家電レビュー

象印のコンパクトホットプレートが鍋も無水カレーも作れて日常使いにぴったり

象印マホービンの「デイリーコンパクトプレート EJ-DE30」はパーティー料理や鍋だけでなく、日常使いにもぴったり

ホットプレートは、パーティー料理を作る際に重宝する調理家電。ただしサイズが大きいため、普段は収納されており、使う機会が限られるイメージがありました。

そんな中、今年10月1日に発売されたのが、象印マホービンの「デイリーコンパクトプレート EJ-DE30」。「日常的に使いこなす」をコンセプトに設計されており、テーブルの上に置きっぱなしにしやすいコンパクトなサイズ感が特徴です。

平面プレート、たこ焼きプレート、深なべの3種類が付属しており、焼き物、炒め物、煮物、蒸し料理などを1台で調理可能。また、ふたが付いており、無水調理もできます。

公式オンラインストアの価格は、22,880円。今回は実機をお借りして使ってみましたが、使い勝手が優秀で、鍋や朝食、たまに粉ものといった感じで、気軽に日常で使える調理器具として活躍しました。

普段使いしやすいコンパクトなサイズ感。本体外側も丸洗いできる!

デイリーコンパクトプレートは、普段使いしやすいコンパクトさが魅力。一般的なホットプレートは幅があり場所をとりがちですが、デイリーコンパクトプレートは、付属のプレートはすべて重ねて収納できるため、食器棚にもスマートに収まりやすいです。

デザインは、マットブラックの落ち着いたフォルムであり、生活感が出にくくおしゃれ。キッチンや卓上に、出しっぱなしにしておきやすいです。

プレートは「平面プレート」「たこ焼きプレート」「深なべ」の3種類
3枚重ねた時のサイズは、35.5×26×20.5cm(幅×奥行×高さ)。食器棚にも収納可能

基本的な使い方は簡単で、コンセントを挿して、ダイヤルを回すだけ。火力調整のダイヤルは「WARM」「LOW」「MED」「HI」から強さを選べます。温度が記載されていないため、レシピに指定の温度がある時にやや不便に感じることもありましたが、慣れてくると大体の目安はわかってきますよ。

目盛りの目安はHI:焼きそば/焼肉/お好み焼き/たこ焼き、MED:ハンバーグ/餃子、LOW:クレープ/ホットケーキ、WARM:料理の保温

使い勝手のよい機能が豊富に搭載されているため、ストレスなく使いやすいです。例えば、予熱が終わるとランプが消灯し、ピーと音で知らせてくれる機能が便利。予熱時間を計るのが面倒で感覚で調理してしまい、うまくできないといったことも減りますよ。

コードの長さが2.5mという点もうれしいポイント。コンパクトなホットプレートは、コードの長さが1.5mに満たないものが多く、使う場所を選ぶ場合もあるんですよね。デイリーコンパクトプレートはコードが長いため、基本的にはテーブルを動かす必要がなく、みんなが食べやすい位置に置くことができ、家族で食卓を囲む際も安心。

また、4つの安全機能搭載で、小さい子供がいるご家庭でも使いやすいです。ホットプレートは腕を近づけて調理する家電なので、本体ガードが付いているとやけどの心配が抑えられてよいです。

4つの安全機能

1.本体ガード:プレート面より高く設計されており、プレートのふちに手が触れにくい
2.マグネットプラグ:引っかかっても簡単に外れる
3.切り忘れ自動OFF:操作をしないと2時間後にブザーで知らせて電源が自動でOFFに
4.プレートをセットするまで通電しない:正しくセットされていない時はブザーでお知らせ

プレートのふちに手が触れにくいように設計された本体ガード

お手入れもしやすいので、使うことが億劫になりにくいです。水洗いできないヒーターセットは取り外し可能で、本体ガードやプレートは電源を気にせずじゃぶじゃぶ洗えます。各プレートはそこまで重くないため、シンクでの洗いやすさも◎。油汚れや焦げ付きもスルスルと落ちました。長期間ベタつかず、清潔に使えそうです。

外して洗える本体ガード(写真左)と、ヒーターセット(写真右)

安定した火力で粉ものも焦がさずふんわり

「平面プレート」は、焼き物や簡単な煮込み料理などを作る時に使えます。炒め物やハンバーグであれば、3〜4人分をまとめて作れそうなサイズ。

平面プレート使用時のサイズは34×25.5×15cm(幅×奥行×高さ)

3層構造の「遠赤トリプルチタンセラミックコート」採用で、耐久性が高く長持ち。実物を見るとかなり丈夫そうで、ちょっとしたことでは傷はつかなそうです。また、プレートの表面には細かい凹凸があるため、油なじみが良く、焦げ付きにくくなっています。

センサー感度の高いマイコンを搭載し、食材の温度を検知しつつ効率よく加熱するのが特徴。また、「波型3往復ヒーター」採用で、四隅までしっかり熱を伝えて加熱ムラを抑えられるそうです。実際、フライパンだと焦がしてしまいがちなホットケーキを、料理ベタな自分でもキレイに焼けました。

ホットケーキもムラなくきれいに焼ける

お好み焼きは表面だけではなく、中までしっかり火が通っていて、ふわっとした仕上がりに。火力が強く、安定している印象で、タネを入れた時にプレート表面の温度が下がって温まりにくくなるような感じもありませんでした。

粉ものに関しては、加熱ムラがないため、フライパンを使うよりはずっと作りやすい印象。また、多くのホットプレートでは使用できない金属ヘラも使うことができます。プレートの上でカットするなど、鉄板焼き屋気分でお肉やお好み焼きを調理することが可能です。

一般的なお好み焼きよりひと回りくらい小さいものが2枚同時に作れる

朝食をササっと作るのにも重宝しました。火を見ておく必要がないので、朝の忙しい時間にも使いやすいです。卵を割って、ソーセージ(ベーコンもいいかも)、トーストをのせて焼けば朝食が完成。寝ぼけたままでも調理できちゃいます。

保温ができるので、家族で食べる時間がずれる場合でも、温かい朝食をキープできますよ。わざわざキッチンに行く必要がなく、リビングでテレビを観ながら作業が完結する点もよいですね。

たまご、ソーセージ、パンを同時に焼けるから朝食にも◎

たこ焼きは初心者でも技術不要でキレイに作れた

「たこ焼きプレート」は、直径約40mmのたこ焼きを24個焼けるので、パーティーにもぴったり。他にも、一口オムレツ・ハッシュドポテト・プチケーキなども作れます。

たこ焼きプレート使用時のサイズは34×25.5×15cm(幅×奥行×高さ)

たこ焼きを作るのははじめてでしたが、高度な技術は不要で、ぐちゃっとなることもなく、竹串でキレイに返せました。「区切り線」付きで、穴からあふれた材料も丸めやすかったです。小さいお子さんでも、簡単に作れそう。

出来上がったたこ焼きは、外はパリッと中はとろっとした本格的な仕上がりに。やはり出来立ては、たまに食べる冷凍のものよりも断然おいしくて感動でした。

外はパリッと中はとろっとした本格的なたこ焼きの完成
ベビーカステラも作れました。ホットケーキミックスで簡単

鍋を作るハードルが一気に下がる

「深なべ」は、深さ5.5cm、最大容量3.1Lで、3〜4人分の鍋や煮込み料理を作るのにも向いているでしょう。

深なべ使用時のサイズは35.5×26×17.5cm(幅×奥行×高さ)

デイリーコンパクトプレートは、とくに鍋としての使い勝手のよさが抜群でした。いちいち土鍋とカセットコンロを用意する必要がなく、鍋を作るハードルがグッと下がります。周囲がカセットコンロの火で熱くなることもないため、食材や食器の置き場所を選びません。

温度調整や、再加熱もしやすいです。火力も強く、普段使っているカセットコンロよりも煮立つスピードが早い印象でした。余ったスープを翌日使いたい時は大きな土鍋がコンロを占有しがちでしたが、デイリーコンパクトプレートは場所を取らずに置きやすいので助かります。また、表面にはフッ素コート加工が施してあり、土鍋よりも軽いため、お手入れもラクちん。

おでんを作る時も便利。これからの寒い季節にはあると重宝しそう

筆者は1人で鍋をする機会が多いですが、コンパクトなグリル鍋は具材があまり入らず、具材を何回かに分けて入れる作業が面倒でした。しかし、デイリーコンパクトプレートは一度にたっぷりの具材を入れることができるため、1人用の鍋としても大いに役立ちました。1人分の鍋を作る場合でも、ある程度のスープの量が必要ですが、使いやすさ重視の人にはメリットのほうが大きい印象です。

具材がたっぷり入るから1人鍋の満足度もアップ

無水調理もできるので、調理の幅が広がる

少し重めのアルミダイキャスト製のふたをすることで無水調理が可能。ふたの裏側は溝のあるリブ構造になっており、食材から出た水蒸気がしずくとなって還元されます。食材のもつ水分だけで調理をするので、栄養素や旨味が凝縮されたおいしい料理が作れます。

「深なべ」とふたを使って無水調理ができる
アルミダイキャスト製のふたの裏側

無水調理したカレーを作ったのですが、本当においしい! トマト・玉ねぎ・りんごの香りや風味が強く感じられる濃厚な味わいで、「旨味が凝縮されている」というのを感覚として理解できました。

ホットプレートで作った無水カレーが絶品! 主な材料は牛肉、トマト、玉ねぎ、りんご、カレールウ

「無水調理」はハードルが高い印象もありましたが、カレーの場合は材料を入れてダイヤルを回すだけで簡単でした。象印の公式ホームページにはレシピも掲載されているので、参考にすれば調理できるメニューの幅が広がります。

デイリーコンパクトプレートは、パーティー料理を作るだけでなく、フライパンや鍋代わりの調理器具として活躍。実際に使ってみて、すっかり日常生活に馴染みました。

公式オンラインストアの価格は22,880円と、シンプルな機能の製品と比べるとやや高額ですが、性能や機能面でも満足できる1台です。安価なホットプレートだと火力が弱く感じるものもありますが、本機は火力が安定していて表面だけ焦げてしまう心配も少ないです。お手入れもしやすく、安全機能も搭載されていて、使い勝手は抜群でした。

ホットプレートは欲しいけどたまにしか使わないから邪魔になるだけかな……と悩んでいる人は、使えるシーンが多いデイリーコンパクトプレートを検討してみてはいかがでしょうか。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。