家電製品レビュー
使う人の気持ちを考えた最高の1台が、この“モップ付き”スティック掃除機!
2018年7月30日 06:30
今年は、ユニークで革新的なスティッククリーナーが続々登場している。その中でも、本体にモップを格納できるアイリスオーヤマの「極細軽量スティッククリーナー KIC-SLDCP5」は目立った存在だ。モップが付属しているということで、奇をてらった新商品に見えてしまうのだが、実際に使ってみて、その使いやすさに驚いた。モップはもちろんだが、持ったときの軽さや自立する構造の本体もよくできており、掃除をする人の目線に立って作られているからだ。
メーカー名 | アイリスオーヤマ |
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製品名 | 極細軽量スティッククリーナー |
型番 | KIC-SLDCP5 |
価格(編集部調べ) | 24,800円 |
センサー付きで無駄なく掃除、軽くてスイスイ動き、自立もする
サイズはフロアヘッド、スティックハンドル装着時が約224×163×1,043mm(幅×奥行き×高さ)で、充電スタンド設置時は約236×210×1,098mm(同)。本体重量は1.4kgしかなく、モーターなどの重心が下にあるため、持ったときに感じる体感重量がとても軽いのだ。
軽い本体だがバランスはよく、自立するのも嬉しい。掃除をちょっと中断したいとき、どこか壁に立てかけたり、床に倒したりする必要はない。そのままスッと立てておけるので、中断も再開も気軽にできる。
ほこり感知センサー機能も搭載。ゴミやほこりが多いときは赤、少ないときは緑色に光る。自動モードにしておけばゴミの量によって運転の強弱を自動で変えてくれるので無駄がない。運転時間は自動モードが約30分、標準モードが約20分、ターボモードが約8分。充電時間は約3時間となっている。
隅のゴミは少し取りこぼすが、日常の掃除ならこれで十分
フローリング、カーペット、畳で砂と綿を使って掃除をしてみた。
パワーヘッドによりブラシが回転し、小さな砂もよく取る。フローリングなどの溝にはまってしまったゴミも、どんどん取ることができた。運転を止めた場所は、波打ったように残る製品も多いが、掃除機をかけた部分はきちんと取り切っており、とても優秀だ。
カーペットに貼りついてしまった綿ゴミも、1つを残して取ることができた。大きなゴミも小さなゴミもよくとれる。
ただ、隅のゴミは苦手のようだ。細かい砂をこんもりと部屋の隅に置いていたが、少し残ってしまった。ただ、そのままヘッドを横にスライドしたところ、隅までキレイに落ちた。
しばらく日常生活で使ってみたが、ヘッドの可動幅も大きく、スルスルとよく動くので、細かいところまで掃除しやすい。倒すとペタンと地面に本体がつくので、ベッドやソファの下までヘッドが入って奥まで掃除できた。
掃除途中で棚のホコリが気になったら、サッと「モップ」を取り出して掃除できる
床掃除をしているとき、棚やテレビ台のホコリが気になることがある。そんなときは、本体後ろ側にあるケースからモップを取り出して掃除できる。このときも、自立するので立てかけたり、横にしたりせずに、サッとそのまま取り出して使えるのでストレスがない。
また、モップを収納しているケースは帯電ケースとなっており、モップには静電気が発生している。そのため、ホコリをよくキャッチするので気持ちがよい。
モップで掃除をしたら帯電ケースに収納し、また床掃除を再開できる。掃除を一通り終えて充電台に戻ってきたら、本体の下部にある穴にモップを差し込む。電源を入れると除電プレートがホコリをはがして掃除機で吸い取ってくれ、モップはあっという間にキレイになった。常にキレイな状態を維持でき、何度も使えるので経済的だ。
最新のコードレススティッククリーナーが、アナログな「モップ付き」と聞いて驚いたが、掃除する人の動線がよく考えられている。モップはクリーナーの本体についているので、掃除しながら、いつでも気になったときに使えるのだ。床掃除中に気になったらいったん止めて、モップを取り出し、棚やテレビまわりを掃除できる。床を掃除する延長上で一緒に棚なども掃除できてしまうので、掃除の効率がグンと上がって部屋中がピカピカになる。
紙パック式でゴミが飛び散らない! 替えの紙パックは80枚も付属
紙パック式なのでお手入れは簡単だ。あらかじめ本体に1枚、替え用に80枚も付属しているので、しばらくは追加購入しなくてすむ。紙パックの容量は0.3Lで、銀イオン加工により、排気時のニオイを抑える不織布を採用している。
サイクロン掃除機と比較すると、やはり吸引力はゴミが溜まっていくと弱くなっていくが、サイクロン掃除機もこまめにゴミを捨てないと吸引力が落ちるので、手間はそれほど変わらない。少し吸引力が落ちてもカーペットなどのゴミも掃除できたので、不満はなかった。
何よりゴミ捨て時に飛び散らないのが嬉しい。紙パックはスルッと外れるので、そのまま捨てればよい。紙パックもクリップに挟むだけなので、あっという間に終わる。部屋の汚れ状況にもよるが、1枚のダストパックで2~3回は掃除できる。もしダストパックがなくなった場合は、25枚入り、398円で購入できる。
貧弱なバッテリーは交換用も、本体価格は2万円台で文句なし
リチウムイオン二次バッテリーを採用しており、充電回数は約500回となっている。他社のハイエンドコードレススティッククリーナーは充電回数が2,000回という製品が多いので、物足りなさを感じる。ただ、毎日掃除する方なら約1年4カ月、3日に1度掃除する方であれば,約4年間使える。高級コードレススティッククリーナーは10万円を超えるものもあるので、2万円台で購入できることを考えれば、十分だと感じた。なお、交換用バッテリーは6,980円で販売しているので、交換すれば継続して使える。
もう一点、気になったのはハンディタイプとして使用する際の使い勝手だ。スティックハンドルをはずして、本体を手でつかんで使用するため、手に負担がかかって長時間掃除すると疲れてくる。また、ちょうど手でつかむところに排気口があり、排気の風が当たってしまってあまり気分がよくなかった。
棚などはモップがあるので使用頻度は少ないが、ソファの溝などはハンディにして隙間ノズルを使って掃除がしたいので、排気口の位置を変えるか、別途ハンドルなどをつけるなど、改善していただきたいところだ。
とはいえ、自立し、軽く使い勝手は抜群。本体の帯電ケースに入れられるモップも便利で、久しぶりに自分の中で大ヒット商品だった。
この夏、レビューのために一軒家を用意し、「家電ラボ」としてさまざまな家電をレビューしており、そちらでもさまざまなスティッククリーナーを置いているが、なんとなく手が伸びてしまうのは、やはり「極細軽量スティッククリーナー」だ。気に入りすぎて、家でもこちらの製品を導入し、2台持ちで使っている。
モップだけ見ると生活感を感じるが、ケースに入れて本体裏側にあるので、正面からは見えることがなく、デザインもスッキリしている。軽さと吸引力、価格を含め、とてもバランスがよい製品で、一人暮らしなど少人数世帯にもぴったり。ぜひこの使いやすさを体験してほしい。