スマートスピーカー使いこなし術
スマートスピーカーはどう便利? その5 ~「スマートリモコン」でスマートスピーカー非対応の家電を操作してみよう
2018年7月11日 07:30
連載その3で紹介したスマートライトやスマートコンセント、その4のロボット掃除機や空気清浄機など、家電のスマートスピーカー対応が少しずつ進んでいますが、まだすべての家電がスマートスピーカーに対応しているわけではありません。今回は、スマートスピーカー非対応の家電をスマートスピーカーで利用できるようになる「スマートリモコン」を紹介します。
家電をスマートスピーカーで操作するための仲介役「スマートリモコン」
スマートリモコンは、さまざまな家電に同梱されている赤外線通信対応のリモコンを1台のリモコンに集約できる「学習リモコン」と呼ばれるカテゴリの製品です。あくまで赤外線リモコンで操作できる機器が対象ですが、スマートリモコンが仲介役となることで、スマートスピーカー非対応の家電も音声でコントロールできるようになります。
スマートリモコンは、音声だけでなくスマートフォンから操作する機能も備えています。というよりも「スマートフォンで操作できる機能を備えたスマートリモコン」という製品群の中で、「最近ではスマートスピーカーに対応した製品も増えている」というのが実情です。そのため発売が古い製品では、スマートスピーカーに対応していないスマートリモコンもあるのですが、この記事ではスマートスピーカーに対応した製品のみをスマートリモコンとして取り扱います。
赤外線で操作できる家電の代表的な存在がテレビやエアコンでしょう。スマートリモコンを使えばテレビの電源オン/オフやチャンネル変更、エアコンの温度変更などを声でコントロールできるようになります。また、赤外線リモコンで操作できる照明も、スマートリモコンでのコントロールが可能です。
家中の家電を1台でコントロール。多彩なセンサーを内蔵した製品も
現在のところスマートリモコンに対応したスマートスピーカーは、Amazon EchoシリーズとGoogle Homeシリーズの2種類です。LINE Clovaは他社製品であるスマートリモコンには対応していませんが、「Clova WAVE」は赤外線通信機能を標準で搭載しているため、スマートリモコンがなくてもテレビやエアコンなどの操作が可能です。
スマートリモコンはリモコンに特化した製品ということもあり、家電を操作する赤外線が届く範囲がとても広いのも特徴です。部屋の構造にも影響されますが、家の中に置いておけば数メートル離れた家電であっても1台のスマートリモコンで操作することができます。
スマートスピーカーに対応したモデルはいくつも販売されていますが、注目しておきたいのはどのスマートスピーカーに対応しているかです。製品によってはAmazon Echoにしか対応していないモデルなどもあるため、自分の持っているスマートスピーカーに対応している製品かどうかを確認しましょう。
また、スマートスピーカーは赤外線通信機能のほかに、温度センサーや湿度センサー、明るさを認識する照度センサーなど、さまざまなセンサーを搭載している製品もあります。こうしたセンサー搭載の製品は、温度や湿度、明るさに応じて家電をコントロールするという使い方も可能になります。
今回はAmazon EchoとGoogle Homeの両方に対応し、さまざまなセンサーも備えている「Nature Remo」を使ってスマートリモコンの動作例を紹介します。
メーカー名 | Nature Japan |
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製品名 | Nature Remo |
実売価格 | 14,040円(税込・送料込) |
操作したいリモコンをスマートリモコンに登録
Nature Remoもこれまで紹介してきたスマートスピーカー対応家電と設定の流れは大きく変わりません。まずはNature Remoを利用するためのアカウントを登録したのち、Nature Remoが接続する無線LANの設定を行なうことで、スマートフォンからNature Remoが操作できるようになります。
設定が完了したら、操作したい家電のリモコンを登録します。登録モードにしたら、Nature Remoに向けて、登録したい家電のリモコンのボタンを押します。すると、どのメーカーのどんな製品かが自動で認識され、登録完了です。これでスマートフォンからコントロールできるようになります。
エアコンの場合は登録が完了すると運転モードの切り替えや温度、風量といった一通りの機能が利用できるようになります。テレビの場合は電源やチャンネル、音量といった機能をボタンごと1つ1つ登録する必要があります。この設定を行なうことで、スマートフォンからテレビやエアコンなどをコントロールできるようになります。
多彩な設定方法に対応したNature Remo
スマートフォンから家電を操作できるようになったら、続いてスマートスピーカーとの設定に移ります。Nature Remoは非常に多くの設定方法に対応しており、Google Homeで2つ、Amazon Echoで2つの設定方法があるほか、IFTTTというWebサービスを利用して音声でコントロールすることもできます。
Google Homeの場合は、「Conversation Actions」と「Direct Actions」という2種類の設定方法があります。Conversation Actionsは前回紹介したロボット掃除機や空気清浄機のように、「Nature Remoを使って〇〇して」と、機器名を指定する必要があります。一方、Direct Actionsは「〇〇して」と操作を直接指示できます。
Amazon Echoは「Smart Home Skill」と「Custom Skill」という2つの設定があります。こちらもGoogle Homeと似ていて、Smart Home Skillは「エアコンをつけて」というように直接指示できますが、操作できるのは電源のオンオフのみです。Custom Skillは「リモでエアコンをつけて」と機器の指定が必要で、電源オンオフ以外に運転モード変更やチャンネル変更、音量変更も可能な点が違いです。また操作できる機器は、エアコン、テレビ、照明それぞれ1台ずつという制限があります。
機器ごとに設定方法が複数あるためどれにしていいか悩むかもしれませんが、お勧めは両方とも設定してしまうことです。Nature RemoではGoogle Home、Amazon Echo両方の設定を併用できるので、Webサイトの説明に従って両方設定しておきましょう。また、GoogleのConversation ActionsとAmazon EchoのCustom Skillは、第4回で紹介したショートカットや定型アクションを使ってフレーズを短くすると便利です。
◇Q33. Google Homeとの連携方法がわからない ? Nature
◇@@link|https://nature.global/jp/faq/038|Q38. Amazon Echoとの連携方法がわからない ? Nature
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センサーを使った家電コントロールや複数家電の同時コントロールも
Nature Remoは声で操作するだけでなく、内蔵のセンサーやスマートフォンとの連携によって自動で家電をコントロールする機能も備えています。この機能はiOS向けに先行提供され、Android向けには7月中旬に提供される予定です。
例えばスマートフォンのGPSと連携すれば、「家を出たら自動でテレビを消す」というルールを設定できます。またNature Remoは温度センサーや湿度センサー、照度センサー、人感センサーを内蔵しており、「温度や湿度、部屋の明るさ、人がいるかどうか」を条件に家電を自動で操作する、という設定も可能です。
複数の家電をまとめてコントロールできる「シーン機能」も追加されました。家を出るときにテレビと電気をまとめて消したり、複数の部屋のエアコンをまとめてオフにするといった操作が可能です。