家電製品レビュー

シャープの「蚊取空清」で蚊もコバエも蛾もごっそり捕れてビックリ

 ここ数年、蚊を媒介する感染症の話題がニュースとなっており、子どもがいる我が家では、夏になると蚊対策に頭を悩ませている。田舎住まいのため虫が多く、確実に効果を実感できるリキッドタイプの殺虫剤を使っているが、子どもがいるところで、こういった薬剤を使っていいものかどうか、常に不安を感じている。

 そこで、発表時から気になっていたシャープの「蚊取空清」を使ってみることにした。薬剤を使わずに蚊を捕獲しながら、空気もキレイにできる一石二鳥の空気清浄機だ。

シャープ「蚊取空清 FU-GK50」
メーカー名シャープ
製品名プラズマクラスター空気清浄機 蚊取空清
品番FU-GK50
実売価格32,800円(Amazon)

蚊が好むブラックボディ、UVランプでおびきよせる

 空気清浄機は白いボディのものが多いが、蚊取空清はブラックのボディとなっている。黒は蚊が好む色であり、近寄ってきやすい色なので、ボディは表も裏もすべて黒となっている。リビングに置いたときにブラックボディは浮いてしまわないかと心配したが、少し丸みを帯びたデザインで、違和感なく置くことができた。

 本体サイズは394×281×540mm(幅×奥行き×高さ)。空気清浄適用床面積は23畳となっており、8畳を約12分でキレイにできる。

上から見ると楕円形のデザイン
横から見たところ。小窓が開いている
蚊取りパネル(背面カバー)の隙間から空洞が見える
蚊取りパネルを外したところ。大きなゴミをキャッチするフィルターがある
集じんフィルターと脱臭フィルター、プレフィルターの三層構造でしっかり空気をキレイにする

 蚊取空清で一番気に入った点は、薬剤を使わずに蚊を捕獲できること。蚊が好む黒いボディにくわえて、UVライトでも蚊を誘い出す。背面には蚊が隠れたがる小窓があり、ここに近付いた蚊が空気清浄機の風で吸い寄せられ、粘着式の「蚊取りシート」に蚊がくっつくという仕組みだ。

蚊取りシート
蚊取りパネルに装着
透明フィルムを外せばOK

 蚊取りシートは、蚊取りパネル(一般的な空気清浄機では、背面カバーにあたる)の裏側に取り付ける。透明シートをはずしてはめ込むだけなので装着は簡単だった。

 蚊取りパネルを外しているときや正しく取り付けられていないときは、UVライトが消灯する。小窓から覗くと、青色に明るく光っていたので大丈夫そうだ。

蚊取りボタンを押す
裏側の小窓から中を見ると青いライトが光っているのがわかった。蚊取りパネルを外すと自動で消灯する
蚊が入っていく小窓
音はとても静か。本当にコレで蚊が捕れるのか不安なほどだった

蚊はもちろん、他の虫もいっぱい捕れた! ポイントは設置する場所

 我が家は茨城県の田舎で、特に虫が多い。蚊だけでなく、色々な虫が入ってきて困っている。

 最初の1日はコバエしか獲れなかったが、1週間もすると蚊が数匹捕れるようになり、3週間ではコバエや蚊だけでなく、小さな蛾のようなものも捕れていた。蚊取りシートに捕獲されている虫の多さにギョッとしてしまった。コバエらしきものは大量で、蚊は6匹、小さな蛾が1匹獲れている。

3週間経過し、蚊取りシートを見てビックリ。ごっそり捕れている……

 家の中で子供達は蚊に刺されることがあったが、蚊取空清を置くようになってから、1度も刺されていない。ただし、市販の殺虫剤のように即効性はない。我が家でも15畳ほどのリビングで試していたが、最初のうちは蚊が飛んでいるのになかなか捕れていなかった。それは置き場所にも関係している。

蚊らしき虫
小さな蛾。コバエもたくさん捕れていた

 蚊取空清は、蚊がよくいる場所に置くことがポイントだ。使ってみてわかったのは、放熱の高い温度で蚊が集まりやすいテレビの横や、蚊の出入口になりそうな窓の側、人がいる場所などに置くと、より効果的に蚊を捕獲できること。蚊があまり飛ばない場所に置いてもほとんど捕獲が期待できない。

 我が家では子どもの蚊対策として使用したかったので、子どもがよくくつろいでいるソファの横に置いておいた。そこはテレビの近くでもあり、換気をするために開ける掃き出し窓の近くでもあり、蚊をよく見かける場所だ。

 また、風量「強」に設定することで、小窓からの吸引力が上がり、蚊が捕獲しやすくなるということなので、蚊の存在を確認できたらモードを変えておいた。

 なお、使い終えた蚊取りシートは、粘着面を内側に折り、そのまま廃棄できる。直接さわったりすることなく、パタンと折りたたんでそのまま捨てるだけなので簡単だ。蚊取りシートは1,400円。交換の目安は約2カ月となっている。

外して折り曲げる。蚊取りシートにはミシン目がついているのでパッと折れる
あとはゴミ袋に捨てるだけ

空気清浄機能も問題なし! 特にニオイに効果的

 ホコリが立つと、特に夫と息子のくしゃみが止まらなくなるのだが、リビングに置いていたところ、くしゃみが出ることはほとんどなかった。

 また、除菌効果のある独自イオン「プラズマクラスター」で、消臭効果が高く、夏場で部屋にこもりがちなニオイも気にならない。これまで焼肉をすると翌日までニオイが残っていたが、いつもより薄くなっていた。

 3週間ほど経過した後、蚊取りパネルをはずしてみたところ、プレフィルターにはホコリがびっしりとついていた。このホコリは、1カ月に1度掃除機で吸い取るだけでよい。

 集じんフィルターと脱臭フィルターは、どちらも10年交換不要だが、ホコリが付着していた場合は、いったんはずして掃除機をかける。

ホコリがプレフィルターを埋め尽くしている
空気清浄機の吸引機能が落ちるため、こまめに掃除したい。掃除機で吸えばすぐに落ちる。作業は5分ほどで終わる

 なお、本体が黒いので本体表面に付着するホコリが目立った。掃除機をかけるついでに、蚊取空清の上部についてしまったホコリも吸い取っておくと、キレイな状態を保てる。

黒いボディのため、ホコリはちょっと気になる

蚊も捕獲できて空気もキレイにできる! 寝室にもおすすめ

 前面には「プラズマクラスターイオンサイン」と、部屋の空気の汚れを色で知らせる「きれいモニター」がある。とても明るく、遠目でも確認できるのは便利だが、夜間は明るすぎて気になるときがある。ただし、これはどちらも消灯することができる。音も静かで、薬剤を使わずに安心して就寝できるので、寝室にもおすすめだ。

前面のモニターはかなり明るいが、消灯できる。
これなら寝室に置いても気にならない

 なお、電気代は強モードで1時間あたり約1.35円、おやすみモードでは約0.05~0.09円。電気代は安いので、就寝時も含めて24時間運転しても安心だ。前述した通り、蚊の捕獲はある程度時間がかかるので、よりたくさんの蚊を捕獲するためにも、ぜひつけっぱなしにしてお使いいただきたい。

 最初は“蚊取空清”の効果をあまり信用しておらず、こんな仕組みで蚊を捕獲できるだろうかと思いながら使用したのが、予想外に蚊やコバエが捕れた。置き場所などの工夫は必要だが、満足している。

石井 和美