートは酒の友

ホットプレートってたこ焼き用の鉄板が付属していることが多いけれど、私はそれが常々不思議だったというか、「必要?」と疑問に思っていた。というのも、そんなにたこ焼きをする頻度って高いのか? という疑問もあったし、電気調理器はどうしても火力が弱いイメージがある。

強火で周りをカリッと焼き上げて、中でグツグツ沸騰させるように作ることで最高のカリットロッが実現できるたこ焼きとそんなに相性が良いと思えないからだ。

でもこのデイリーコンパクトプレートはとにかく火力も十分だし、波型3往復ヒーターのおかげで端までムラなく全体に熱が伝わるので、プレートの隅々までしっかりと焼けて、周りがカリッと中はトロッとしたたこ焼きができる。優秀! 24穴という大きさも焼きながら食べるのに丁度良い。

四隅もしっかりムラなく熱が伝わる仕組み

もちろんたこ焼き用のプレートはたこ焼き以外でも大活躍。ベビーカステラ風のおやつはもちろん、卓上おつまみ家電としてめちゃくちゃ優秀なのだ。

相当美味しいのでおススメしたいのが焼きシュウマイだ。OFFの状態でシュウマイの皮をたこ焼きの穴に押し込むように入れて、シュウマイのタネをスプーンで詰めて、そこからHIモードで加熱する。くっつかないのでもちろん油は引かなくて良い。

プレートがしっかり温まってチリチリと焼けるような音がし始めたら、100ccほど水を流し込んで、蓋をしてMEDモードで5分程蒸し焼きにする。蓋を外してから完全に水分が飛ぶまで焼いたら、あとはWARMモードで保温しながら頬張るだけ! 仕上げに油を少し足して揚げ焼きにしてカリッと揚げシュウマイみたいにするのも美味しい。熱々シュウマイを前にお酒が進む進む(笑)。

包む手間もなく簡単に作れる焼きシュウマイ
水入れて蓋をして蒸し焼きに
皮がカリッと、肉汁ジュワッと最高の仕上がりに

マッシュポテトとナチュラルチーズ、そこにコーン缶を混ぜたものをボール状にしてたこ焼き器でカリッとなるまで焼き上げると、ワインが止まらなくなるのでこれまたおススメ(笑)。たこ焼きプレートはたこ焼きのみならず。お酒のお供として、ずっと卓上にいてほしい!

まとめ

本当に名前の通り、毎日使えるデイリーコンパクトプレート。食卓に出しっぱなしでも全然気にならない、むしろ出しておきたいどんなインテリアにも馴染む感じのおしゃれさ。見た目も格好良い、使い勝手良い、お手入れ楽で大変良い。三拍子揃ったこのデイリーコンパクトプレート。

見た目よし、機能よし、お手入れも楽

そのほかに、プレートが載っていないとスイッチを入れても加熱されない安全設計とか、本体ガードが平面プレートより高く設計されていて火傷しにくい安全設計とか、場所を選ばないちょっと長めの2.5mケーブルとか、もう随所に毎日家族全員で使える工夫が施されている。

普段使うフライパンのように、普段使う鍋のように、それが卓上で日々使えるデイリーコンパクトプレート。卓上で調理することで、食卓を囲む全員が自然と調理に参加してしまうのもとっても良いなと思ったのでした。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。