家電製品レビュー
水拭きいらず! ダイソン「V10」の"圧倒的な吸引力"は、毎日の掃除も、高いところや隙間にも
2018年7月26日 06:30
つい5年前までの40年間、我が家はリビングを始め半数の部屋が、備え付けのカーペットで覆われていた。おまけに、私は生まれつきのホコリアレルギー。息子も同じくそれだ。そんなわけで、5年前に建て替えた我が家は、すべての床が念願のフローリングで覆われている。
そんな全室フローリングの我が家には、"ダントツの吸引力を誇る"というダイソンの掃除機は無用の長物とさえ思っていたが、実際に「Dyson Cyclone V10(以下、V10)」使用してみたところ「全室フローリングでも、吸引力には意味があった!」というのが結論。むしろ、フローリングにこそ威力を発揮するのだと思い知らされた。では、どの辺に意味があったのかを、早速ご紹介していこう。
メーカー名 | ダイソン |
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製品名 | Dyson Cyclone V10 Fluffy+ |
実売価格 | 86,184円 |
みなさんは、お部屋の雑巾掛け、やってますか?
普段、我が家の掃除は、もっぱら「国産のサイクロン式キャニスター型掃除機」で行なっている。さらに言えば、スリッパも履いているし、小さい子供もいないため、雑巾掛けは年数回しかしていない。
目に見える汚れは綿ボコリが主だし、掃除機を掛ければそれもなくなるので十分、といった具合だ。そんな部屋を、3段階の吸い込み強さのうち「中モード」でほんの3分ほど掃除して驚いた。砂ボコリが大量に溜まっているのである。
濡れ雑巾や湿式シートなら取れるはずの汚れだろうが、そんな掃除もしていないので取れるとは思っていなかった。一応は、サイクロン式の掃除機で掃除していたはずなのに、弱/中/強のうちの「中モード」でびっくりするほどたくさん取れていたのである。
V10は、新しい「ダイソン デジタルモーター V10」を採用。そのため、ゴミ受けに当たる「クリアビン」とサイクロン、さらにモーターを一直線に配置できるようになり、ダイソン史上過去最高の吸引力を実現したモデルなので、当然と言えば当然のこと。
ヘッドにも秘密があり、標準ヘッド「ソフトローラークリーナーヘッド」は、ベルベットのような毛足の長めな布地を巻き付けた形状。この毛足が汚れを叩いて浮き上がらせたところを、吸引するという仕組みだ。
逆に言えば、V10さえあれば、雑巾掛けが不要なんじゃないかと思うほど、砂ボコリが取れて、大満足したのである。
そしてもう1つ、"圧倒的な吸引力"を陰で支えてるんじゃないかと思った別の特徴が「透明なクリアビン」。なぜなら、「クリアビンに溜まっていくホコリを、手元で見るのはかなり楽しい」からだ。うれしくなって、つい「クリアビンにホコリが入らなくなるまで掃除してしまう」。手元という配置はキャニスター型ではできないし、透明というのも掃除心に拍車を掛けてくれる。
我が家唯一のラグも、床にこびりついたホコリもキレイに
フローリングでも十分な効果があったV10だが、ここで我が家で唯一のラグを掃除してみた。こちらも隔週程度には、キャニスター型サイクロン掃除機で掃除してきたもの。
が、こんなにホコリが取れた。色も心なしか明るくなったように見える。「これまでの掃除は一体何だったの?」と思うことしきり。
次に、キッチンの床を掃除してみた。キッチンの床は油や水で濡れることもしばしば。ホコリのほか、飛び散った食材など小さな破片のようなゴミが、気がつくと床にへばりついていることもある。
何も考えずに掃除しただけだが、へばりついたゴミも掻き出すように剥がし、吸い取ってくれた。これも結構感動。普段、へばりついたゴミを見付けた場合は、雑巾掛けをして、場合によっては力を入れてゴミを剥がす必要がある。だがV10があれば、「ゴミに気が付く」「力を入れてこすって剥がす」「剥がしたゴミを捨てる」という3ステップが、1ステップに省略されることになる。
掃除機のゴミ捨てを家族に頼んでいたアレルギー持ちが、自分でも捨てられた!
砂ボコリというのは、砂場の砂よりも小さい粒だ。ちょっとした溝があれば入り込んでしまう。だからこそ、我が家にはそれが溜まっていたわけだが、次はV10に溜まったそれを、ゴミ袋へきっちりと捨てたいところ。とはいえV10は、ワンアクションで、きっちり捨て去ることができた。
クリアビンは、開口部が下に付いているので、重力に逆らわずゴミが捨てられる。口を開ける動作と同時に、リング状のゴム製スクレイパーがクリアビンの内側を掻き出してくれるので、中身を残さずにゴミ捨て可能だ。またゴミ捨てでゴミが舞うこともなく、サッと捨てられた。ゴミが舞うとアレルギーが出るので、掃除機のゴミ捨ては家族にやってもらうことも多いが、V10なら自分でできるところもいい。クリアビンの汚れが気になるときは、外して乾いた布で拭き取るようにしよう。
冒頭でも触れたとおり、私は生まれつき強度のホコリアレルギーがあるため、多くの掃除機の排気でくしゃみ、鼻水が起きる。が、V10の排気ではそれが起きなかった。これは、個人的には結構嬉しい。排気の臭いも、ホコリっぽいニオイもしない。フィルターは水洗いできるので、清潔を保てるだけでなく、イヤなニオイも防止できる。フィルターは、24時間以上の乾燥が推奨されている。
掃除機を持つだけでスイッチが入る「トリガースイッチ」
V10のスイッチをON/OFFする「トリガースイッチ」は、人によって賛否が分かれるところだろう。私も使う前は「掃除機を掛けている間じゅう、トリガーを握っていると疲れるのではないか?」と思っていた。が、実際は全く疲れなかった。というのも、スイッチがとても軽いのだ。単に「持っている」のとほぼ変わらない状態で握っていられるので、全く苦にならない。
さらに言えば、このスイッチのおかげで電池の持ちも良くなるはずだ。特に、「掃除中の家具移動時に、スイッチOFFが面倒で、電源を入れっぱなしにしている人」なら、効果てきめん。掃除機を持つのを止めれば電源が切れることになるので、持つかどうかだけで、こまめに入り切りできる。私も例に漏れず、「掃除機の電源を入れっぱなしで家具を動かすタイプ」なので、うまいこと考えたな、と思える機能だ。
最大60分稼働のバッテリーって、実際どんな感じ?
バッテリー駆動の掃除機は、実際の稼働時間も気になるところ。カタログスペックでは、ソフトローラークリーナーヘッドを装着し、弱モードで使用して最長40分稼働するとなっていたが、実働もほぼその通りの時間で稼働した。
冒頭の私はフローリングを中モードで掃除していたが、よほど汚れていない限り、フローリングは弱モードで十分だ。そして強モードは毛足が長いカーペットやラグなどに使用する。中モードは、毛足の短いカーペットやマット用といった感覚だ。とはいえ、我が家のラグは強モードで何往復させてもゴミが取れる状態だったので、V10がやってきて最初のうちは、1段階強めくらいがちょうどいいかもしれない。
フローリングだらけの我が家だが、一軒家なのもあって、1回の充電で家中の掃除をするにはやや不足すると感じた。60分ぶんくらいあればいいのになあ、というのが正直なところ。だが「全室を一気に掃除機掛けする」という習慣がなく、こまめに掃除できるのなら、さほど気にならない程度だ。
また、V10での掃除が行き渡った状態になれば、カーペットやラグの奥に潜む汚れも減ってくるので、現在の掃除時間を参考に使い方を考えてればいいだろう。なお、満充電にかかる時間は3.5時間だ。
掃除機をすっと立て掛けられる便利さ
「掃除中の家具移動」と言えば、もう1つの問題が「掃除機の置き場所」だ。私は床に寝かせて置くことが多いが、そうすると家具の移動先に掃除機が寝ていたりして、正直邪魔だ。そしてイライラする。そんなことを積み重ねて行くと、掃除の機会が減ってゆく。
V10はハンドルの底の裏側が平らな面になっていて、さらに掃除機の最上部に当たる角にはゴムが付いている。この平らな面と角のゴムで、案外壁や家具などにヒョイと立て掛けて置くことができる。
ゴムが付いているので、収納場所を特に決めずに、いろんな部屋に置いて使う、という用途にも向いている。もちろん、収納場所が決まっているなら、付属の壁掛け用「ブラケット」を利用するといい。
届かない場所、汚れの溜まった場所の掃除に便利なツール類
今回使用したのは、V10の中でも「fluffy+」という、ツール類の多い種類だ。これまで使っていた標準ヘッドに加え、4つのヘッドと2つのツールが付属するので、それぞれの用途を紹介していこう。
硬めのブラシを内蔵した「ミニ モーターヘッド」は、ベッドやソファに入り込んだゴミや毛を取り除くのに使用する。
先端にブラシの付いた「コンビネーションノズル」は、棚の上など古いホコリが積もっているような場所に最適だ。
「フトンツール」は、文字通り布団やクッション内部のホコリやダニなどを吸い取るツール。さらに「隙間ノズル」が付属する。
これらのヘッドに取り付けて利用できるツールが「延長ホース」と「アップトップアダプター」だ。アップトップアダプターは、ヘッドの角度を変えられるツールで、床に立ったまま棚の上やエアコンの上を掃除できるようになる。
ヘッド、ツールはともに、延長パイプにも付けられるほか、本体に直接装着できる。個人的に使い勝手が良かった組み合わせは「本体、延長ホース、隙間ノズル」「本体、延長パイプ、アップトップアダプター、コンビネーションノズル」の2つ。
「本体、延長ホース、隙間ノズル」の組み合わせは、隙間ノズルの先端を手で持って利用すると、家具の隙間や洗濯機のパンなどの掃除に便利だった。掃除する場所によっては、ヘッドをコンビネーションノズルに変えてもいいだろう。
「本体、パイプ、アップトップアダプター、コンビネーションノズル」の組み合わせは、高いところの掃除に役立つ。高いところは頻繁に掃除しないので、積もったホコリが油などで固まってしまっている。このホコリをほぐしながら吸引できるのが便利で、本棚の上のホコリがみるみるうちに取れた。
ハンディタイプでも使えるから、布団や自動車掃除にも
つい億劫になりがちな自動車内の掃除も、ハンディタイプのV10なら楽々。いろいろなヘッドを付けてみたが、個人的なおすすめは「ソフトローラークリーナーヘッド」。頻繁に掃除していない初回は、シートを何度掃除してもほこりが溜まっていくので、1度の充電では足りない感じもある。
V10の「透明なクリアビン」のせいで、どんどん溜まるホコリを見るのが楽しくなってしまうので注意が必要だ。特に初回は、同じところを何度もやらずに、できるだけ全体を掃除するようにしたい。そうすれば、2度目以降は、1度の充電でも十分掃除できると思う。
布団やベッドマットの掃除も、ハンディタイプの方がやりやすい場所。「フトンツール」を本体に直接取り付けて掃除しよう。その際は、強モードだと吸引力が強すぎてヘッドが張り付いてしまうので、弱か中モードがおすすめだ。
難点があるとすれば、強すぎる吸引力、音
"圧倒的な吸引力"と"透明なクリアビン"が掃除を楽しくしてくれるV10だが、難点があるとすれば、「強すぎる吸引力」「音」「価格」ではないだろうか。
ズボラな私は、床の物をどけずに、むしろ掃除機のヘッドでどけるタイプ。だがV10の吸引力は、本当に何でも吸い込んでしまう。床に這うコード類も吸い込んでしまったし、落ちていたレジ袋は半分以上吸い込んでしまった。
レジ袋を吸い込んだり、布団に張り付いたりすると、本体に「詰まり表示」が出て、吸引がストップするという機構はあるが、物をどけずに掃除をするにはコツが必要だ。まあ私のような人は稀かもしれないが。
そして次は「音」だ。深夜の集合住宅では弱/中モードでないと、気になるレベルの動作音なのは確かで、決して静かとは言い難い。「掃除は夜中にする」という人は、店頭などで試してから買うことをおすすめする。
【お詫びと訂正】
記事初出時「クリアビンが汚れた場合は、水洗いできる」としていましたが、電気可動部に近いため、メーカーでは水洗いを推奨しておりません。「クリアビンが汚れた場合は、布で拭き取る」ことが正しい手入れ法となります。お詫びして訂正いたします。
ダイソン公式オンラインストアで購入 | |
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Dyson Cyclone V10 Fluffy+ |