家電レビュー

運転音が苦手な子供の髪を乾かせる、シャープのドライヤーを2歳児に使ってみた

シャープ「プラズマクラスター ドレープフロードライヤー IB-WX3」。子供の髪をやさしく乾かせるモードが新たに搭載されました

昨今ヘアードライヤーは各社さまざまな機能を搭載し、それぞれ独自の進化を遂げています。その中でも、8月にシャープが発売した新モデル「プラズマクラスター ドレープフロードライヤー IB-WX3」は、地味ながらも画期的な機能を搭載しました。

今まで最弱風量だった「SET(小)」よりもさらに弱い風量の「ジェントルモード」が新たな特徴です。送風音や強風が苦手な子供の髪をやさしく乾かせるよう搭載されたモードで、風量だけでなく風温も低めにされています。

このジェントルモードで2歳の子供の髪を乾かしたところ、今までドライヤーを使おうとすると逃げ回っていたのが嘘のように、スムーズに髪を乾かせるようになりました。ジェントルモードを中心に、新モデルの魅力を紹介したいと思います。

ジェントルモードを新たに搭載
本体のほか、説明書とセット用ノズル、清掃ブラシが付属。実売価格は34,980円

IB-WX3では風量ボタンを押すごとに「TURBO(大)/DRY(中)/SET(小)」に切り替わり、風量ボタンを長押しすると「ジェントルモード」になります。隣にモード設定ボタンがあり、こちらは押すごとに「HOT/SENSING/BEAUTY/SCALP」に切り替わります。

HOTは風温が約95℃、SENSINGは距離センサーにより吹き出し口と髪の距離を測定し、AIにより髪表面の温度が55℃以下となるよう送風温度を自動的にコントロールするモード。

BEAUTYは温風と冷風を自動で繰り返し、キューティクルを引き締めるモ―ド、SCALPは約50℃の温風で地肌をいたわりながら乾かせるモードです。モードを切り替えると、HOTは赤、SCALPは緑など、送風口のランプの色が変わります。風量も切り替えると光の強さが変わり、触覚だけでなく視覚的にもモードや風量を確認できるようになっています。

左上が風量、右上がモード設定ボタン。ジェントルモードは風量ボタンを長押し
HOT設定時はランプが赤に。風量を弱めると光も弱くなります
風温約50℃のSCALPは緑

ジェントルモードの風温は公表されていませんが、体感だと約50℃のSCALPくらい。途中でモード設定ボタンを押しても切り替わらないので、HOTの風温になることはありません。ですが冷風には対応しており、中央の冷風ボタンを押すとジェントルモードの弱風で冷風を吹き出せます。

また、子供の髪に使うことを想定しているので、吹き出し口に手や頭が近づくと距離センサーにより自動で冷風に切り替わります。

ジェントルモード使用。風温はHOTやSCALPには変えられませんが、冷風には切り替えられます。冷風は青いランプに
通常のジェントルモード使用時。HOT設定時と同じ赤いランプですが風温は低いです。写真だけだとHOTと同じ赤でわかりづらく感じますが、実際に風を当てると温度が明らかに低いです
ジェントルモード設定時は、吹き出し口に手を近づけると自動で冷風に切り替わります

IB-WX3は電源を入れるとまず、最大風量・風温の「TURBO・HOT」で運転がスタートします。この状態で子供の髪を乾かそうとすると、音に反応して逃げられるのですが、すぐにジェントルモードに切り替えると怖くないようでピタっと大人しくなります。

運転スタート時からジェントルモードにすることも可能。電源オフの状態で風量ボタンを押しながら電源を入れると、最初からジェントルモードになります。これなら最初から弱風なので怖がられることもありません。

これまで子供の髪を乾かすのは大変でしたが、ジェントルモードのおかげで逃げ回らなくなったので本当に楽になりました。あくまでも筆者の子供の場合ですが、ジェントルモードはとても有効でした。

電源オフの状態で風量ボタンを押しながら電源を入れると、最初からジェントルモードに
ジェントルモードで髪を乾かすと大人しくしており、おもちゃで遊んでいました

ただ、ジェントルモードは弱風・低温なので通常より乾かすのに時間が掛かります。筆者の子供の場合、ジェントルモードで運転を開始すれば、その後風量をアップさせても逃げ回らないので、最初はジェントルモード、その後風量を強め、風温は約50℃のSCALPと冷風を交互にして乾かしています。こちらの方がジェントルモードのときだけより早く乾きました。

安全設計はされていますが、子供に同機を使うときは必ず保護者が本体を持ち、頭部へ当たる温度に注意するよう説明書に書かれています。他にも髪が吸込口に吸い込まれないよう、使用中は吸込口から10cm以上離すよう注意されているので気をつけましょう。

使用中は吸込口から10cm以上離すよう注意書きがされています

もちろん大人の髪にもOK

子供の髪を乾かすのに最適なIB-WX3ですが、もちろん大人の髪にも使えます。ジェントルモード以外のIB-WX3の特徴は、2つの吹き出し口を備えている点。2つの風を広範囲に届け、最大風量は1.2m3/分とそこまで強くないですが風が髪を立体的に押し分けるので素早く乾かせるそうです。

2つの吹き出し口を備え、2つの風を広範囲に届けて髪を立体的に押し分けるそうです

「TURBO/HOT」で運転してみると、確かに風はそこまで強くないですが、後頭部に風を当てると、普段乾きにくい根元まで風がしっかり届いているのがわかります。

従来のドライヤーだと小刻みに揺らしながら乾かしてしまいがちですが、IB-WX3は風が広範囲に広がるので小刻みに動かす必要がないそうです。どちらかというと撫でるようにゆっくり動かすのがコツとのこと。

確かに、今まで通り小刻みに動かしていると、あまり乾くのが早くない印象。ですが小刻みに動かすのをやめて撫でるようにゆっくり動かすと、しっかり根元まで風が届いているのがわかり、素早く乾かせるようになりました。

風が立体的に届くので小刻みに動かす必要がありません
ゆっくり動かすのがコツとのこと。乾きにくい根元までしっかり風が届きました

また、シャープのドライヤーはプラズマクラスターイオンを搭載している点も特徴。水分子に含まれているプラスとマイナス、2つのイオンが髪の表面に水分子コートを形成し、うるおいを保つそうです。

イオンなどは目に見えないので効果は詳しくはわからないですが、このドレープフロードライヤーを使っていると、朝起きても寝癖がついておらず、スタイリングに時間が掛からないことを実感しています。

シャープのドライヤーは過去に何度も使ったことがあり、髪を乾かしたあと手触りがよくサラサラになるという印象があるのですが、IB-WX3でもその効果を感じられました。普段筆者は、髪を乾かす前に洗い流さないタイプのヘアオイルを付けるのですが、疲れているときはオイルを付けるのを忘れてしまうことがあります。

他のドライヤーだとオイルを塗布しないと髪がパサパサになるのですが、IB-WX3ではオイルを付け忘れてもパサつかず、毛先もまとまります。早く乾くだけでなくヘアドライ後の仕上がりも良いので、子供がいる人だけでなく美髪にこだわりたい人にもオススメできる1台です。

朝起きたときも寝癖がつかず、サラサラのままでした
西村 夢音